私設コミックマーケット対策委員会

 私は、ビッグサイトでコミックマーケット(コミケ)が開催されるようになってから、その全ての開催日に参加しています。 言わば、ビッグサイトコミケ皆勤賞。 何とも後ろ指を指されそうな肩書きですが、さすがにある程度はコミケに慣れてきたつもりです。 そこでこのページでは主に一般参加者向けに、私なりのコミケの歩き方を記録していきます。 なお、このページは今後毎年2回、イベント後に更新していく予定です。

目次

第一章 - 東西どちらに並ぶ? 入場待機列の選び方

 コミケに一般参加するにあたり、東館と西館のどちらの待機列に並ぶべきか?は初めは誰もが気にするところでしょう。 この正解は時期とともに変化しており、必ずしもこれだというものはありません。 ですが、2009年12月のコミケ77時点での状況では、可能ならば東館の待機列に並ぶのが適切と思われます。
 まずは、このグラフをご覧下さい。

コミケ入場待ち時間表

 これは、コミケ72〜77の、私と友人の会場到着時刻から入場時刻までを分単位で記録したデータをグラフにしたものです。 ちなみに、1ピクセルが1分となっています。コミケ71までのデータは、状況の変化により現在は無意味なため載せていません。

 東か西かを考える際に、このグラフで特筆すべき事例は二つあります。
 一つ目は、コミケ74の二日目です。この時は、私と友人が8:29に国際展示場駅の改札を出て、それぞれが東と西に分かれて並びました。 そして、東での入場時間は10:31、西では11:00と大きな差ができました。
 そして二つ目は、コミケ77の二日目です。この時は、私が8:12に国際展示場駅の改札を出ると、既に東館の待機列は封鎖済みで 西館の待機列に並ぶしかなく、結局入場は10:33となりました。 しかし、私の友人が9:20に国際展示場の改札を出た時には東館の待機列は開放されていて、 こちらに並んだ友人は10:15に入場できたのです。何ということでしょう。  (ちなみに、「コミケ77 2日目 2ちゃんねる実況 まとめ:【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)」によると、 この日は東館の待機列は、6:10頃には封鎖されていたようです。 遅れてきた友人がこの時東待機列に行けた理由は不明です。)

 通常の連絡通路を通る場合、東館〜西館の行き来には最短で7分30秒程度かかります。上のケース以外にもいくつか同様の事例はあり、 これらから考えるに、たとえ最初に行きたいのが西館であるとしても、可能ならば東館の待機列に並ぶのが良いということになるでしょう。
 とは言え、東館の待機スペースは西館のそれよりもはるかに狭く、上の例のように早々に閉鎖されてしまうことも多々あります。 ですので、あくまでも東が選択可能であるならば、の話ですが。

 なお、この待機について覚えておくべきことを他に簡単に挙げておきます。

 さて、上で触れた遅滞入場ですが、西館の待機列でしばしば行われる特殊な入場の仕方に対して、私が勝手に付けた呼び名です。 やり方は以下の二種類で、これらが併用されることもあります。

 初日と二日目の西館では、しばしばこれによる入場の遅滞が行われ、一般参加者の入場が大幅に遅くなります。上のグラフを見ると、 時々突出して西での入場が遅くなっているのが分りますが、これらはいずれもこの遅滞入場によるものです。
 どうしてこのような入場方法がとられるのかは分りませんが、正直なところ私には一般参加者への嫌がらせとしか思えません。 いずれにせよ、これに当たると売り切れの早いサークルでの本等の購入は一気に難しくなります。

 なお、若干批判的なことも書きましたが、私はコミケのスタッフの方々は全体的には大変よく仕事をされていると思っています。 そもそも、ビッグサイトでコミケが開かれるようになって数回は、三日目には6時頃に会場に到着して入場は大体10:50前後で、 それより会場到着が1時間遅くなるごとに入場が10〜15分遅れる感じでした (ただ、これは東待機列の話で、西待機列はもっと状況が良かったようです。また、回によってもばらつきがあります)。 それを考えれば、三日目に8時半に会場に到着しても大体10時半までに入場できる現在は夢のような環境です。
 スタッフの方々の様々なご尽力に、深く感謝します。

第二章 - サークルの効率的な回り方

 コミケには色々な楽しみ方があります。お目当てのサークル、あるいはジャンルのみを回ってさっさと帰るのも一つの考え方でしょう。 しかし、コミケには無数の面白い作品があるわけで、そのような回り方ではそれらの多くを見逃してしまう可能性があるのもまた事実です。 あるいは、単純に回りたいサークル、ジャンルが多いという方もおられるでしょう。 そういう方にとっては、いかに効率的にサークルを回るかが大変重要になってきます。
 ここでは、そのような方のために、私が考える効率的なサークルの回り方を紹介したいと思います。

