トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事
【大相撲】朝青龍解雇も 暴行事件で刑事処分なら2010年1月29日 紙面から 個人マネジャーではなく別の男性に暴行したことが発覚した横綱朝青龍(29)=高砂部屋=に対し、厳罰を求める声が28日上がった。この日開かれた日本相撲協会理事会では「事実関係次第では、それ(厳重注意)以上が必要だろう」と主張する声も。刑事処分に発展すれば、賞罰規定で最も重い解雇が適用される可能性もある。2月1日の投票で決まる新しい理事による理事会は同4日に予定されているが、朝青龍の処分を決めるため、それまでに緊急理事会が招集される可能性もある。一方の朝青龍本人はこの日、発起人となっていたプロ野球・野村克也氏のパーティーの出席をドタキャン。姿をくらました。 役員改選の立候補届け出が行われた直後の理事会。議題の中心となったのは、朝青龍の暴行事件だった。 すでに千秋楽翌日の25日、朝青龍は師匠の高砂親方(元大関朝潮)と武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)から厳重注意を受けている。このときは、なぐった相手は朝青龍の個人マネジャーだということで、事態は終息に向かいつつあった。ところが、28日発売の週刊新潮が「別の知人男性に暴行し、鼻骨骨折など全治1カ月の重傷を負わせていた」と報道。状況は一転した。 外部役員で元警視総監の吉野準監事は、「厳重注意は処分じゃない。事実関係次第では、それ以上必要だろう」と主張。吉野監事が理事会で高砂親方に説明を求めると、「示談をしている」と返答があった。だが、「示談書を見たのかと聞いたら、まだ作ってないということだった」(吉野監事)。さらに問いただすと正式には示談していないことが発覚した。 被害者は個人マネジャーだという報告を受けていた武蔵川理事長は、理事会中、高砂親方に激怒した。吉野監事によれば、「こういうことがあっては困る、とかなり激しく高砂親方を叱責(しっせき)していた」という。個人マネジャーだから口頭での厳重注意で終わったわけではないが、別の知人男性が被害者だったことで、雰囲気はいっそう重くなった。 賞罰規定には5種類ある。吉野監事は「警察は有名人だからといって特別視せず、公正にやると思う」としており、刑事処分を受けた場合には最も重い解雇の可能性もある。たとえ示談がまとまって刑事処分を受けなかったとしても、「独自に処分するでしょう」と理事会で正式に処分するのが当然だと主張した。 理事会前に理事長室に出向き「週刊誌に載ったことを報告しました」とした高砂親方は、あらためて事実関係を把握し、再度理事会に報告するよう命じられた。理事長は「(まずは)高砂親方が調べる。その報告を聞くことになる」との判断を示した。報道陣から「緊急理事会を開くか」と問われると「それによっては」とも言い、処分を議論する理事会開催をにおわせた。 日本相撲協会は、あらためて朝青龍本人にも事実関係の説明を求める。
|