社会
熱帯植物群生ネットで話題 神戸・南洋植物園跡
南洋植物が生い茂る神戸南洋植物パークの跡地=神戸市須磨区一ノ谷町2 |
神戸・須磨の一ノ谷にあった「神戸南洋植物パーク」の跡地に熱帯植物がジャングルのように群生、その様子がインターネット上で紹介され話題となっている。海外移住の夢破れた人を救おうと1964年に開園したが、その目的を果たせないまま80年代半ばに廃園。マンションの建設が予定されている。
同パークは、神戸市で貿易会社を経営していた故塩田富造さんが私財を投じ、設立した。同市須磨区一ノ谷町2の山すそに、東洋一をうたう直径30メートルのドーム型温室を建設。サボテン、パパイア、マンゴーなど約6千株を集めた。
当時の神戸新聞によると、塩田さんは、ドミニカ共和国で失敗した移民5世帯が神戸に戻ったとの新聞記事を読み、支援の手を差し伸べない政府の姿勢に憤慨。中南米からの帰国者の就労や資金援助を試み「何とか力づけ、再起への導きをしたい」と考えた-とある。
塩田さん自身が若いころ海外移住を夢見たが、機会がなかったという。
ところが、開園の翌65年、塩田さんは64歳で急逝。長男邦博さん(72)=芦屋市=が運営を引き継ぎ、観光客や遠足の小学生らが訪れた。とはいえ赤字続きで帰国者を雇う余裕はないままに。温室が傷み、約20年で閉園した。
邦博さんは2006年に周辺の土地も併せた約2アールを売却。マンション(3階建て、99戸)の建設が計画されており、業者が開発申請に向け市と協議中という。
植えてあった植物は閉園の際、植物園などに分けたが、残った株などが四半世紀を経て成長。熱帯植物が生い茂る。07年5月、神戸市須磨区の飲食店経営尾崎秀則さん(41)が、その様子をインターネットの動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で紹介すると注目を集め、これまでに約2千回再生された。動画は複数のサイトに転載されており、当時を知る人から情報提供もあるという。
邦博さんは「固定資産税だけでも相当な額で、手放した。建設時は父に随分と反発したが、今にして思うと、志は良かった」と話している。
(大月美佳)
(2010/01/29 15:45)
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