地図に時間を取られない(1)

 かつて、「雀聖」色川武大氏(少年マガジンの麻雀漫画「哲也」のモデル)は、こう述べられました。 「麻雀に強くなりたかったら、まず盲牌を覚えることだ」と。 つまり、上手く麻雀をするには常に視野を広く持って卓上を観察しなければならない、そのためには自分のツモなど見ている暇はない、というわけです。 これはコミケのサークル回りにもそのまま言えることだと私は考えます。つまり、こうです。

「サークルを回りたかったら、まず地図を覚えることだ」

 無論、完璧に覚えるのは現実的ではないでしょう。しかし、地図を大まかにでも覚えるだけでも、サークル回りは大幅に効率化できます。 たとえば、こんな感じです。「東館の壁はAとシ、島はそれぞれB〜サとス〜ロ。ホールの仕切りがMN、Zア、ネノ、マミ。通常の島のスペースは60まで、 仕切り部分の島は48まで」……たったこれだけのことを覚えるだけでも、全然違うわけです。

 行くべきサークルやジャンルの場所を全て覚えるのは、難しいと思います(ちなみに私がチェックしておくサークルの数は、一日30〜120程です)。 それでも、大まかな地図が頭に入っていれば例えば、「まず東5から入ってヒ58b、ト46a、シ10bの順で回って……」とあらかじめ決め、記憶しておくだけで かなり効率的に移動することができるのです。

地図に時間を取られない(2)

 サークルで本等を買う時、毎回サークルをチェックした地図を鞄にしまい、買い物が終わると取り出してまた次のサークルに向かう…… という人をよく見かけます。 しかし、これも非効率的と言えます。何故なら、そんなことをする必要はないからです。

 イベントの前に、サークルをチェックした地図に穴をあけ、紐を通して首にかけられるようにしておきます。 これで、一々地図を鞄にしまったり取り出したりする必要はありません。「そんなの恥ずかしいよ」という方は、 この紐を(右利きの場合)左手首に巻いてぶら下げておけば問題ないでしょう。
 なお、単に紐を通すだけだと地図が破れやすくなってしまうので、セロテープで補強しておきましょう。

 また、さらに効率的にするためには、手の平に「ヒ58b→ト46a→シ10b……」など、スペース番号を書いてしまうのも有効です。 これには上記(1)で述べたある程度の地図の暗記が必要となりますが、できるなら地図そのものを見るよりも更に効率化になります。

財布は使わない

 各サークルで本等を買う時、多くの方が毎回 「サークルの方に購入を告げながら財布を取り出す→財布から代金を取り出す→代金を渡す→(あれば)お釣りを受け取って財布に戻す→財布をしまう」という 過程を繰り返されています。これもまた、時間のロスであると考えます。

 私が本を買う時の過程はこうです。「サークルの方に購入を告げる(この時点で手には丁度の代金が握られている)→代金を渡す」これだけです。 やり方は簡単なことで、要するに右ポケットに100円玉を、左ポケットに500円玉を大量に入れておいて、 購入を告げながら丁度の金額を握りこむだけです。状況によっては、ウエストポーチ等を使用するのもよいでしょう。
 行列を観察していると、大体一人が(立ち読みの時間を除いて)購入に大体10〜15秒の時間をかけています。 これは大半が財布を使っているための時間であり、私のように財布を使わなければ購入は5秒以内にすみます。
 時たま、10円単位の本や、数千円の本等を買う時にだけ財布は出せばよいのです。

 ちなみにこの技術(と言う程のものでもありませんが)は、長い列に並ばれる方に特にお勧めしたいと思います。 何故なら、例えば後ろに100人が並んでいる状態で自分の買い物を10秒短縮すれば、それは合計では1010秒、つまり約17分の効率化になるからです。 私は滅多に長い列には並ばないのですが、それでもたまに並んだ時に財布の出し入れに手間取っている方を見ると、 準備しておけばいいのに……と思います。

 無論、これには事前に相当量の100円玉、500円玉を用意しておく必要があります。私はいつも事前に各50枚ずつを用意しておきますが、 この必要数は人によって差があるでしょう。

 最後に。効率化効率化と繰り返してきましたが、それは決してサークルの方や他の一般参加者をぞんざいに扱うということではありません。 常に人との接し方は常に礼儀正しく、失礼のないようにしましょう。また、走ったり人を押しのけたりも当然駄目です。 あくまでもルールとマナーを守って効率化を行いましょう。

 ……ということで、今回はここまでです。このページは次回は、2010年の夏コミ後に更新したいと思います。宜しければまたお読み下さい。

公開:2010年1月5日 最終更新:なし

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