日本相撲協会は28日、両国国技館で、任期満了に伴い2月1日に実施する理事改選の立候補者を受け付け、貴乃花親方(37)=元横綱貴乃花=ら11人が立候補届を提出した。定員10人に対して11人が立候補し、8年ぶり4度目の投票が決定。貴乃花親方は厳しい選挙戦が予想される中、玉砕覚悟の固い決意を表明した。
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最後まで信念を持って戦い抜く。立候補を届け出た貴乃花親方は、現役時代と変わらぬ気持ちで選挙に臨むことを明らかにした。「現役のころは、一番たりとも勝てると思って(土俵に)上がったことはありません。土俵とは違うが、その気持ちをしっかり持っていきたい」。負け戦もいとわない、強い覚悟を口にした。
予想通り11人が立候補し、8年ぶりとなる投票の実施が決定した。選挙にあたって、貴乃花親方が立たされた状況に変わりはない。同親方を支持する親方は依然として6人で、“貴派”の総票数は7票のまま。現状では当選ラインとされる10票には届かず、このままいけば落選する可能性は高い。
“貴派”の一人、二子山親方(元十両大竜)は「このまま投票します」と、あらためて支持の意思を表明。「私は応援しているだけ。それ以上のことは何も分かりません」と口を閉ざした。また、貴乃花親方の精神的支柱となっている間垣親方(元横綱二代目若乃花)は「状況は厳しい」との見方を示した。
厳しい状況ではあるものの、昨夜、電話で6人の支援者と結束を固めたという貴乃花親方にブレはない。「土俵に上がっていく時の気持ちを忘れてはいけない、ということを話した。7人の結束をこれ以上に高めていこうと…」。2月1日まで票集めを目的とした選挙活動はせず、静かに運命の時を待つ。
選挙に向けてのマニフェストは、この日も口にしなかった。貴乃花親方は素直な心境を口にした。「私は土俵に育てていただいた。ファンの皆さまに育てていただいた。恩返ししたい気持ち。選挙の自信?自信は過信につながりやすい。心意気で全力を尽くしていきたい」。現役時代そのままの意気込みで、過酷な選挙戦に挑む。