“ミスタータイガース”と呼ばれた野球評論家の掛布雅之氏(54)が、大阪のコンサルタント会社に1億5000万円余りの支払いを求めて訴えられ、全額の支払いを命じられた民事訴訟の控訴審の口頭弁論が27日、大阪高裁で行われ、掛布氏が初出廷した。
グレーのスーツ姿で出廷した掛布氏は、終始落ち着いた様子で、弁護人の質問にはっきりした声で返答。本人尋問では、昨春に契約を打ち切られた日本テレビの野球解説では、1試合につきおよそ200万円、同読売テレビでは80-100万円、CM出演では年間約3000万円…と高額ギャラを受け取っていたことなどを明らかにした。
原告側の弁護士からの質問では、掛布氏が複数の個人および金融業者から、数千万から億単位の借金を抱えていたことが明かされ、掛布氏はおおむね認めた。さらに、原告の会社社長と知り合った2002年ごろには、すでに銀行のローンを含めおよそ2億円の借金があったことも認めた。
裁判はこの日結審し、裁判所からの和解勧告を受けて双方が協議に入った。掛布氏は閉廷後、「自分の思っていたことは言えた」ときっぱり。ただ、事件の詳細については「自分にも説明できない部分が多々ある」と言葉を濁した。