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羽生王将、超難解一局制し1勝1敗タイに/王将戦

大田原の名産・とうがらしで作られた「王」とカプサイシン人形を前に、とうがらし製リースをかぶり、笑顔を見せる羽生王将
大田原の名産・とうがらしで作られた「王」とカプサイシン人形を前に、とうがらし製リースをかぶり、笑顔を見せる羽生王将
Photo By スポニチ

 羽生善治王将(39)が1勝目を挙げた。王将戦7番勝負第2局2日目は29日、栃木県大田原市で指し継がれ、羽生が自ら仕掛けた急戦を制して1勝1敗のイーブンとした。連勝を目指した挑戦者・久保利明棋王(34)は羽生の攻勢に沈んだ。終局は午後7時16分、123手まで。

 詰めろの応酬、王手のかけあいともつれにもつれた終盤を制した羽生。両者持ち時間を使い果たし1分将棋になった。盤に覆いかぶさるように前傾姿勢を続ける羽生。時に伸び上がるようなしぐさの久保。ぎりぎりのせめぎ合いだ。そして、123手目5二飛を見て手をおしぼりでぬぐったのち久保は頭を下げた。

 封じ手は必然の5三同桂成で、羽生は角を取り込み銀と桂の二枚換えとなった。どちらが得をしているのかよく分からない、と控室。普通なら得とされる久保も「もやがかかっているような状態。ぎりぎりのところ」という。

 羽生はすかさず51手目に8六に馬を作り攻勢を緩めない。「押したり引いたりの攻防が始まる。これからの折衝が大事な局面。いきなり終盤になるような変化もありそうで、見えづらい。中央付近が大事」と羽生。中央での戦いの主導権がカギを握るのは両者の共通した思い。「5筋の戦いになる。まだ、難しいが6五と7四にいる銀が手厚くなれば、いい形になる」と久保。いずれも昼食休憩の際にもらしている。

 8六馬を2六の地点に移した羽生は、この駒の利きを使って5筋に殺到し、にらみを利かせていた久保飛車の動きを封じ込め、67手目成銀を敵陣深くに進めて、久保王を裸に近い状態にして中央でのポイントを稼いだ。「2六馬の構想は素晴らしい。いい手です」と控室。羽生77手目2四歩を見て久保が反撃を開始する。78手目6六歩と王頭めがけて突きかける。盤上の2枚の銀、と金、4五に跳ねた桂を総動員して王頭に肉薄。ポイントを挽回(ばんかい)して、形勢を混とんに導いた。だが、羽生の丁寧な応接で久保の粘りもとどめを刺された。

 ▼羽生善治王将 なにかはっきりしない将棋でした。ずっと難解だったような、よく分からないですね。5四桂(113手目)を打って初めてよくなった。

 ▼久保利明棋王 うまくいっているのか、そうではないのか、よく分からなかった。判断がつかなかった。新しい形を試してみたが(成果は)微妙なところです。 王将戦

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年01月30日 ]

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