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2010.01.26

お金、嫌いですか

 『お金儲けは悪い事ですか』

 数年前でしたが、そういう言葉がありましたが、あれは私たちが心の奥底にふたをしてきたものを非常にざわつかせました。

 私はいわゆる典型的な日本的思考の家で育ちましたから、お金の話を家でする事はありませんでした。またそういう事を言うと叱られていました。お金は自分の目標と切り離すべき存在だったわけです。
 先述したように私は普通の家に生まれましたから、いろんな制限がお金によってありました。ですから、お金がないとできない事があると感じているので、お金は私にとって小さな問題ではありません。未だに収入の3分の2以下で支出を考えてしまうのは、この焦りからくるものでしょう。


 日本でお金の話をすると、それを毛嫌いする人がいます。世の中お金じゃない。確かにその通り。いくらお金を積んでも、世界の舞台で戦えるわけではありません。
 所詮はお金であります。まだお金持ちになった事が無いので、本当の感覚はわかりませんが、あったとしてもそう思うんじゃないかなとは想像しています。

 しかしながら所詮はお金ではありますが、一見、そこに同じ意見を持っているように見えて、我関せずで生きている人と、自分と関係のないところのお金の話まで食って掛かる人がいます。
 お金の為に動くなんて卑しい事だ。許せない。そんな彼の考えは改めるべきだ。

 許す許さないはその人に迷惑をかけない以上、本人の価値観の問題です。特にお金なんてどうでもいいと思っているんだったらなおの事ほっておけばいいのに、ほっておけない人がいます。お金で縛られてむしろかわいそうだと横目で同情こそすれわざわざそれに意見するなんて、お金に換えられない人生の貴重な時間の浪費でしょう。


 アメリカで一つ思うのは、言い過ぎなくらい愛国心を叫ぶ事です。日本ではそれはありません。
 アメリカは愛国心を叫ばないとならないのだと思います。そうでないと一つになっている実感が無い、だから何か一つの概念で、つまりアメリカ愛という概念で安心したいのではないか。染み付いていないものは強制しなければ不安になります。

 日本人が日本を嫌いという話を時々聞きますが、しかしその心理の裏にあふれんばかりの日本に対しての愛情が滾っている事が多い。だからどっちだっていいのです、嫌いっていったって無視したって、その根幹にはあふれんばかりでそして避ける事の出来ない愛があるわけですから。

 すでに心にしっかりとあるものは、無視できますし、遠くから眺める事ができますが、逆に実はそうではないのに、そう思い込もうとしているものには、人はヒステリックに反応します。ほっておけばいいはずのものに,ほっておけなくて絡み付くのはだいたい自分の中に解決できていない問題がある事がほとんどです。


 元アスリートであった方や今そうである方にはわかる人もいるかと思いますが、どこかで自分のライバルが活躍したとき、まるで自分の価値が落ちたと感じた事がありませんか。
 相手が如何に大した事ないやつかを説明するのに必死になった事はありませんか。
 本当は、自分で相手の活躍と自分の人生は関係ないとわかっていながら、その沸き上がる嫉妬心を止められなかった事はありませんか。

 お金も似た状況を作ります。誰かが稼ぐと、まるで自分の財布の中からお金が減った気分になります。そんなとき大人は直接言うのは抵抗があるので、こんな言葉がついてでます。

 『そんなに稼いで何に使うんだ。お金があったって幸せとは限らないんだ。世の中の価値はお金じゃないと知るべきだ』
 
 あまりにも執拗に正論を言うとき、人は裏側に嫉妬とコンプレックスが潜んでいます。大人になると面と向かって嫉妬心は出てきません。もう少しいびつな形で噴出します。


 自分の人生の目的は、他人に勝つ事で達成されるものでしょうか。そうだとすれば、世の中の大方の人間の人生の目的は達成されません。細かく区切って、『日本の中では』『この業界では』『社内では』とすれば、かりそめの勝者という感覚は得られるかもしれませんが、それは比較を制限しているだけです。
 自分でもわかっていながらつぶっているその眼を開いて、世界中どこも比較対象にしたら、ほとんどの人間は敗者です。

 しかし、果たしてそういうものが人生の目的かなと私は思います。もっと根源的な、誰にも評価されてもされないでも全く気にならない、自分だけの価値観があるんじゃないでしょうか。
 例え勝者になったとして、それは勝ちたくて勝ったのか、それともみんなが賞賛するから勝ちたかったのか。後者の場合、勝つ事で自分の本当の望みは達成された事になるんでしょうか。
 

 お金儲けは悪い事ですか?お金は力の象徴です。表面のこれまで習ってきた倫理観ではじいてしまわずに、よくよく深い所で自分に問うてみます。もし逃げなければ、何か深いところに到達できるかもしれません。

2010.01.26 | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)

Comment

テーマと関係のないコメントは削除させていただきます。

確かに人に評価されるためだけでない、何か根源的な人生の目的が欲しいと思います。しかし、ある程度人に評価されないと、つまり賞賛される部分がないと、動機付けが難しいのも確かです。自分を掘り下げって行って、人に賞賛されるためでない何jかが残るのか、はなはだ心許ないです。
しかし、探し続けるしかありません。

投稿者: たく (Jan 26, 2010 8:57:39 AM)

お金を儲けることだけに血道を上げた結果起きたような事件
(ライブドア事件、世界不況の元凶サブプライムローン問題)は、
違法すれすれでも法の内側なら何をやってもいいという
身勝手な欲望に絡め採られた人たちが起こしました。
しかし、日本でもアメリカでも、お手本になるような分別と気概と影響力のある大人が
見当らなくなったから起こった気もします。
(法の整備以前の問題もあると思う)
個人主義が行き過ぎて、全体や他人を見る視野が欠落しているんじゃないか?
(私がいうのもなんだけど)
全体があっての個人、個人があっての全体、
このバランス感覚を身に付ける教育が必要な気がします。
世の中や他人の役に少しでも役に立つように人生を構築する。
それを根っこにドシンと持っていれば、お金について、やたらエキセントリックにならないと思うんだけど、どうだろう?

投稿者: ダイ・ハート♪ (Jan 26, 2010 12:13:05 PM)

先ほどのコメント、急ぎの用事があって切り上げたので、肝心なことが抜けてます。
概ね、こんなことが新聞か本に書いてあったんだけど、
どうしてもそれがなんだったか思い出せなくて。
大さんのメッセージを読んで、ふと、思い出したので、私なりの意見も加えて書きました。

投稿者: ダイ・ハート♪ (Jan 26, 2010 4:16:56 PM)

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