花束を手に笑顔で引き揚げる内館委員=両国国技館
横綱審議委員会が25日、両国国技館で開かれ、内館牧子(61)、第10代委員長も務めた石橋義夫(84)の両委員が5期10年の任期を満了。“泥酔暴行騒動”を起こした朝青龍に対し「次にトラブルを起こしたら引退勧告すべき」との声も出たが、朝青龍に苦言を呈し続けてきた内館委員はやはり最後も容赦なかった。
「何かあるごとに厳重注意。それで終わっていいわけ?協会が甘すぎる。ガツンと言わないといけない」と、怒声を響かせた。
一番の思い出は「貴乃花の引退前後と朝青龍の狼藉(ろうぜき)」と振り返った内館委員。「朝青龍は最後に優勝してわたしの花道を飾ってくださった」としながらも「でも残念ながらあなたの片思いよ。アスリートとしては百五十パーセント認めるけど、横綱としては断固認めない」とバッサリと切り捨てた。貴乃花親方(元横綱)の理事選出馬にも触れ「若い人が声を上げた時に、協会もつぶすのではなく同じテーブルできちんと話すべき」とし「破門されようが、変えようという7人がいることは協会の財産」と評価した。
協会から感謝状を贈られ「幸せな10年間でした。任務は終えたが、相撲は見続ける」と、別れを告げた。
(2010年1月25日)