写真を撮るという事。

最近は誰でも簡単に写真を撮れる様になって来ましたね。
昔は露出を正確に決めることだけでも大変な技術、経験が必要でした。
デジカメになって誰でも簡単に写す事が出来る分、写真の本当の在り方が解っていないと意味の無い写真になってしまいます。
写真を撮る技術は最近ではカメラが露出、ピントを合わせてくれますが対象物を選び、フレームを決め、どういうタイミングでシャッターを切るのかは人間がやらなければなりません。
ある意味、撮影者の優劣が直ぐ表に出てしまいます。
30年、プロのカメラマンとしての経験を簡単に記しておきます、御参考になれば幸いです。
プロといっても色々ありますが、私の場合は商業写真(コマーシャルフォト)だったので使用目的が非常に明確です。
対象は人物、商品、建築、料理、風景、さまざまなジャンルがあります。
それぞれに、その時々に、使用目的、意味があるのです。
素人だからといって何も考えずにシャッターを切っていてはいけません、コマーシャルで言えばギャラの安いスーパーのチラシ用の写真になってしまいます。
スーパーのチラシ用の写真でもプロは1枚シャッターを切る時には注意をはらって頭をフル回転させているのです、たぶん。
写真の技術はコンパクトにまとめて説明出来るようなモノではありませんが写真を撮る時の簡単な考え方程度は説明出来ると思います。

カメラを対象物に向ける時、何を考えてシャッターを押していますか?

露出?ピント?んなものは最近はカメラが適当にやってくれる時代。
なんか良さそう、ちょっと面白そう、なんとなく、漠然とカメラを向けていませんか?
その写真はどういう目的の為に撮るのか?
他人に見せるのであればどういう人に、どういう手段、方法で見せるのか?
を意識している必要があるのです。

少し具体的に。

自分の子供の運動会、七五三、イベントは色々あると思います。
自分の彼女との記念写真、電車の外観、細部写真、模型工作の行程写真などなど。

そのイベントは何時、何処で、どのように行われるのか?
それを誰に、何の目的でどのように使うために記録するのかということです。

自分の子供の七五三、何処何処の神社で、何時、同行者は?
その写真は親戚に見せるのか?プリントするのか?HPに掲載するのか?

撮影段階では天候も考えて、神社の判る風景、神殿の前での全員の記念撮影、おばあちゃんが抱いた全身、半身、子供のアップ、祝詞を挙げている風景(ストロボは必要か?)ロング、アップ、などを考えて組み写真ととらえてみて下さい。

天候では太陽の向き、時間、雲の動きを考え先に撮っておいた方が良いのか後で撮った方が良いのか、先に取りあえず撮り、後で再度押さえ直すのかスケジュールを組み立てておく。
時間の流れにそって撮るというのが記録写真なのですが後で撮ろうと思っていてもトラブルが起こる可能性はあります。
まだ大丈夫と思っていても急に雨が降り出した、子供が急に発熱した、おばあちゃんがつまずいてケガをしたなど、何が起こるか判りません。
アマチュアはそこまで考える必要はない、と言うかもしれません。
プロはいかなる時にでも、色々考え予測し、万全の準備をしているのです。
カメラが故障した場合、予備を用意し、屋内なら照明の準備、野外ならレフ板、タイプ(感度、タングステン用、デイライト用)の違うフイルムを用意するものなのです。
以上のような事はプロならではですが、少しでも段取りを考え、分らなければ進行順序を聞き情報を入手しておけばバタバタしなくて済むでしょう。

