参議院予算委員会は26日午前、鳩山由紀夫首相(62)と全閣僚が出席して2009年度第2次補正予算案の基本的質疑がスタートした。とはいえ“議題”の中心は「政治とカネ」。つまりは「小沢一郎」だ。
改革クラブの荒井広幸氏(51)が「(小沢氏の資金管理団体の)陸山会がこれだけ多くの不動産を持っていることは異常ではないか」とする質問。これに対して前原国交相が「政治資金で不動産を買うべきではない」と述べ、小沢氏の政治資金の取り扱い方は不適切だと指摘した。
これに関連し、総務省の田口尚文選挙部長(53)は2008年末現在、不動産を所有している資金管理団体は「陸山会」だけと答弁した。今回の事件に絡んで一部では「小沢批判」が出ていたが、主要閣僚でもある党内有力者が国会の場で公然と批判したのは初めてであり、極めて重大だ。
「もともと小沢氏と対立している間柄」(政界関係者)の前原氏は、民主党内で「凌雲会」(いわゆる前原グループ)を仙谷由人国家戦略・行政刷新担当相(64)や枝野幸男首相補佐官(45)とともに率いる。
同じく小沢氏と距離を置く野田佳彦財務副大臣(52)率いる「花斉会」(野田グループ)と近い関係にあり、反小沢系議員でつくる「七奉行の会」にも名前を連ねる。
前原氏は昨年3月にも、西松建設違法献金事件に絡み「合法でも問題がある」と小沢氏をチクリ。さらに同事件の余波で小沢氏が党代表をやめた後、5月の代表選では、投票方法をめぐって小沢氏と激しくつばぜり合い。党役員会で小沢氏が「冗談じゃない! ふざけるな!」と怒りをあらわにする場面まで出てきたほどだ。
一方、26日の参院予算委で前原氏とは対照的に、鳩山首相は「戦ってください」と小沢氏を励ました自らの発言を撤回しない考えを示した。