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河村市長「住基ネット侵入実験したい」 違法の恐れ

2010年1月30日9時17分

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 名古屋市の河村たかし市長は29日、市内であった講演会で、「住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)への侵入実験を行いたい」と話した。住民の個人情報を管理する住基ネットは、外部からの不法な侵入を防ぐ仕組みになっているが、実験で安全性を再検証する。具体的な方法は未定で、総務省の許可なく侵入すれば法律に抵触する恐れもあり、実現には壁もある。

 河村市長はこれまで、住基ネットからの離脱意向を示していたが、同日午前、「市民の理解が必要」などとして新年度予算には住基ネットの維持費を計上する方針を示した。同日午後の講演会で、河村市長は「離脱は侵入実験をやってから決める」と話した。

 侵入実験は、長野県も2003年秋に実施しているが、本体へ侵入できる可能性を指摘した長野県に対し、総務省は「本体には侵入されておらず、全く問題ない」との立場で、実験結果の見解は分かれている。住基ネットを担当する総務省市町村課は「名古屋市から申し入れは何も無い」とするが、許可無くシステムに侵入しようとすれば、不正アクセス禁止法などに抵触する可能性もある。

 総務省の外郭団体でシステムの管理にあたる地方自治情報センターは、03年秋に東京都品川区で独自の侵入実験を行い、安全性を確認している。同センターは朝日新聞の取材に対し、「侵入はシステムの構成上不可能」と説明している。

 河村市長は実験の詳細については明らかにしていないが、報道陣に対し、「長野でやった実験より、今ならもっと面白い実験ができる」と話している。河村市長は、実験で情報漏出の危険性を証明し、離脱への市民理解を得る狙いがあるとみられる。

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