デジカメの場合、まずカメラとPCのモニターの輝度、コントラストの調整。

Macでは最初に設定されますが、コントロールパネルからモニターの輝度、コントラストを調整しておきます。
Winはいまだこのモニターの調整機能がありません、マルチモニターはようやく対応しましたが。
映画、テレビを見るからといってモニターの輝度、コントラストを上げているとデジカメの画像は明るく表示され、それで補正すると他の人の所では暗く表示されます。
NETのHPで暗い画像の写真はモニターの補正をしていないWinで作成しているからです。
モニターを買って来たまま使っていた、モニターを調整するのを知らなかった、明るい方が好きだという貴方。
これらがまず出来ていないと露出の補正どころではないのです。
自分はデジカメプリントに出さない、自分のマシンで自分しか見ない、Winの人にしか見せないとヘソ曲がりな事を言ってもしかたがないのです。
MacとWinではモニターの設定ガンマ値事態が違います、事務計算用から発展したWin、DTP、画像処理をメインにしたMacとは根本的に違いがありますがその違いを認識する必要があります。

Winではモニターの補正が出来ませんのでプリンターとの比較補正もできません。
モニターで見たようなプリントアウトが出来ないのはWinを使っているからなのです。
Macでは一度やっておけばモニターで見えていた通りがプリントアウト出来るのです。

最近のプリンターでは顔を自動判断して明るく印刷してくれるのが出来たらしい。
Winを使っている限り根本的な解決は出来ないのにと思います。

露出は?

プロの露出は印刷用のポジフイルムの場合+-1/3絞り程度。
プロ用フイルムのロットごとに乳剤の感度補正、色補正CCフイルターの補正、現像所による傾向
明暗のある被写体による露出補正、近接撮影の露出補正など。

デジカメは後で直せるからといっていい加減なカメラまかせは良くありません。
適正露出をかけておかないとレンジの半分程度しか使っていないので補正をかけてもシャドー、ハイライトのグラデーションが滑らかにならないなどの問題がでます。
簡単な露出補正はカメラのメーカーによるクセを感度で補正し撮影時にEV補正をモニターでチェックしながら行います。

モニターでチェックするときにヒストグラムを表示出来ればそれを見ながらグラフの波形が均一かまたは左右どちらかに片寄りすぎないようにEV補正すれば一応適正露出を得る事ができます。

正確な露出を得る為に我々は単独の入射光式露出計を使っています。
カメラに内臓されているのは反射光式、ですから白いものはグレーに、黒いものもグレーにしてしまいます。
内臓メーターは一般的な物を対象にしていますのでオークション用に白バックで撮ったりすると白い部分を計って肝心な見せたい物が2絞り近く露出アンダーになります。
ヒストグラムを見ながらEV補正でこまめに補正しておきましょう。

構図とは

絵を描く訳では無いので構図と言う言葉は余り使いたくありません。
写真の場合フレームは自由に動かせますから画面をどう切り取り、空間をいかに処理するかなので空間処理と言います。
人物などを撮ると顔の向き、目線の先を少し開けます。
顔の向きより目線を優先します。
人物をHPなどでレイアウトする場合顔の向きはページの中央を向くようにします。
あらかじめどう使うか判っていない場合は左右どちらの向き、と中央正面を撮っておきます。
これらを守らないと窮屈な絵になってしまいます。
オーソドックスなセオリーです。
鉄道模型のポスターにひどいものがありました、踏切りの前で女の子と電車を撮っていたのですが画面の端にレイアウトされた女の子が外を向いていました、色んな要素を欲張り、消化しきれず、基本を無視した例です、どうしても要素にこだわるならもう少し場所を探せばなんとかなったはずでしょう。
構図といえば黄金分割とかがあるのですが早い話、画面を天地1/3、左右1/3に頭の中で分割し、それらを意識して水平線などの配置をすれば黄金分割の構図と言えるでしょう。
画面サイズにも色々あります、4×5、6×7、35mm、6×9、四角い6×6。
後で使うサイズによって縦横比が変わったりします、キャビネサイズ以下は35mm、6×9の比率、六つ切、以上は正確ではありませんが4×5、6×7の比率です。
それらも含めてファインダーの視野に仮想の線をイメージして画面構成を考えなければいけません。
ただ其の時々の条件で変化します、空に雲がある場合、雲の色、雲の大小形状が画面上での空間処理上の大きな変動ファクターになります。
このへんが作者の美的センスという訳です。
写真はあとでトリミングが出来るので少し余裕を作って撮影するのも手です。
空間処理には絶対と言う事はありません、どうしたらよいか迷った時などに参考にしてください。

