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婚活詐欺女「画家子息」宅から絵画“持ち出し”

 詐欺などの容疑で逮捕された無職女(34)=東京都豊島区=の知人男性が相次いで不審死した事件で埼玉県警は4日までに、女が逮捕直前まで同居していた40代の男性宅を家宅捜索した。女はこの男性に対し、今年5月に自宅火災で亡くなった千葉県野田市の男性について「画家の息子」だと話し、「金を貸した代わりに譲り受けた」として絵画3点を預けていた。

 埼玉県警は、女と9月19日から逮捕の同25日までの1週間、同居していた関東地区に住む40代の男性宅を家宅捜索した。押収品は、女が持ち込んだとみられる調理器具や生活用品、ダイニングテーブルやピンク色の小型トランクなど。この中に絵画3点があった。5月15日、野田市の自宅で焼死した安藤建三さん=当時(80)=が所有していた絵とみられる。

 男性はフジテレビのインタビューで、安藤さんが画家の安藤義茂氏の息子だと証言した。女は「(安藤さんに)300万円を貸していて、その代わりという感じで画家である父親の絵をもらった」と説明。その上で、一部は「生活のために売った」が、何点かは「不景気で高く売れなかった」などと話したという。

 義茂氏は、1940年代に塗り重ねた水彩絵の具を刀で削る「刀画(とうが)」の技法を確立。作品を取り扱ったことのある大阪のギャラリーによると、1967年に79歳で亡くなった後は、多くの作品が生まれ故郷の愛媛県北条市(現・松山市)にある「北条ふるさと館」に寄贈されており、作品が一般に出回ることは少ないという。担当者によると「保存状態にもよるが、絵は30センチ×25センチ大なら30万円ほどになる」。安藤さんは義茂氏の次男で、遺産として絵画の一部を受け取っていた可能性がある。県警は押収した3点が譲り受けたものかどうか、入手したいきさつについても調べる方針。

 女は安藤さん宅に訪問ヘルパーとして出入りしていた。火災発生当日の5月15日に、女が安藤さんの口座からキャッシュカードで約180万円を引き出している。自分のブログにこの日の訪問を記しており「いろいろなところから事情を聴かれて、サスペンスドラマのような1日でした」などと記していた。遺体からは睡眠導入剤が検出されたほか、焼け跡からはしちりんや練炭の燃えかすが見つかっている。

 安藤さん宅近くに住む70代の女性は「絵の話などはしたことはなく、ましてや父親が画家とは知らなかった」と驚いていた。

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