市川崑監督とアニメーション

突然の訃報に驚いた。監督自身の存在感も大きく、邦画全盛期の象徴「四騎の会」の最後の一人が!という衝撃もある。
個人的には、つい先日、『市川崑物語』を観たばかり…。
<アニメーター市川崑>
『市川崑物語』(監督:岩井俊二)
これは、映画人、市川崑の幼少期から太平洋戦争を経て、 現在に至るまでの物語。これまであまり語られることのなかったアニメーター時代などが、貴重な写真や映像と共に語られる。
アニメファンには有名な話ですが、市川崑監督はアニメーション出身です。だけど、『市川崑物語』ほど詳細に扱ったものは、他に知らない。
過去のエピソードやフィルムはもちろん、「ミッキーマウスの時計」を大切にしていたり、今でも「ミッキーマウスのスリッパ」をはいている映像を観て、正直驚かされた。若い頃の一時の気持ちではなく、心底アニメーションが好きだったんだなぁと。
『市川崑物語』は、撮影した岩井監督の主観がかなり入ったプライベートフィルムの趣きがある。その点、好き嫌いが分かれると思う。でも、アニメ史ファンにはオススメ。
市川崑物語 ドキュメンタリー映画 岩井俊二 一瀬隆重 by G-Tools |
<編集技術>
幻視球 : 勘違いと、編集による印象の違い
以前に、劇場版『銀河鉄道999』と絡めて触れた「市川崑監督の編集」の話題。これは、『特技監督 中野昭慶』で見かけた記述も興味深かったです。中野昭慶氏が参加した、市川崑監督作品2本(『火の鳥』、『竹取物語』)の回想インタビューが7ページ。
特技監督中野昭慶 中野 昭慶 染谷 勝樹 by G-Tools |
(略)、それでダビングは普通だったら四日位で終わるんだけど、市川さんの場合は二週間位やってる。
<折れ曲がった字幕>
あまり語る機会も無いので、おなじみの「折れ曲がった字幕」について。
以前、同人誌にも書きましたが、真ん中の図が忘れられがち。
(上)『悪魔の手毬歌』(1977年)
(中)『トップをねらえ!ビデオ予告』(1988年)
(下)『新世紀エヴァンゲリオン』OP(1995年)
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最近の気になる話題(2008/02/17) 市川崑監督とアニメーション (幻視球 ) 庵野監督の明朝体&折れ曲がりテロップはこの人の影響だったんすねえ。それにしてもアニメーター出身とは知りませんでした。
アニメ作家市川崑監督死去 市川崑は日本アニメ史の開祖。mixi日記より転載。」 なのに、あれれ、あれれである。 まず、mixiから(毎日新聞) <訃報>映画監督の市川崑さん死去、92歳 映画監督の市川崑さんが死去 (毎日新聞 - 02月13日 19:43) http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=406571&media_id=2 http://mainichi.jp/select/today/news/20080214k0000m040070000c.html 51年、東宝に移籍し、56年、「ビルマの竪琴」でベネチア映画祭サン・ジョルジョ賞。60年、「鍵」でカンヌ国際映画祭審査員特別賞。「芸術か記録か」の議論を引き起こした65年の記録映画「東京オリンピック」は、カンヌ国際映画祭批評家連盟賞などを受賞した。「犬神家の一族」(76年)、「忠臣蔵・四十七人の刺客」(94年)、「八つ墓村」(96年)でも斬新な映像感覚を見せた。テレビでも「木枯し紋次郎」などのドラマを手がけた。94年、文化功労者。毎日新聞 (more...)