※4月15日第1版アップ。6月7日再審棄却について追記。
昨日の今日で
昨日(4月14日)、防衛医大の教授の痴漢事件で最高裁が逆転無罪判決を出したのを見て、「御殿場事件はどうなるかなぁ?」と思ったけど、影響するも何も
結論は既に出てたのね。
結果は、有罪確定と。“産経新聞『元少年5人の有罪確定へ 静岡・御殿場の少女集団強姦未遂』”より
静岡県御殿場市で平成13年、少女を集団で乱暴しようとしたとして強姦未遂罪に問われ、無罪を主張した当時16〜17歳だった元少年5被告の2件の上告審で、最高裁第1小法廷は、いずれも上告を棄却する決定をした。4被告を懲役1年6月の実刑とした2審判決と、1被告を懲役2年6月執行猶予4年とした1、2審判決が確定する。決定はともに13日付。裁判長はそれぞれ同小法廷の桜井龍子裁判官と涌井紀夫裁判官。
昨日の今日で有罪判決が下されたとなると、痴漢やレイプといった
性犯罪の捜査はどうあるべきかについての議論が白熱するのは間違いないかな、と。・・・っとなると、この2つの事件はジュリスト行き決定か?(でも御殿場事件は単体として判例集に載るのは微妙か)
個人的には、「地裁で訴因変更を認めたのは乱暴なんじゃないかな?(犯行日が変わった時点で一度捜査をリセットすべきだった)」というのがこの事件の一番の問題だと思ってるのだけど、この辺りについては判決で言及されてるのかな?
※16日追記
読売新聞によると、
上告棄却の理由について最高裁から説明は無かった模様。うーん、せめて意見を出してもらえればなぁ。
“読売新聞(静岡版)『御殿場少年事件 有罪確定へ』”より
最高裁の棄却決定について、4人の弁護人の沼沢龍起弁護士は「犯行日が変更されたり、被害者の供述の信用性が認められたり、最初から厳しい裁判だった」としたうえで、「『上告理由に当たらない』と書いてあるだけで、(最高裁は)棄却理由に一切触れておらず、冷たい決定」と語った。
再審請求については、「被害者の証言を信用するか、しないかの問題なので、再審に必要な新証拠を探すのは難しいが、可能性は探りたい」とした。
ちなみに、保護処分取り消し(刑事裁判でいう再審に該当)の審判をやってた被告の人についても記事で言及されている。
この事件では、少年審判で中等少年院送致の保護処分となった元少年1人も、無実を訴えて保護処分取り消しを家裁沼津支部に申し立てて受理され、刑事裁判の再審にあたる審判が08年2月に始まり、08年12月に結審している。
再審請求も棄却(6月7日追記)
“47NEWS『強姦未遂で元少年の「再審」棄却 静岡家裁支部』”より
2001年の静岡県御殿場市の少女強姦未遂事件で、中等少年院送致の保護処分となり、退所後に処分取り消しを申し立てた当時16歳の元少年(23)について、静岡家裁沼津支部は5日、刑事事件の再審に相当する審判で申し立てを棄却した。
決定理由で、原啓裁判長は犯行日の供述を変更した少女について「その後の供述は信用できる」と指摘。「否認に転じた元少年の供述は信用できず、犯行日が変更されても強姦未遂の事実があったことには変わりはない」とした。
>原啓裁判長は犯行日の供述を変更した少女について「その後の供述は信用できる」と指摘
何べんも言ってるけど、
犯行日という事件の根幹が揺らいだのなら捜査を一からやり直す必要があったのではないかな? こんなの会計監査でやられたら意見不表明を出す・・・・もとい、監査人は契約破棄して逃げ出すレベルだぞこりゃ(株主代表訴訟とかを起こされかねないから)。
つーか、訴因変更が認められた後、警察はどうも
最初の犯行日の調書をコピペしただけの調書を作っただけで追加的な捜査をやってない疑いが強いんだよなぁ。
納得できる捜査・裁判を
総括っぽいことを書くけど、近年冤罪事件が明るみになったのも絡み、
この御殿場事件もまた警察や検察、司法に対し不審を抱かせる事件になってしまったという点についてはいわゆる有罪論者・冤罪論者共に異論は無いと思われる。
地裁判決(
【地裁が「初動捜査のお粗末さ」を(一応)批判[御殿場事件(PART3)]】の記事を参照)でツッコミが入ったように、被害者が被害届けを出した時に、警察が物的証拠を確保するなど
初動捜査で当たり前な事を当たり前にしっかりやっていれば、事件はここまでカオスな状況にはならず、被告の人達が有罪になるにしろ納得いく説明が得られたのではないか?
須賀川市立第一中学校柔道部暴行事件のエントリでも同じようなのを〆に書いてるけど、
判決は出た。しかし、それから何を学び、改善するかもまた重要である。 警察・検察はこの事件も教訓にして、社会に不審を抱かれない体制を構築していただきたい。
あと、性犯罪はホント「被害者の言うことは絶対!加害者はクソ!」がテンプレ化してる感が。それならば、
いわゆる逆レイプ(女性→男性)でも同じくらいのお裁きが出ないと論理に矛盾が出るのだけど、
逆レイプの場合は加害女性の名前すら報道されていないという事実・・・。
[関連リンク]▼[PDF]平成19(あ)1785 強制わいせつ被告事件 最高裁判所第三小法廷判決 平成21年04月14日:防衛医大の教授の事件の判決文。無罪判決が出たのはかなり際どい判断だった模様。