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現金授受現場に同席者…「紙袋渡すの見た」 水谷建設裏献金疑惑
民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件で、水谷建設元幹部が、平成17年4月に小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(48)に裏献金5千万円を渡した際、共通の知人が同席していたと東京地検特捜部に供述していることが26日、関係者への取材で分かった。知人も同席していたことを認めているという。大久保容疑者は否定しているが、特捜部は現金授受を裏付ける重要な証言とみて、さらに詳しく調べている。
元幹部が17年9月に盛岡市内のホテルで、同月11日に投開票が行われた衆院選の陣中見舞いとして、大久保容疑者に現金2千万円を渡したと供述していることも新たに判明。この場にも、5千万円授受のときと同様、この知人が同席していたという。
水谷建設元幹部は特捜部に対し、16年10月、東京都港区の全日空ホテル(現ANAインターコンチネンタルホテル東京)で、紙袋に入れた現金5千万円を当時陸山会の会計事務担当だった民主党衆院議員、石川知裕容疑者(36)に渡したと供述。さらに、17年4月にも同ホテルで大久保容疑者に5千万円を渡したと供述しているとされる。
いずれも裏献金は国発注の胆沢(いさわ)ダム工事受注の謝礼だったとしている。
関係者によると、元幹部は1回目の5千万円の授受の際は石川容疑者と2人だけだったと説明したが、2回目の5千万円の際は共通の知人が同席していたと供述したという。知人も特捜部の任意聴取に「17年4月の全日空ホテルと、9月の盛岡市内のホテルで、元幹部と大久保秘書の3人で会い、元幹部が現金が入っていたと思われる紙袋を渡すのを見た」と証言したとされる。
知人は平成20年までの6年間に個人と会社名義で、小沢氏が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」に計70万円を献金していた。大久保容疑者とは以前からの知り合いで、知人が元幹部に大久保容疑者を紹介したといい、元幹部が東京・向島の高級料亭で大久保容疑者を接待した際、同席することもあったとされる。
このため、特捜部は、現金受領の有無について大久保容疑者を重点的に取り調べているが、大久保容疑者は「元幹部からは料亭で2回程度接待を受けたが、5千万円や2千万円は受け取っていない」と否定しているという。石川容疑者も現金受領を否認しているとされる。