J・D・サリンジャー氏死去 米作家J・D・サリンジャー氏(米作家)代理人によると、27日、米東部ニューハンプシャー州の自宅で老衰のため死去、91歳。1951年の青春小説「ライ麦畑でつかまえて」で世界的に有名。極めて寡作で65年以降、隠居生活を送り公の場に姿を現さず、伝説的な作家だった。 「ライ麦畑」はこれまでに全世界で6500万部以上が出版されたといわれる。2003年には作家の村上春樹さんが「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の題で新訳を出し、話題となった。 19年、ニューヨーク市生まれ。コロンビア大で学びながら創作を始め、第2次世界大戦で軍に入隊後、本格的な作家活動に入った。 「ライ麦畑」は成績不振で高校を放校になったホールデン少年を主人公に、新鮮な口語体で偽善に満ちた大人社会を描き出し、若者の強い支持を集めた。ほかに短編集「ナイン・ストーリーズ」(53年)収録の「バナナフィッシュにうってつけの日」や「フラニーとゾーイー」(61年)などグラース家の7人きょうだいを描いた作品が有名。後期の作品には禅など東洋思想の影響が強く見られる。 前妻との間に1男1女があり、長男のマット氏は俳優。(ニューヨーク共同) 【共同通信】
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