中国8%成長 バブル経済の崩壊をどう防ぐ
中国の2009年の実質経済成長率が、政府の目標としていた8%を達成した。
世界の主要国が、金融危機の影響から抜け出せずに低迷する中、中国経済の回復ぶりが印象づけられた。
だが、中国国内では過剰投資の副作用で、不動産価格が高騰するなどバブルが膨らみつつあるとの見方が強まり、中国政府は金融引き締めに動き始めた。
今や、世界経済のけん引役になった中国経済が安定成長軌道に軟着陸できるか。中国政府は難しいかじ取りを迫られており、その動向に関心が集まっている。
中国政府によると、09年10〜12月期の成長率は10・7%と、08年4〜6月期以来、6四半期ぶりに2けたをつけた。09年1〜3月期には6・1%まで低下したが、それを底にV字型回復を示した。
この結果、09年は年間で8・7%成長を記録した。
中国の国内総生産(GDP)は昨年中に日本を抜き、世界第2位になるとの観測もあった。だが、円高もあり、わずかに日本が上回ったのではないかとされる。
ただし、今年は中国が日本を抜くのがほぼ確実なようだ。そうなれば、1968年に日本が当時の西ドイツを抜いて以来、42年ぶりの2位交代となる。
中国の高い成長の原動力が、08年秋から実施中の4兆元(約54兆円)に上る大型財政出動による大量の公共事業だ。
設備投資や不動産投資などを示す「固定資産投資」の年間伸び率が、前年を4・6ポイント上回る30・1%だったことでも裏付けられる。一時は弱りかけた景気の強力なカンフル剤となった。
輸出が昨年12月に、14か月ぶりに前年同月比でプラスに転じたことも大きい。中国の09年の輸出総額は世界1位となった。
ただし、今後も輸出増が続けば、為替管理政策で低く抑えられている人民元の切り上げ問題が、再浮上することは避けられまい。
中国経済で最大の問題は、都市と農村との間で、所得格差がさらに拡大したことだ。
都市住民の昨年の可処分所得の増加率が9・8%なのに対し、農民は8・5%だった。経済発展の恩恵が、農村には十分に及んでいないということだろう。
中国では1日1ドル以下の生活で暮らす貧困層が、まだ1億5000万人もいる。
都市と農村の均衡ある成長を図ることが、今後の中国経済の大きな課題である。
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