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【産経抄】1月14日

2010.1.14 03:06
このニュースのトピックス産経抄

 ソフトバンクの王貞治球団会長は現役時代、国政選挙の日に担当記者から「選挙行ったんですか」と聞かれたことがある。「オレには選挙権、ないよ」と笑った王さんは、台湾籍である。

 ▼通算ホームラン世界新記録を達成した昭和52年に、第1回の国民栄誉賞を受賞した。当時多くの人は、日本籍だと疑わなかった。中国浙江省出身の父親と日本人の母との間に生まれた王さんは、なぜ帰化しなかったのか。

 ▼現役時代が、国際社会で中華人民共和国と台湾が、激しくせりあう時期と、重なったことともかかわりがある。当時の事情にくわしい作家の鈴木洋史さんによれば、王さんの「自負、自尊心が、自分の生活が有利になることを考えて籍を変えることを潔しとしないからだ」(『百年目の帰郷』小学館)。

 ▼王さん以外にも、さまざまな理由であえて帰化しなかった永住外国人は少なくない。その決意は尊重した上で、「参政権を得たい人は帰化すれば済む。帰化しやすくすることを考えればいい」。国民新党の亀井静香代表の発言こそ、道理というものだ。

 ▼政府・民主党が、永住外国人に対する地方参政権法案をごり押しするというのなら、「保守」を掲げて再生を図る野党自民党にとっては、絶好の機会ではないか。それなのに、「反対」の旗幟(きし)を鮮明にできないとは情けない。外国人の力を借りて、日本をよくするためにやるべきことはほかにある。

 ▼学校で習う漢字を減らされ続けてきたどれほどの日本人が、「褥瘡(じょくそう)」「痂皮(かひ)」といった専門用語を読めるだろう。インドネシアなどから、介護の仕事に意欲を燃やして来日した若者を、国家試験にこんな漢字を出してふるい落とそうとする。不思議な国としかいいようがない。

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