最近はデジタルで写真の中に文字を入れたりする事が簡単に出来るようになりましたが文字も空間処理の上の大きな要素の1つです。
我々の場合、先にデザイナーがラフスケッチを用意しています、アマの場合だいたいが行き当たりばったりで順序が逆になる場合が多いので構成が逆のパターンも用意しておくということもありえるのではないでしょうか。

カメラの機能の熟知

モータードライブで近付いてくる物をシャッターを押しっぱなしの場合、最適ポイントの前にフイルムが終わった、コマとコマの間が最適だったなど。
モータードライブでフイルム無しで空写しの場合とフイルム実装では負荷が掛かった場合、電池の消耗、種類などでスピードが変わる場合があります。
モータードライブは高級機種です、普及機はワインダーと思ってください。
下手な鉄砲は数撃っても当たりません、ここと言う時に指で1チャンスを。
シャッターボタンの半押し、シャッターのタイムラグ、個々のカメラに色々癖があります、出来るだけ把握しておきましょう。
銀塩カメラになくてデジカメならではというのにホワイトバランスの調整というのもあります。
銀塩ニコンのFシリーズはファインダー視野100%、ですがデジカメではファインダーで見えるのと実際に写るのとではけっこう違いがあります。
一度、正確に違いを把握しておく必要があります。

色補正のイロハ

RGBとYMC、RGBは光の3原色、YMCは色の3原色、RGBは3つ重ねると白くなります、テレビに応用されています、YMCは一般印刷物に。
B(ブルー)とC(シアン)、R(レッド)と(マゼンタ)の区別がつかない方がいます。
こればかりは色を覚えてもらう以外に方法がありません。

補色の関係

R-C、G-M、B-Y、それぞれが補色関係(反対色)これだけです。
画像がRぎみであればCの方へ補正すれば良いだけです。
上の理屈が分らなければやみくもに補正スライダーをいじくりまわし、結局自動補正で済ませてしまうことになるのです。

禁無断転載、引用

仕事で撮ったもの、こんな仕事をしていました。

モデル撮影もあるのですがここに掲載するのには問題があるので。

どうして過去の写真をUPしたかというと2chのアホウ共が昔カメラマンをやっていたそうだがスーパーのチラシを撮っていたんだろうと言っていたのでやむなくUPした。
ネコパブのブログでガチャガチャ言っていた、オンデマンド印刷の営業の使いっ走り程度の知識で写真を語るな!!
カメラマンという職業には別にライセンスがあるわけでもない、だれでも今すぐカメラマンだと言い張れるわけだ。
鉄道写真というジャンルは写真業界には無い、デジカメ全盛の今、そこに有るものをただ撮るだけであれば素人にでも出来る。
素人がたまたま写っていたのであればただのラッキー、何時も安定して写せるのはプロの技術、知識、経験。
ここに置いてあるような写真は素人には絶対撮れない、なぜならプロが創った写真だからだ。
一応自分は空撮から水中まで、色々経験はある、依頼があって出来る事はなんでもやるのが商業写真家。
その中でも得意分野がここに置いてある様な創る写真という事です。
プロは常に80点以上を要求される、素人のようにまぐれで過去の最高点を評価されるものではない。

ホントに2chのアホは何も知らん。
頭が悪いのは判っていたのだが目まで悪いようだ。
ここに載せてあるのは4×5の原板だ!
4×5というのはプロがお仕事で使うアオリがきくビューカメラだ。
4×5はフイルムサイズが4×5インチ(10cm×12.5cm)
普通の35mmカメラはフイルムサイズ24mm×36mm
まあ、なにも知らんど素人にでもわかるように言うとWebカメラとNikonD3ぐらいの差がある。
画面サイズも比較にならないぐらい違うし画面比率も違う。
我々の仕事の後はデザイナーがトリミング、レイアウト、などの作業が有る。
口だけのアマとか大作家先生ではないので1mmも切るなとかは言わない、計算して多少のトリミングの余裕を持たせてとるんだよ!


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