俺は浩志だ、と眠っている多恵に健が言いかけたとき、多恵が目を覚ます。他人を見るような多恵のまなざしにいたたまれずに、健は病室を飛び出す。母の日が近づいた夜、健は多恵の病室にこっそりバラの花を届ける。浩志にとって母の日にプレゼントするのはカーネーションではなく、多恵の好きなバラだった。博人が事故で自分だけ生き延びたことを多恵に詫びに来る。すると、多恵は浩志のことを忘れずにいてくれることが何より嬉しいことだと話す。その言葉に直は言葉を失う...。生きる気力を失う多恵を元気づけたい直の提案で、健が浩志の曲「赤の月」を多恵の前で演奏することになる。演奏を聴いた多恵は...。