「陸山会」土地購入事件 石川容疑者「パックされた1億円の札束4つを受け取った」
民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐる事件で、渦中の元秘書・石川知裕容疑者(36)が新たに、小沢幹事長から受け取ったとされる4億円について、「ビニールパックに包まれた1億円の札束4つを受け取った」と供述していることがわかった。また、さらなる説明を求める声は、国会でも高まってきている。
補正予算が衆議院を通過し、与野党激突の舞台は26日から参議院へと移った。
鳩山首相の机には、自らの著作「新憲法試案」の単行本が置かれ、菅副総理は、自民・舛添前厚労相の著作を手にしていた。
その舛添氏は、トップバッターとして質問に立ち、「小沢幹事長のお金をめぐる問題ですから。先般の記者会見を聞きましても、わたしは十分に納得できないところがある。小沢幹事長に参考人として、疑われたら自ら疑惑を晴らすのが、われわれの政治倫理で決まっているわけですから、そういうことを要求したいと思います」と、小沢幹事長の国会への参考人招致を求めた。
そして午後、質問に立ったのは、「小沢問題」追及の急先鋒(せんぽう)で、現役税理士でもある自民・西田昌司議員。
先週の参議院本会議で、西田議員は「小沢さんのための内閣じゃないか。小沢さんの生活が第一だよ」と、鳩山首相に激しいヤジを飛ばしていた。
西田議員は26日、まず「小沢問題」について、民主党内で調査を行うかと尋ねた。
鳩山首相は「捜査権を持っていない、政党による調査では限界がある。検察の捜査に委ねるべき」と述べた。
この答弁に、西田議員は「本当に、わたしはがっかりしました。民主党といえども、良心があると思っていました。皆さま方には良心がないんですか」と述べた。
さらには、税理士としての知識を生かし、政治資金団体の土地購入は「相続税逃れ」ではないかと追及した。
西田議員は「個人で(土地を)持っている場合は、個人の相続税の対象となる。ところが、政治資金管理団体でこの土地を保有しているということになれば、個人の相続財産に含められない。つまり小沢さんは、相続税逃れのために(土地を保有)した疑いが強いんです」と述べた。
そして、閣僚にもこうした方法に問題がないかをただしたが、亀井郵政相の「そんなくだらん質問には答えられない」の発言で、審議が一時ストップした。
こうした中、小沢幹事長は26日、正午前に自宅を出て、元赤坂の個人事務所に入った。
これまで水谷建設の元幹部は、2004年10月と2005年4月に5,000万円ずつ、小沢幹事長側に提供したと話しているが、さらに2005年9月にも2,000万円を渡したと供述していることが新たにわかった。
2005年9月は、「小泉旋風」で自民党が大勝した「郵政選挙」の期間中で、当時、小沢幹事長は、民主党の副代表だった。
水谷建設の元幹部は、「選挙の陣中見舞いとして、盛岡市内のホテルで、大久保 隆規容疑者(48)に2,000万円を渡した」と供述しているという。
これまでの調べに、大久保容疑者は、「裏金」の受け取りを否定している。
公職選挙法では、選挙運動にかかわる収入の報告を義務づけているが、すでに3年の時効を迎えているため、仮に事実であっても立件対象にはならない。
また、事件をめぐっては、石川容疑者が土地購入資金として、2004年10月に小沢幹事長から受け取ったとされる4億円について、「ビニールパックに包まれた状態の1億円の札束を4つ受け取った」と供述していることが、石川容疑者の弁護士によって明らかにされた。
石川容疑者側は、小沢幹事長から受け取った金が、すでにパックされていたとして、「ゼネコンからの裏金が入るはずがない」と、裏金の受け取りを全面的に否定している。
しかし、その4億円は、陸山会の複数の口座に、わざわざ分けて入金されていることがわかっていて、パックされた金の受け取りには大きな疑問が残っている。
一方、午後3時すぎ、参院予算委員会で質問に立った改革クラブの荒井宏幸議員は、「『説明責任を果たしたうえで、それができない場合は、政治責任を取っていただくしかありません』。これは、誰の発言だと思われますか?」と、かつての国会での発言を読み上げ、鳩山首相に発言の主は誰かと質問した。
鳩山首相は「私の発言ではないかと思います。私も、まさにそのように思っています」と答えたが、荒井議員は「実はこれ、小沢一郎先生の言葉です。くしくも、小沢代表(当時)も、総理も同じお考え。なぜ逃げられますか?」と述べた。
荒井議員は、小沢幹事長が国会の場で説明するよう、あらためて求めた。
(01/26 17:49)