全日本空輸は27日、国際線の強化を盛り込んだ2010年度の事業計画を発表した。法的整理を申請して再建中の日本航空が撤退した中国向けの路線などを「効率的な運航で収益が見込める」として増強するほか、今年秋に国際線の発着枠が増える羽田発着便にも力を入れる。
成田発の中国便では3月末、杭州線を週4便から週7便に増やす。週7便の青島線は機材を大型化する。いずれも日航が、採算が合わないなどとして昨年12月に撤退した路線だ。7月には成田―ミュンヘン(ドイツ)線を開設。週7便を飛ばす。
羽田発では台北線を新設(週14便)。ソウル(金浦空港)線は週14便から21便に、上海(虹橋空港)線は週7便から14便に増やす。深夜早朝帯に米西海岸や東南アジアへの路線を設けることも今後検討するという。
一方、関西空港―ソウル(金浦)線、関空―アモイ線をそれぞれ廃止。この結果、事業計画ベースで国際線は09年度当初の37路線から38路線に、便数は週604便から644便に増える。
国内線は、主に成田と地方を結ぶ小型機中心の航空会社アイベックスエアラインズとの共同運航を拡大し、国際線との連携を強める。また、日航が昨年撤退した関空―旭川線は、6〜9月に限って運航。逆に6月には広島―新千歳線、8月には福岡―仙台線を廃止する。国内線は09年度当初の113路線から103路線、1日754便から730便に減る。