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斉藤守彦の「特殊映像ラボラトリー」
第16回 もーろー日記/2010年正月・特殊映像対決始末記-2-
斉藤 守彦
●健闘「仮面ライダーW・・」
撃沈「宇宙戦艦ヤマト・復活篇」
「STRONG WORLD ONE PIECE FILM」の陰に隠れてしまったが、東映邦画系で公開された「仮面ライダー×仮面ライダー/ダブル&ディケイド MOVIE大戦2010」も、昨年夏の「劇場版仮面ライダーディケイド/オールライダー対大ショッカー」にはかなわないものの、最終興収15億円を見込む健闘ぶり。ただし「仮面ライダーディケイド」の最終回に「この続きは、映画館で!!」と告知した、あれは明らかにやりすぎ。苦情が殺到し、テレビ朝日の社長が謝罪したのも無理はない。
TVシリーズがオンエアされてない分、「大怪獣バトル/ウルトラ銀河伝説THE MOVIE」は、分が悪い。現時点での興収は6.08億円といったところで、前作「大決戦!超ウルトラ8兄弟」の8.4億円を下回る結果となりそうだ。作品内容的には悪くないが、ミクラスがベムスターをやっつけるという、あの描写には開いた口が塞がらなかった。
12月12日は、さながら“昭和ヒーロー映画決戦”。「仮面ライダー」「ウルトラマン」と並んで公開されたのが、「宇宙戦艦ヤマト・復活篇」。まあ内容は昔と同じなんだけどね。これが見事なまでに撃沈。現時点での興収は4.3億円。観客の大半が40代の男性だというから、往年を知っている観客しか来なかったわけだ。来年正月に公開される実写版のためにも、再びヤマト・ブームを巻き起こしてもらいたかったのだが・・。
もう1本残念な結果に終わったのが、りん・たろう監督の新作「よなよなペンギン」。現時点での興収を書くのは差し控えるが、未だ1億円に到達していないことは明記しておこう。製作費から換算して、さてこの成果は…?
●興収100億円の可能性もある
「アバター」の快進撃ぶり!!
1月某日。
「アバター」が、日本市場において累計興収60億円を突破したとの報道。アメリカのみならず、海外公開も好調で、もしかすると「タイタニック」を抜くかも?などという声さえ出ている。日本の場合は、「タイタニック」が262.1億円というモンスター・クラスの興収なので、これを「アバター」が抜くことは、まずないとは思うが。
実は「アバター」が公開されて3日目の時点で、現在発売中の「MOVIEぴあ」掲載用に、20世紀フォックス日本代表であるジェシー・リー氏と対談をした。テーマは「アバター」を中心に、これから映画はどう変わり、観客はどう受け止めるだろうか?といったこと。その時点でリー氏が語った「最初こそSF映画と思った男性客が来ていますが、徐々に女性客が増えてくることでしょう。それ以降は、上下の年齢に広がっていく」という観客層の変化予測は、見事に当たった。それもこれも、3D映画であることを連呼した宣伝につられてきた観客が、作品のクォリティの高さを認め、クチコミで広がったことが要因だ。
ゴールデン・グローブ賞2部門で最優秀賞を受賞したことから、アカデミー賞に絡むことも確実。最終的には興収85億円は射程距離内だが、今年上半期は邦画洋画ともに際だった大作がないことから、シネコン各社がその気になれば、「アバター」のさらなるロングラン興行も可能だ。アカデミー賞で主要な賞を受賞すれば、さらに客足に弾みがつき、100億円の大台突破という可能性も、充分に考えられるだろう。
昨年夏あたりから、メジャー系作品を中心に、断続的に公開された3D映画。その話題の蓄積が、“3D映画の決定打”である「アバター」の注目度につながり、またタイミングよく年末に入って家電メーカー各社が3Dテレビの商品化を大々的に発表した。「3Dであることばかりを連呼し、作品の内容をさっぱり宣伝していない」という、興行サイドのブーイングも理解出来るが、今回はその結果が吉と出た。「この映画の宣伝は、とにかく作品を見てもらうしかない。『アバター』を見た観客が、『アバター』の最高の宣伝マンになるのです」という、リー代表の見解は、見事なまでに的を得ている。
(1)2010年正月興行を制した「アバター」の大ヒットの秘密は?
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