2010年1月25日 19時46分更新
東南アジアのビルマ、現在のミャンマーでの戦争体験を岡山市の男性がまとめた本が、ミャンマーで文学賞を受賞し、24日、現地で授賞式が行われました。
授賞したのは岡山市北区の小田敦巳さん(87)の「一兵士の戦争体験」の翻訳本です。
小田さんは、太平洋戦争末期の昭和18年、陸軍の兵士として当時のビルマに送られ、食料や弾薬の輸送任務などを行いました。
本には餓えや病気に苦しみながら多くの仲間が命を落とす姿を目にしたり、自らも手榴弾での自殺を試みるなどした戦地での過酷な現実が克明に描写されています。
授賞した文学賞はミャンマーでは、テレビや新聞で全国に紹介されるなど、注目されているもので、ミャンマーで翻訳された小田さんの作品は、太平洋戦争の敗戦国側の兵士の経験や心情が克明に記されている点が高く評価されました。
日本の作品の翻訳がこの文学賞を受賞するのは今回が初めてだということです。
小田さんは「大変、光栄です。戦争の悲惨さを伝えると共に、ビルマの人たちに親切にしてもらった恩も忘れません。作品が、今後の日本とミャンマーの友好につながっていくことを望みます」と話しています。