2009年01月22日

「三島女子短大生焼殺事件」


「三島女子短大生焼殺事件」

服部純也死刑囚

20090122-33.jpg

〈 事件概要 〉

静岡県三島市川原ケ谷の市道脇の道路工事現場で2002年1月23日未明、火の手が上がり、若い女性の焼死体が見つかった。
身元は、JR三島駅前のアルバイト先から自転車で帰宅途中に行方不明になった上智短大1年山根佐知子(やまね・さちこ)さんと判明。全身に灯油をかけられ、焼き殺されていた。

別のひき逃げ事件で服役中だった服部純也(はっとり・じゅんや)被告が重要参考人として浮上。
現場の遺留品がDNA鑑定で服部被告のものと一致したため、静岡県警は同7月23日、殺人などの疑いで服部被告を逮捕。山根さんの自転車は服部被告の供述通り、同県沼津市の狩野川で発見された。

服部純也被告は2002年1月22日午後11時ごろ、アルバイト先から自転車で帰宅途中の女子短大生(当時19)を見かけ、誘いをかけ断られるが自分のワゴン車に押し込み強姦。
翌23日午前2時半ごろまでの間、車に逮捕・監禁したまま連れ回した。
三島市川原ケ谷の市道で、短大生に灯油をかけてライターで火をつけ、焼死させた。

…………………………………………………………

【関連記事】

服部純也被告死刑確定へ
最高裁、三島市の女子短大生殺害で上告棄却
静岡県三島市で2002年、女子短大生(当時19歳)が焼き殺された事件で、殺人罪などに問われた元建設作業員、服部純也被告(36)の上告審判決が29日、最高裁第2小法廷であった。

古田佑紀裁判長「意識のある人間に火を付けて殺すという残虐な殺害方法などからすれば死刑はやむを得ない」と述べ、服部被告の上告を棄却した。
服部被告を死刑とした2審・東京高裁判決が確定する。
(2008年2月29日 読売新聞)

【補足】
(1)性欲を満たしたいという身勝手な動機から山根さんを監禁
(2)殺害方法が残虐
(3)遺族が峻烈な処罰感情を表している

−などの点を指摘。

服部被告が覚せい剤取締法違反や強盗致傷の罪で服役し、仮釈放から約9カ月で犯行に及んだ点を強調。
「犯罪に向かう傾向は根深く、さらに深化、凶悪化している。反省を示しているが、死刑を是認せざるを得ない」と結論付けた。
最高裁は4人連続射殺事件の上告審判決(1983年)で、死刑適用の基準の1つに死亡被害者の数を挙げた。それ以降、被害者1人の事件では死刑回避の傾向が強まり、再犯の場合や身代金目的の殺人を除いては死刑適用の例は少ない。
 
今回の裁判でも、昨年12月の弁論で弁護側「死刑適用は過去の最高裁の基準を逸脱している」と主張し、死亡者1人で殺人前科のない今回のケースで死刑が言い渡されるかどうかが最大の争点となっていた。
検察側「冷酷、残虐極まりなく、同種事件と比べても悪質で死刑は免れない」と主張していた。
(2008年2月29日 静岡新聞抜粋)

短大生焼殺、死刑回避を主張
服部純也被告の上告審弁論
静岡県三島市で2002年1月、女子短大生=当時(19)=が焼き殺された事件で、殺人などの罪に問われ、一審で無期懲役二審で死刑とされた元建設作業員服部純也被告(35)の上告審弁論が17日、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)であり、弁護側は死刑回避を求めた。
 
弁護側は、殺された被害者が1人だった点を強調。「犯行の愚劣さ、卑劣さをおもんぱかっても、死刑判決は逡巡(しゅんじゅん)せざるを得ない」と述べた。
 
検察側「被害者を乱暴して欲望を満たした後、邪魔になったからと火だるまにしていたぶり殺しており、人間性のかけらもない。死刑を回避するほど罪責は軽くない」として、上告棄却を求めた。
 
一審静岡地裁沼津支部は、検察側の死刑求刑に無期懲役を選択。
東京高裁「通りがかりの女性を拉致して乱暴、焼殺し、残虐極まりない」と指摘し、無期懲役は軽すぎるとして死刑を言い渡した。
(2007/12/17 時事通信)

