(CNN) 1951年に出版されたロングセラー小説「ライ麦畑でつかまえて」で知られる米作家、J・D・サリンジャー氏が27日、老衰で死去した。91歳だった。遺族が同氏の代理人を通して発表した。
発表によると、同氏は昨年5月に腰を骨折したが、その後の健康状態は非常に良好だった。年明けから急に衰弱していたものの、苦しむことなく死を迎えたという。プライバシーを主張した生前の姿勢を尊重し、葬儀は予定されていない。
サリンジャー氏は1919年1月1日、裕福な食肉輸入業者の息子としてニューヨーク市内で生まれた。ペンシルベニア州の陸軍学校を卒業後、3カ所の大学で学び、42年に米軍に入隊。第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦にも参加したが、精神に異常をきたし、軍病院に入院した。
40年から執筆活動を始め、短編小説を中心に30余りの作品を発表。これらは米誌ニューヨーカーなどに掲載されたほか、「ナイン・ストーリーズ」(53年)などの短編集にまとめられた。長編の代表作「ライ麦畑でつかまえて」は若者らから熱狂的な支持を獲得。「フラニーとゾーイ」(61年)をはじめ、「グラース家」という一家を描いた連作を相次いで発表したが、65年を最後に沈黙していた。
公の場で発言することはまれで、プライバシーにこだわり、伝記作家らを相手取って訴訟を起こしたこともある。生涯で3人の女性と結婚し、2人目の妻との間に息子と娘がいる。