英国各地が大寒波に見舞われているなか、年金生活者が自宅の暖房のために、チャリティショップで安い本を買って、燃料に使っていることが報じられている。
今週は各地で軒並み氷点下以下に気温が下がり、スコットランドの北部ハイランド地方では−13℃、ロンドンでも−6℃となるなど、すでにここ数年来で最も厳しい冬になっているばかりか、この寒さはしばらくの間続くという。
南ウェールズのスウォンジーにあるチャリティショップの店員は「高齢者が百科事典のような分厚い本を数ペンスで買い求めている。本を燃やすことは間違っているようだが、店側でも売れない在庫を処分するために数ペンスの値段で販売しており、需要と供給が合致した形。彼らにとって、分厚い本は暖炉やストーブに最適の燃料となっていると聞く。1冊で一晩もつという」と話す。
チャリティショップでは、500グラムの本が場合によっては5ペンスという安さで売られているのに対し、石炭は20キロ入り袋で5ポンド。多くの高齢者が、石炭や薪の代わりにハードバック本を燃料に使っているとされる。ちなみに、60歳以上の高齢者は、125ポンドから400ポンドまでの冬期燃料手当を得られるが、2008年1月以来、ガス代は40%、電気代は20%値上がりし、高齢者の生活を直撃している。
消費者団体「Consumer Focus」のエネルギー専門家、ジョナサン・スターン氏は「年金受給者が暖房のためにこのような必死の手段を取っているのは、ショッキングなことだ。エネルギー供給会社は早急に値下げを行うべき」とコメントしている。
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