婚活詐欺女…大出さん死亡後にも練炭セット購入

レンタカーの後部座席で大出嘉之さんが死亡しているのが見つかった駐車場 Photo By 共同

　埼玉県警に詐欺容疑などで逮捕された無職女（３４）＝東京都豊島区＝の知人男性が相次いで不審死した事件で３１日、交際相手だった会社員大出嘉之さん＝当時（４１）＝が８月に練炭による一酸化炭素中毒死したレンタカーの車内にマッチのもえかすはあったが、マッチ箱やライターはなかったことが分かった。県警は、女が持ち去った可能性もあると見て裏付けを進めている。また、大出さんの遺体発見後も、女がインターネットを通じて練炭を購入していたことも判明した。

　捜査関係者によると、大出さんは８月６日午前７時半ごろ、埼玉県富士見市の駐車場に止めたレンタカーの後部座席で死亡しているのが見つかった。助手席に練炭とマッチの燃えかすがあり、死因は一酸化炭素中毒だった。ただ、内側から施錠されているにもかかわらず、車内にはマッチの箱やライターなど、火をつけるものはなく、車の鍵もなかった。

　大出さんはこの前日、自身のブログに「今夜から２泊３日で相手と婚前旅行に行きます」などと書き込み。その後、東京・池袋周辺でレンタカーを借り、そのまま女の自宅に向かったとみられるが、かばんや衣類などの旅行用品も見つかっていない。

　女は、大出さんと自宅で食事した後、レンタカーで遺体発見現場の駐車場に行ったことを認め、「駐車場でけんかをして別れた。そのショックで自殺したのではないか」と説明。県警は、女がレンタカーを運転した可能性が高いとみているが、車から女の指紋は検出されず、女が手袋などをして運転し、マッチ箱やかばんなどを持ち去って処分した可能性もあると見て裏付けを進めている。

　一方、女は今年４月から大出さんが遺体で発見されるまでに、練炭と七輪（しちりん）をインターネットで数セット購入。購入した練炭と大出さんの車内にあった練炭が同タイプであることが分かっているが、遺体発見後も、８個入りの練炭と七輪をセットで購入していた。女の部屋からは、練炭は見つかっていない。

　また、女が結婚詐欺の容疑について「金に困り生活を維持するためだった」と供述していることが分かった。女は、今年夏ごろからＪＲ池袋駅近くの家賃２１万９０００円のマンション最上階の部屋に住み、自身のブログに新たに購入した外車ベンツの写真や、高級ホテルに泊まって食事をした際の様子などを掲載。大出さんから約５００万円をだまし取るなど、複数の男性から計１億円近くを受け取ったとされるが、９月２５日に詐欺容疑で逮捕された際、銀行口座の残高はほとんどなかった。

[ 2009年11月01日 ]