片岡仁左衛門(65)が23日、福岡・太宰府天満宮で歌舞伎座さよなら公演「御名残三月大歌舞伎」(3月2〜28日)の成功を祈願した。「菅原伝授手習鑑」の「筆法伝授」(第2部)と「道明寺」(第3部)で菅丞相(菅原道真)を演じるため、道真が祭られる太宰府天満宮を訪れ、成功祈願と記念植樹などを行った。
「道明寺」は4回目で、公演ごとに太宰府を訪れている仁左衛門は「太宰府の楼門を見ると、帰って来たなという思いになる。菅丞相は考えて演じられる役ではないので、無我の境地というか身も心も神様に預け、公演中は夜の街にも行かず、肉もいただかず、無の心境で演じます」。「道明寺」は父13代目仁左衛門十七回忌追善、14代目守田勘弥三十七回忌追善で行われ、覚寿は勘弥の養子坂東玉三郎が演じる。「さよなら公演で追善できるのはありがたいこと。尊敬し愛する父への感謝を込めてつとめます」。
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