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【ダボス(スイス東部)=有田哲文】フランスのサルコジ大統領は27日、「世界経済フォーラム」の年次総会(ダボス会議)で開幕演説を行い、「投機は銀行員の仕事ではない。銀行が投機をしてはいけないと語るオバマ米大統領は正しい」と語り、米政権が目指す金融規制強化を支持した。
サルコジ氏は金融機関の報酬問題についても言及。「容認できない報酬が存在する。雇用や富を作り出している人がもらうなら驚かないが、それを破壊している人が多額の報酬を受け取るのは弁護の余地がない」と述べ、金融危機の結果として失業をもたらした金融機関の姿勢を批判した。
サルコジ氏はさらに「金融、自由貿易、競争はたんなる手段であり、目的ではない。自由貿易をすべてに優先させたことで、我々は民主主義を弱めてきた」「資本主義を救い出すには、資本主義を立て直すしかない。倫理的な側面を取り戻すことが必要だ」などと語った。
ダボス会議は国際的に活動する金融機関や企業の幹部が集まっている。サルコジ氏にとっては持論でも、討論を引っ張る役割の開幕演説としては異例の内容だ。