【ワシントン=勝田敏彦】映画「アバター」を見た後に平凡な日常に戻って落ち込んでいる人々がいる、との報道やインターネットへの投稿が米国で相次いでいる。「アバター観賞後うつ」とでも呼ぶべき症状で、ネットには「患者」からの声が多数書き込まれている。
この現象は、3D(3次元)で描かれた美しい神秘の惑星パンドラの風景や、自然と調和した住民の平和な生活に魅せられた人が、現実の生活との差に悩むことで起きているようだ。
ネット上にある映画のファンの英語のページに「パンドラの夢によるうつから脱する方法」というコーナーができ、人々の悩みが書き込まれている。
「映画から日常に戻り、本当に落ち込んだ。もう1回見て、絶望感から立ち直った」「映画を見てから、遊ぼうという気がなくなった」「パンドラのような所を探そうとしたが、見つからなかった」
米CNN電子版は「この映画は、仮想的な世界を作る技術としては最高。逆に、映画に出てくるユートピアと全く違う現実が一層不完全に見えてしまう」という精神医学の専門家の分析を紹介している。
この現象は日本でも話題になっており、ネットには「日本はアニメ・ゲーム文化が根付いていて、そこまでの人はいないのでは」といった見方がある。一方で「映画の宣伝ではないか」という意見もでている。