★★★　人間観察　そして　恋愛★★★

自家用車を売り払ってからタクシーをよ
く使用するようになった。

大概が飲み会の帰りで、複数人数になる
事が多い。

このタクシー料金の支払いについて、昼
休み、居合わせた女子職員同士の噂話を
チラリと耳に入れた。

Ｓという男性職員だが、もうけっこうい
い年だ。

その彼が、タクシー料金を絶対支払わな
い「武勇伝」について、面白おかしく話
している。

座る場所は必ず、後の一番左側。
つまり、最後に乗るわけだ。

これは、降りるとき、一番最初に降りれ
るからだそうだが、夜降りる場所がバラ
バラの時はどうするのだろうと思ったら
彼は、自分が最後の人にならないよう
チーム分けをすすんでするそうだ。

あれやこれや・・と自分が支払わなくて
もいい理由を、なんとかこじつけるが、
それでも最後に、どうしても自分が支払
わなければならなくなった時、平然と
「割り勘」を提案するという。

昨日もそれで、結局彼と、話しをしてい
る女子社員と、もう一人の女の子が取り
残され、さて誰が支払いを・・と思った
時、最後に彼が言ったのが「割り勘」案
だったそうだ。

なんてことはない。
この女子職員、自分がタクシー代を支払
うはめになった腹いせを語っているのだ。

この女子職員はいう。

最初から割り勘て、言ってくれてたら問
題はない。もともと払う気はあったのだ
から・・それを降りる寸前に、誰が払う
・・うんぬんでもめはじめた事が、気に
入らないらしい。

第一みっともないでしょ・・タクシーの
運転手さんの横で、君が払え・・いやあ
なたが・・と・払いたがりの選択ならば、
まあいいが、支払いを押し付け合うのは、
みっともないったらありゃしない・・
・・だそうだ。

さらに彼女は言う。

勿論、私が払ってもいいわよ。でもそれ
じゃあ・・Ｓさんの立場がないでしょ・
・だからそれも言いだしにくいし・・

最初から、タクシー代を払わないで有名
なＳさんと一緒になったのだから・・そ
んなに、Ｓさんに気を遣わずとも、「私
が払います」ちゅうて支払ったら、Ｓさ
ん喜んでいたろうに・・・

そう思わないでもなかったが、なんとも
ほほえましい光景だ。

夜の道路、男女３人・・タクシー代の支
払いでもめてる風景は、想像しただけで
楽しくなるではないか。

支払の手際は、男女問わず、品格が現れ
る。

今のご時勢、男が支払う義務はないまで
も、ある程度の社会的慣習にはしたがっ
た方がいいと思う。

確かにタクシー代は金額が張る。
場合によれば、その日の飲み代以上の金
額にもなる。

少ない小遣いから、まとめて大金が減る
のはこたえるだろう。

しかし、そう思うのは実は、皆同じだ。
どこぞの御曹司、給料が自分たちの何倍
ももらってる人・・など・そんな相手と
なら、こんな「トラブル」は起きない。

懐に忍ばせてあるお金の大小など、皆そ
う大差ない。
所詮、我々は庶民だ。
皆、少なからず、こたえるのだ。
タクシー代は。

こんな時、犠牲的精神で「俺にまかせて
おけ」といって支払う人になるか、支払
ってもらう人になるか・・すべては品格
にかかわるだけだ。

品格より、お金に魅力があるのなら、金
に寄り添えばいい。

お金より品格が大事だと思う人は、お金
を支払い、翌日からの昼飯代を倹約すれ
ばいい。

その結果は、未来にわたり、累々と蓄積
され、品格の勲章となって自分に張り付
いて行く。

品格は金がかかる「道楽」だと思えばい
い。

この道楽の意味・・辞書で調べてみた。

★『品格』・・その物から感じられるお
　　　　　　　ごそかさ。品位。

だそうだ。

哲学問答ではないが、人はお金を何故欲
しがるのか・・その真理を知ってる人に
は、おのずと品格はついてくる。

それに、お金は「品格」が大好物とか。

品格をつければ、おのずとお金も寄って
くる・・経営の神様、松下幸之助様もお
っしゃっていましたよ。