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【格闘技】大毅 世界戦トラウマや 反則アカン、フェアでも勝てん2010年1月26日 紙面から
世界戦2戦ともトラウマや−。亀田3兄弟の次男大毅(21)=亀田=が25日、悩める胸中を吐露した。WBA世界フライ級王者デンカオセーン・カオウィチット(33)=タイ=戦(2月7日、神戸ワールド記念ホール)へ向け、東京都内の亀田ジムで練習を公開。反則行為を犯した07年10月の内藤大助戦、クリーンファイトに徹しすぎた09年10月のデンカオセーン戦。両極端な世界戦を振り返り、「トラウマや…」と繰り返した。大毅は吹っ切れないまま、3度目の世界戦を迎える。 悩める21歳だ。前回のデンカオセーン戦。大毅にとって、反則行為を犯した内藤戦以来となる世界戦。リングに上がると、あの日の愚行が頭をよぎり、必要以上にフェアな戦いをしてしまった。王者の執拗(しつよう)なクリンチを解かず、ただ首を振っているだけだった。 「(内藤戦の)トラウマがあったんや。反則したらアカンと。相手は反則ギリギリやってきた。ボクシングはセコさ、ズルさが必要。いまはクリーンファイトがトラウマになっている」 内藤戦だけでなく、なんと前回の試合もトラウマになっていることを明かした。反則してはいけない。優等生すぎても勝てない。どう戦えばいいのか−。気持ちに迷いがあるようだ。 「トラウマ同士や…。今回はクリーンファイトもしないし、反則もしない。その間でやる。(前回の試合より)もっと荒々しくやります!」 自分に言い聞かせているようだった。前回の世界挑戦から4カ月。周囲の状況が変わった。兄興毅が世界王者となり、弟和毅はメキシコで中米連盟王座を獲得。3兄弟でベルトを巻いていないのは大毅だけ。 「気にしてないけど、キツイこと言うなあ。嫌なこと聞くなあ。ラストチャンス? これで取れんかったらアカンやろ、という気がするしな…」 3度目の世界挑戦。決戦まであと12日。大毅に悩んでいる時間はない。 (森合正範)
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