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動物との一体感表現 「オーシャンズ」の両監督

2010年1月16日

写真:「オーシャンズ」拡大「オーシャンズ」

写真:ジャック・クルーゾー監督(左)とジャック・ペラン監督=東京・六本木拡大ジャック・クルーゾー監督(左)とジャック・ペラン監督=東京・六本木

 「WATARIDORI」のジャック・ペランとジャック・クルーゾー両監督が再びコンビを組み、今度は海を舞台にした「オーシャンズ」を完成させた。製作費70億円、4年かけて世界50カ所の生物の自然の姿をとらえている。22日から全国公開される。

 2人の前作「WATARIDORI」(01年)は大空を飛ぶ渡り鳥の群れに軽飛行機で「並走」。渡り鳥の一員になった感覚を観客に味わわせた。今回も最新機器を駆使し、ザトウクジラが集団で魚群を襲う狩りや、5万匹のクモガニが重なり合って交尾する場面など迫力の映像が連続する。

 海洋映画と言えば「ディープ・ブルー」「アース」などのヒット作が既に公開されている。クルーゾー監督は「それらはテレビ用に撮影された映像を使っている。私たちは何より映画であることを目指した。斬新な映像を見せるのはもちろん、生物が人間に攻撃されていることを訴えたかった」。

 ペラン監督は「この作品はシンフォニーなのです」と言う。「私たちは動物たちの真っただ中にいたいと考えている。動物を守ろうという声をよく聞くが、私には、動物を他者として見ているように思える。この作品では、動物と私たちは一体なのだということを伝えようとしています」

 そのためには、ドキュメンタリーの枠組みを超えた撮影も辞さない。例えば、フカヒレ漁の漁師がヨシキリザメのヒレだけを切り取って、胴体を海に捨てるという衝撃的な場面がある。

 クルーゾー監督は「実はあのサメはロボットなんです」と打ち明ける。「私たちは実際の漁の映像を見て、それを忠実に再現した。だって私たちはサメがそんなひどい目に遭っている場面に立ち会い、観察者としてカメラを回すことなど出来ませんから」(石飛徳樹)

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