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【静岡】情報交換し合うSNSに潜む危険 県内でも少女ら被害2010年1月23日
インターネットサイト「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)」を利用する少女らが性的犯罪の被害に遭う事件が、県内外で増えている。出会い系サイトと違い、社交や趣味を通じた人脈づくりを目的としているため、気軽に利用できるのが落とし穴。警察庁も取り締まりを強めている。 (富士通信部・林啓太) 富士宮署が6日、県青少年環境整備条例違反(淫行(いんこう))の疑いで逮捕した沼津市の会社員の男(47)。容疑は昨年6月中旬、沼津市内のホテルで富士宮市の高校生の少女(16)が18歳未満と知りながらみだらな行為をしたとされる。 しかし、男は少女と出会った当初、性的な関係を持つ意図はなかった。捜査関係者によると、2人は大の車好きで、お気に入りの車種や愛車、車両部品などの情報を交換し合うSNSを利用していた。男は少女が開設した自己紹介のサイトを通じ、5月ごろから少女と連絡を取り合うように。車の話題で盛り上がるうちに性的興味を募らせ「ホテルに行こう」と持ち掛けたという。 同署が同じ容疑で逮捕した富士宮市の会社員の男(27)も、少女と出会ったのは別のSNSだった。 SNSは利用者が同じ趣味や関心を持つ相手を探す建前のサイト。捜査関係者は「思春期の少女が大人の男と共通の話題で夢中になってから、性的関係に至るまでの垣根は低い」と指摘する。 警察庁によると、18歳未満の少年少女への淫行などを禁じる都道府県の条例違反の摘発件数は、2009年上半期で、「出会い系」以外のサイトがきっかけとなった事件が389件。出会い系サイトが絡む事件の約4倍に上る。捜査当局は、いかがわしい書き込みの削除をサイト運営者に求めるなど警戒を強めている。 一方で、過剰な取り締まりが、サイト利用者の健全な人脈づくりにも支障を与えかねないと危惧(きぐ)する声も上がる。性的な感情にもとづく書き込みと、新たな友人を求める書き込みの区別を付けるのは難しい場合も。健全サイトを審査・監視する第三者機関「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」(東京都)は「表現の自由を侵すことがあってはならない」と警告する。 警察庁は「警察としては法律に基づいて取り締まりを続けたい」としている。
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