プロローグ
女子高生からの投書/性愛というタブー/「わいせつ教師」の報道から/本当は何があったのか
第一章 先生を許せない!
対決の日/音楽教師と女生徒/セクハラの発覚/消えない怒り/教師の対応
第二章 隠蔽された禁断の恋
高校教師は明かす/先生の誕生日/破局と罪悪感/いまでも好き
第三章 「淫行」で逮捕された先生
「淫行教師」の烙印/真実はどこに/性的関係の有無/女生徒は被害者か/先生の本音
第四章 先生と生徒は幸福になったのか?
懲戒免職の先生/妻の失踪/恋愛に向かないタイプ/夫と子どもを棄てた妻
第五章 「清らかな交際」のゆくえ
校長先生と教え子/メリットとデメリット/女生徒への恋心/厳しい現実/教師の特性/在学中はプラトニック/恋愛は御法度
第六章 女教師と男子生徒との恋愛模様
稀少な関係/女教師の処分と醜聞/四十二歳と十六歳/結婚をつかんだふたり/出会いから成就まで/専業主夫の生活/出産の日/罪深き思い
第七章 過去が裁かれるとき
福岡高裁での判決/恋愛のいきさつ/十四年後の告発/法廷に立つ先生/免職と恋愛の狭間で/県教委の見解
第八章 文部科学省とタブー
「わいせつ行為」とは/文科省の定義/セックスは「非行」
第九章 恋愛と「みだらな性行為」の境界
懲戒免職か逮捕か/「みだらな性行為」とは何か/合意か否か/無罪判決の意味
第十章 「処分された恋愛第一号」を訪ねて
山奥で暮らすふたり/最初であるがために/二十年後/教師聖職論/処分の理由/学校とセクハラ/性的関係の危険性/アメリカではどうなのか
エピローグ
リスクへの覚悟/恋愛関係を防ぐために/六つの問題点
あとがき
純愛か? わいせつか?
テレビや新聞からは、毎日のように「わいせつ教師」が逮捕されるニュースを見聞きします。
文部科学省によれば「わいせつ行為」で処分される教師は、全国で年間約190人もいて、年々増えています。1人の先生が30~40人という生徒を受け持っているなら、教育の現場に与える影響はとても大きいでしょう。
しかし、中には、先生と生徒が本気で恋愛しているケースもあるのです。
中学校や高校で、先生と生徒の恋愛は、教育上の立場や年齢の観点からはどう見てもタブーに思えます。
でも、ふたりはなぜ恋に落ち、その関係をどのように発展させたのでしょうか?
本書では、この恋愛の体験者たちがその真相を生々しく語っています。
この恋愛は、在学中に発覚する可能性が相当高いようです。その後は、困難を乗り越えて結婚しても、果たして幸せな生活が続いているかどうか……読者のみなさんが判断してください。
一方の文部科学省や各自治体の教育委員会は、この恋愛行為を絶対禁止と規定し、「わいせつ行為」として教師を処分の対象にしていることが多いのですが、恋愛とわいせつ行為は、学校を離れれば別々のものにも見えてきます。
では、学校ではその境界線はどこにあるのでしょうか?
現実に起きた多くの体験者を丹念に取材した著者は、善悪を審判するのではなく、本書でこの特異な恋愛関係の具体的な問題点を明らかにしています。
掲載:2008年11月25日