大相撲の時津風一門が23日に開いた一門会で、親方衆に対して理事選(2月1日投開票)で投票する際、同門の立会人に投票用紙を見せてから投票するよう指示が出ていたことが24日、分かった。指示通りに投票した場合、誰が誰に投票したかが分かるため、実質的には記名投票となる。
理事などの役員選出について定めた日本相撲協会寄付行為施行細則によると「理事の選挙は、評議員会において評議員の単記無記名投票により行う」(第30条)とある。無記名の原則を崩すため、一門内の親方からは「貴乃花親方に入れさせないようにするのが見え見え。自分たちは一門の代表に入れるのに、信用されていないのか。自分は見せないで入れる」と反発する声も出ている。
選挙管理委員の大山委員長(元幕内大飛)は「2枚入れていないかとか、変な物(異物)を入れていないかは見るが、内容は見ない。折って入れるのも、丸めて入れるのも自由」と選管としては関知しない考えを示した。選挙当日は投票箱が2つ置かれ、一門の立会人がいない箱に投票するのも自由だとした。
一門内から造反者を出さないために時津風一門は締め付けを強化した形だ。前出の親方は「ふざけるなと思う。(投票を)ボイコットしようかとも思った」と声を荒らげた。時津風一門の現職理事の伊勢ノ海親方(元関脇藤ノ川)は「無記名でやるだけ」とだけ語った。
(2010年1月24日)