【コラム】国の運勢を変える韓国だけのノウハウ(上)

 最近会った首相室の関係者は「海外に出ると、“韓国がうらやましい”“韓国に学びたい”という言葉をよく聞く。あいさつ代わりと思っていたが、そうでもないようだ」と述べた。実例として、コンゴ民主共和国(旧ザイール)を訪問したときの話を聞かせてくれた。ジョゼフ・カビラ大統領(39)はこの関係者を迎え入れながら、「韓国に協力してほしいことが一つある。裕福な国となるノウハウをぜひとも教えてもらいたい」と語ったという。2005年に韓国を訪問し、サムスン電子や現代自動車の工場を視察したカビラ大統領は、韓国についてよく知っており、「あなた方の国はかつては植民地で、内戦も経験し、一時はわが国よりも貧しかった。しかしわれわれがもたもたしている間に、韓国は大きく変わった」と韓国の成長ぶりを称賛したという。

 この話を聞いて、昨年春にポーランドの時事週刊誌の記者に会ったときのことを思い出した。この記者は「李明博(イ・ミョンバク)政権下における南北関係」を取材するため来韓し、30分ほどこのテーマについて尋ねた。だが直後に「率直に言って、個人的に気になることが別にある」と話題を変えてきた。

 そのとき初めて韓国を訪問したというこの記者は、「かなり裕福になった国とは聞いていたが、これほどとは思わなかった」と述べ、「韓国にはどのようなリーダーシップの下に、超高速経済成長を成し遂げたのか」と尋ねてきた。この記者は韓国で会ったほかの人物にも同じような質問を投げかけたところ、「独裁政権だったがゆえに可能だった」との答えが返ってきたという。この記者は「独裁が経済成長のカギならば、東欧諸国は今ごろ国民所得が4万ドル(約360万円)にはなっていただろう」と述べ、このような説明には納得できない様子だった。そこでわたしはこの記者に対し、国の指導者が国の条件に合わせて輸出主導の成長戦略を選択した点、選択と集中によって限りある資源を最大限効率的に使った点、「幸せになれる」というビジョンを掲げて国民のエネルギーを結集した点などを説明した。

 家庭や国に余裕がない共同体は「他人をうらやむことなく、幸せになりたい」という希望を持つ。そのため、裕福な隣人を羨望の目で見つめながら、「どうすれば自分たちもあのようになれるだろうか」と考えるのは当然のことだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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