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フルHDビデオ=AVCHDの編集
ビデオの撮影後の最大の課題となるのが編集です。 撮影した家族だけで見るなら生動画を見ても楽しいものですが、 友人、知人、親戚にとってはダラダラと長回しした画像を見せるのは失礼なことです。 コンパクトに編集して、できればDVD-Videoを作ってプレゼントするとよいでしょう。
ここで問題となるのは、
CANON iVIS HF10の採用している圧縮方式AVCHDです。
AVCHDはSONY, Panasonicも採用しているように
フルハイビジョン(FD)画質を記録するビデオカメラの標準形式ではありますが、
高画質を低容量に圧縮しているため、再生・編集には相当の計算を伴うそうです。
撮影したカメラでスムーズに再生できるのは当たり前なのですが、
保管・編集するパソコンの性能によっては重い映像ソースとなってしまうために、
再生画像がカクカクしたり、一部がモザイク化したりしていしまうのです。
また、AVCHD形式の再生対応は、据置レコーダーでも最新機でないと再生が不可能です。
再生・編集ソフトに関してもまだまだ発展中のため、
今後はどんどん進化・発展するのは間違いないのですが、現状はまだまだ貧相なのです。
カメラに付属のAVCHD対応の編集ソフトだけでなく、
販売されているソフトでさえもAVCHD形式の編集は重く、自由度が低いのが現状です。
AVCHD動画の整理・保管法
では、撮り溜まる一方のAVCHDの画像はどのように整理し、保管すればよいのか? 現実的な"今の"対応は下記が最善と判断しました。
- 記録・保管はハイビジョン画質(HD)、AVCHD形式で、ファイル保存 -> 外付ハードディスクへ2重化
- 編集・配布はアナログ画質(SD)でDVD-Video形式
ハードディスクの容量が許す限り(できれば二重化)の容量を、
可能な限り高画質のHD画質生データで保存するのが賢明です。
生データを保管しておけば、後でいかようにも加工する自由度が担保されます。
生データのPCへの保管はSDカードにコピーして移送するよりも、
USBで接続する方が簡単で速いです。
実際の動画が保管されているのは、/AVCHD/BDMV/STREAM/*.MTSですが、
AVCHDフォルダ全体での保存が賢明なようです。
また、AVCHDを編集するソフトは、PIXELAのImageMixer 3 SEが付属しているものの、
編集の自由度は低く、またIntel Core 2 DuoにXP最大の3Gメモリを持ってしても重い!
自慢げにAVCHD形式で配布して不興を買うよりも、
どこの家庭でもどのような環境でもおそらくはスムーズに再生が可能なDVD-Video形式で配布するのが確実です。
Mpeg2圧縮でのDVD-Video形式なら編集作業も軽く、ディスク容量も莫大ではありません。(それでもディスクはきついですが)
AVCHDからDVD-Videoの作り方
- AVCHD形式をMpeg形式へ変換し、切り貼り
- Mpeg形式動画と静止画を組み合わせてDVD-Videoのイメージファイル
- DVDイメージファイルの圧縮と焼付
1. Mpegへ変換して編集
AVCHD方式のフルHDビデオカメラを購入すると当然にAVCHDが編集可能なソフトも添付されてきます。 CANON iVISのHF10, HF100, HF11の場合には、PIXELA社のImage Mixer 3 SEが添付されており、 これによってAVCHDでの編集だけでなく、解像度のSD化やMpeg2への変換が実施できるようになっています。
付属ソフトはHF10, HF100, HF11全てに共通でPIXELAのImageMixer 3SEです。
AVCHD形式も編集できソフトではあるのですが、
ソフト自体が重くデータ容量も食うため、IM内でAVHCDからMpegへ変換した後に編集します。
Mpegへの変換は「ファイルの書き出し」メニューでファイル形式と保存先を指定するだけです。
書き出されたMpegは、動画だけでなく静止画とも組み合わせることができます。
なお、静止画はデフォルトで10秒間再生(短縮可能)されるため、シーンの冒頭/終幕の説明カットを挿入するのに便利です。
IMにもオープニングテキスト等を挿入する機能はついているのですが、
背景が黒固定等のように自由度が低いため、別の描画ソフトで作りこむ方が綺麗に写ります。
また、フェードイン/フォードアウト機能も装備しているものの黒in黒outなので、
白in/白outにしたい場合には、間に真っ白の画像を挟むことで簡単に実現できます。
SD画質のワイド画面に対する最適な静止画のサイズは、1440x480ピクセルです。
ImageMixerでは、いくつか動画静止画を切り貼り、編集したまとまりを「プロジェクト」と呼んでいます。
キリのいいシーン毎に編集を構成するほうが後半の作業もしやすいので、
まとまりのよい場面毎に「プロジェクト」を作成して、管理するのがよいでしょう。
1a. HD画質の動画(*.MTS)を読み込ませるため、IMの"アルバム"へ読み込み
