広島放送局

2010年1月25日 18時55分更新

在韓被爆者訴訟 広島でも和解


広島や長崎で被爆しその後、韓国に帰国した被爆者たちが日本政府に慰謝料を求めた集団訴訟は、日本政府が1人あたり110万円を支払うことで、25日、広島地方裁判所で和解が成立しました。
広島、長崎、大阪の3つの地方裁判所で起こされていた集団訴訟は、これですべて和解となりました。この裁判は、広島や長崎で被爆し韓国に帰国した被爆者552人が、戦後日本に住んでいないことを理由に、被爆者に支給される手当を受けられず、精神的な苦痛を受けたとして、日本政府に対して、
1人あたり120万円の慰謝料などを支払うよう求める訴えを広島地方裁判所に起こしていたものです。
裁判所で和解に向けた話し合いが進められた結果、最初に裁判を起こした被爆者128人について、日本政府が1人あたり110万円の慰謝料などを支払うことで双方が合意し、25日、和解が成立しました。
原告となったほかの被爆者についても順次、和解が成立する見通しです。
韓国に住む被爆者による同様の訴訟は広島、長崎、大阪の3つの地方裁判所に起こされましたが、これですべての裁判所で和解が成立しました。
記者会見で、原告側弁護団長の在間秀和弁護士は「和解内容では、国が在外被爆者に手当を支払わなかったことの違法性を認め、謝罪の意味が含まれている」と評価しながらも、「裁判を起こさないと損害賠償をしない国の態度には、納得できない」と話しました。