1月24日(日曜日)
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社説
1月24日付  小沢氏事情聴取  不明な点はまだ多い  
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 民主党の小沢一郎幹事長が、自身の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、東京地検特捜部から任意の事情聴取を受けた。

 政権与党の幹事長が捜査機関から事情聴取されるのは、極めて異例のことだ。特捜部は、それだけ小沢氏が事件に関与した疑いが強いとみているのだろう。

 小沢氏は事情聴取の後に記者会見を開き、聴取の内容を話した。しかし、まだ不明な点は少なくなく、説明責任を十分に果たしたとは言い難い。国会の場などであらためて説明するよう求めたい。

 陸山会をめぐる事件では、小沢氏の元私設秘書で衆院議員の石川知裕容疑者と後任の元私設秘書、公設第1秘書の計3人が逮捕されている。

 陸山会が2004年10月に東京都世田谷区の土地を購入したのに、簿外で調達した4億円の収入や、土地代金約3億5200万円の支出を、04年の収支報告書に記入しなかったなどとする政治資金規正法違反容疑である。

 特捜部は小沢氏に対する事情聴取で、土地購入の原資や、小沢氏が虚偽記入をどこまで認識していたかについて聴いた。

 これに対して小沢氏は、個人資金を土地の購入に充てたと説明した。収支報告書への虚偽記入についての認識や関与はなかったとした。

 特捜部が特に関心を持っているのは、購入原資の一部にゼネコンからの「裏献金」が含まれているのではないかということである。

 小沢氏の地元・岩手県の胆沢ダムの下請け工事に参入した水谷建設(三重県)関係者が、5千万円を石川容疑者に渡したと供述しており、工事の入札と土地購入の時期が重なっているためだ。

 特捜部は西松建設の巨額献金事件の公判で、小沢氏側が政治的な影響力を背景にゼネコンから献金を集めていたとしている。今回の土地購入にも、そうした構図があるとみているわけだ。

 これに対して小沢氏は事情聴取で、水谷建設や他の会社から不正な資金は受け取っておらず、秘書も受け取っていないと確信していると話したという。

 水谷建設関係者の供述以外に、特捜部が裏献金授受の証拠を持っているのかどうか注目される。

 小沢氏の政治資金をめぐっては、なぜ4億円を複数の団体経由で陸山会に集めていたのかという疑問もある。

 小沢氏の関連政治団体の口座に04年、約15億円が簿外で入金されたとの疑いも浮上している。特捜部は、03年に解散した旧自由党への政党交付金が原資だった可能性もあるとみて調べているもようだ。政党交付金は税金から出されている。

 小沢氏はこうした疑問にも答える必要がある。

 民主党も、党の要の幹事長が「政治とカネ」の問題で疑惑を持たれていることを深刻に受け止めなければならない。

 鳩山由紀夫首相の偽装献金問題と相まって、国民の政治不信は高まるばかりだ。信頼を取り戻すには、民主党が強い自浄能力を示すしかない。厳しい目で国民が見ていることを忘れてはならない。

徳島新聞社