岡山放送局

2010年1月29日 19時11分更新

農地転用で収賄の元市議に求刑


農地転用の許可をめぐって便宜を図った見返りに不動産会社の社長からわいろを受け取ったとして収賄の罪に問われている岡山市の元市議会議員の初公判で検察側は元市議に懲役2年と罰金200万円を求刑し、弁護側は執行猶予が相当とする意見を述べました。

岡山市の元市議会議員で市の農業委員を務めていた成本俊一被告(59)は市内の不動産会社が宅地開発を目的に行った農地の転用申請をめぐって農業委員会の許可が下りるよう便宜を図った見返りに、会社社長の小野勇治被告(76)から現金200万円を受け取ったとして収賄の罪に問われています。

29日の初公判で、成本元市議と小野社長の2人は起訴された内容について「まちがいありません」と述べ、全面的に認めました。

そして冒頭陳述で、検察側は「成本元市議は農地を転用することが地域の住民にとっても良いことであると考え、別の農業委員に『例の件、よろしく頼みます』と伝えた」と便宜の内容について指摘し、弁護側も同意しました。

裁判は起訴事実に争いがないことから結審し、検察側が「農業委員としての地位を利用した悪質な犯行で、農業委員会に対する社会の信用を低下させた」として
▼成本元市議に
 懲役2年と罰金200万円、
▼小野社長に
 懲役1年6か月を
求刑しました。

これに対し、弁護側は「元市議が働きかけたために申請が許可されたわけではない」などと述べて執行猶予が相当とする意見を述べました。

判決は来月19日に言い渡されます。