【参照】
◆ 一 審
静岡地裁沼津支部 高橋祥子裁判長 無期懲役判決

被告は「火をつけた時、もう死んでいるかもしれないと思った」と確定的な殺意を否認した。
高橋祥子裁判長は「犯行の発覚を恐れ、身元不明にするために焼殺という方法を選んだ異常残虐な犯行」と断罪。
被告が少年時から再三更生の機会を与えられていたことに着目し「今後、矯正教育を継続しても犯罪性向を改めさせるのは困難と推測され、極刑をもって臨むことも理由なしとはいえない」と指摘した。
しかし死刑の適用については
(1)殺人など人を傷つける前科がない
(2)周到な計画に基づく犯行でない
(3)幼少期の劣悪な生活環境は量刑上考慮されるべきだ
−−とし「死刑をもって処断することは、ちゅうちょせざるを得ない」と結論づけた。
また、「火をつけた時、もう死んでいるかもしれないと思った」と確定的な殺意を否認する服部被告の主張は退けた。

◆ 控訴審
東京高裁 田尾健二郎裁判長 死刑判決

死刑を求める検察側と、有期刑を求める被告側がともに控訴した。
田尾裁判長は「監禁後、殺害をちゅうちょしたのは、発覚すれば重い罪で処罰されることを恐れたためで、専ら自己保身に基づく」と断じ、生活環境については「服部被告と同じ環境で育った兄弟に犯歴はない」と指摘。
「人気のない場所で被害者を粘着テープでしばり、灯油を浴びせるなど計画的な犯行に劣らぬ迅速な行動をとっている。被告の犯罪性向は、成育環境よりも、被告の生き方に由来するところが大きい」と述べて、一審判決の情状酌量を否定した。
そのうえで、「体を縛られた状態で焼き殺された被害者の無念はいかばかりか」と述べた。
そして「若くてかわいいからと通りがかりの女性を無理やり車に連れ込んで暴行した後、警察に通報される不安と、早く覚せい剤を打ちたいという気持ちから足手まといとなった被害者を生きたまま焼殺した」
「強盗致傷などの罪で服役し、仮出獄後、1年もたたないうちに犯行に及んでいる」
「被害者に何らの落ち度もなく、犯行の動機は誠に身勝手。殺害方法も残虐きわまりなく、冷酷、非情だ」と述べ、一審を破棄した。
(「犯罪の世界を漂う」参照)

※この記事へのコメント

ふむ、これは名古屋の「闇サイト」殺人や、
江東区の星島の殺人事件の裁判の参考資料かな。。。

Posted by 目玉おやじ at 2009.01.22. 00:30
当然の判決です。

服部純也よ、これから毎日死の恐怖に怯えて生きるがいい。
しかし、君は幸せだ。一瞬で死ねるんだから・・・。
Posted by 黒木 燐 at 2009.01.22. 01:22
目玉おやじさん
こんばんは。

死刑確定は去年の二月のことですが、
目玉オヤジさんのご指摘のとおり(笑)、
いま裁判が進行中の名古屋の「闇サイト」殺人事件や星島貴徳の殺人解体事件との参照例として取り上げておきました。


黒木 燐さん
こんばんは。

生きたままの女性を残酷に焼き殺した鬼畜。
絞首刑という楽な死は些か不満ですが、
執行の日まで、被害者の恐怖の万分の一でも知るがいい・・・・。
Posted by shadow9 at 2009.01.22. 02:07
死刑になるのって内容っていうのも変だけど絶対そうしてほしい。一人しか殺してないから無期懲役になりやすくて、死刑の判断基準が人数だなんてそもそもおかしいと思う。この三島の事件の一審のあの裁判長もおかしい。結果は死刑が出たけど当然の事件だと思う。
Posted by mayayuko at 2009.01.22. 15:50
mayayukoさん、こんばんは。

そもそも極刑を殺害した人数で判断するというのはおかしな話。
旧態依然とした「永山基準」も結局解釈の問題で、
「口実」に都合よく使われているという気がしますね。
だから、判決理由をみますと机上で捏ねくりまわしたようなこじつけの内容が多く、社会通念から逸脱している。

まあ最近は少しずつではありますが変わってきているところもありますが。
Posted by shadow9 at 2009.01.23. 01:08
※コメントを書く

【注意】
◆当ブログの管理人としては言語規制はしておりませんが、
「Seesaa」の方で規制が掛けられたものがあるようです。
その場合エラーとして表示されますのでご注意。

◆サーバの状態により、投稿がすぐに反映されないことがあります。

お名前: (必須入力)

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: (必須入力)

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/112949147

※この記事へのトラックバック

◆トラックバックありがとうございます。
現在、原因不明ですがお返しできないブログがあるようです。
各ブログさまには、ご了承くださるようお願い致します。