カブール(CNN) アフガニスタンの首都カブール郊外にある米軍基地「キャンプ・フェニックス」近くで28日、北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)が車列から宗教指導者の車へ銃撃して殺害、これに怒った住民ら約150人が抗議デモを起こす騒ぎがあった。
カブール警察の調べによると、停車していた宗教指導者の車が車列に近過ぎたため発砲したことが分かった。ISAFも銃撃の事実を認め、調査を開始した。アフガンで多発する車爆弾テロを懸念、発砲した可能性がある。
負傷したのはユーナス指導者(36)で、息子2人と共に車内におり、ISAFの車列の通過を待っていたという。目撃者によると、車列の4両目が警告もなしにいきなり発砲したとしている。
同指導者は銃弾4発を胸部、腹部に受けた。搬送された病院で死亡したという。同指導者は事件現場近くにあるモスク(イスラム教礼拝堂)の責任者。デモの参加者は地元警察の責任者の説得で散開したという。
アフガンでは米軍、ISAFの誤射、誤爆で民間人が死亡する例が多発し、住民の反米感情を煽らせている。駐留米軍のマクリスタル司令官は就任後、軍事作戦遂行の支障になるとして空爆の標的設定などで一段の注意を求める指示を出していた。