1b. アルバム内の各動画をSD画質のMpeg2(*.mpg)へ変換
1c. 場面毎に表題と動画を継ぎ接ぎし、不要部のカット
1c-1. タイトルの挿入
1c-2. 不要な部分のカット
1c-3. フェードイン、フェードアウト
1d. 各場面を"保存"することで編集済みの場面毎のMpeg2を作成
Image Mixer 3 SEにもDVD Videoを作る機能は装備されているのですが、
規定のメニューで固定されるため、メニュー画面のカスタマイズができません。
また、直接にDVDドライブへの書込み制御を行うことしかできないため、
DVDイメージを作成する機能は付いていません。
そのため、DVD-Videoの4.5Gの容量を超えた場合には対処できないのです。
そこで、フリーソフトのDVD stylerを用いれば、
DVD-Videoのメニューが自由に変更できます。
2. DVD-Video形式データに纏める
Mpeg2の動画が複数出来上がったら、それらを組み合わせてDVD-Videoディスクを作ります。 その作業には、「DVD styler」というフリーソフト=無料ソフトが便利です。
2a. Mpeg2ファイルを読み込む
2b. メニューの背景を変更する
2c. メニューにボタンを配置する
2d. DVDイメージファイルを作成する
「保存」メニューで「DVDイメージファイル(*.iso)」を作成することで、
一般のDVD-Rドライブに付属しているDVD焼付けソフトによって、DVD-Rに焼き付ければ通常の据置型DVDプレーヤーで再生が可能なDVD-Videoの出来上がりです。
ちなみに東芝のHDテレビ REGZAのZシリーズならば
LAN上のHDDに保存したmpeg2, mpeg4形式のファイルを直接に再生できるので、
DVDに焼かなくともリンクしたHDDへ保存するだけで編集後の動画を再生することができます。
3. DVD-Rディスクへの焼付け
販売されている通常のDVDには容量4.7Gバイトと記載されていますが、 実際に書き込めるデータの総量は、4.37Gバイトまでです。
3a. データサイズが4.37Gバイト以下の場合
DVD-RへDVDイメージファイル(*.iso)を焼き付けることで一般のDVDプレーヤーで再生できるDVD-Videoが出来上がります。 DVD-Rへの焼付けはDVDドライブに必ず付属している添付ソフトで構いません。 できればDVD-Rの単価は20~100円程度ですが、安価な台湾製は書込みエラーでの損失以上に、 経年劣化(1年程度!?)が怖いので、50円/枚から購入できる日本製が必須です。 DVDドライブがDVD-ROMだけの場合には、DVDは焼けないことは言うまでもありません。
3b. データサイズが4.37Gバイトを超えた場合
3b-I. 画像圧縮ソフトで4.3G以下に圧縮
総量が5Gバイト前後のISOデータになってしまった場合には、 動画データを圧縮することで、DVD-Rにピッタリのサイズに収まるデータを再作成します。 DVDデータの圧縮でもっとも有名かつ有能なのはDVD Shrink(DVDシュリンク)というフリーソフト(無料)です。 非常に優れたソフトなので、10%前後の劣化であれば判別できる人は少ないでしょう。
3b-II. 大容量DVDディスク(DVD-R-DL)に焼く
通常のDVD-Rを大容量化した2層式のDVDディスクをDVD+RW DLやDVD-RW DLという規格で、
規格上のデータ容量がDVD-Rの2倍弱の8.5Gバイトあります。
国内の主要メーカー品のDVDプレーヤーであれば再生に支障は無いのですが、
PCのDVDドライブおよび書込ソフトが2層式(DL)対応していないこともあるので、確認が必要です。
(DVDドライブのドライバソフトの更新や書込ソフトのアップデートで対応可能となることも多いようです。)
実際に書き込めるデータ容量は7.3~7.6Gバイトぐらいだそうなので、
これされも超えてしまう場合には、分割して2枚構成にするしかありません。
撮影時の注意事項
いかに編集に腕を振るおうとも、撮影された映像が貧相では編集段階での対処にも限界があります。
見やすい映像のためには、「手振れ補正機能を過信せずに、揺らさない」と、
「パーン(横展開)は、ゆっくりとカメラを振る」という基本動作を心掛けましょう。
ちなみに3時間程度の撮影に対しては、付属のバッテリーでは全く不足します。
追加のバッテリー、もしくはACアダプターが必需品です。
なお、動画ファイルの編集は、途中の過程でかなりの中間画像の作成が不可欠となります。
するとディスクスペースも大容量が必要なので、20, 30Gバイトを空けた状態で編集作業にあたりましょう。
注目のAVCHD編集ソフト
テレビ東京のワールドビジネスサテライトで紹介された新感覚ビデオ編集ソフトLoilo(ロイロ)が話題沸騰しているようです。
LOILOのloilo Scopeが話題になっており、2008年12月にはAVCHDに対応するらしいので期待されます。
ただし(パソコンのビデオカードという部品性能に依存したソフトなので要確認!)