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 論説 :  小沢幹事長聴取/一件落着とはならない
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件をめぐり、小沢氏自身が東京地検特捜部の任意の事情聴取を受けた。元秘書の衆院議員石川知裕容疑者に渡した土地購入資金4億円の原資にゼネコンの裏献金が含まれていないか、収支報告書虚偽記入の報告を受けたか―など、詳細な説明を求められたとみられる。

 検察は政権党の「最高実力者」の刑事責任追及もにらみながら、虚偽記入を中心に小沢氏の関与や認識を慎重に見極める。

 昨年暮れの石川議員聴取で表面化して以来、小沢氏が「検察との全面対決」を掲げる中で拡大を続けた捜査は、大詰めを迎えた。

 約4時間半に及んだ聴取後、小沢氏は記者会見し、検察への説明内容を明らかにした。虚偽記入について秘書から相談や報告はなく、全く把握していない、4億円は自宅売却などで得た個人の資金で、ゼネコンからの裏献金疑惑は事実無根と、これまでの主張を繰り返し「包み隠さず述べた」と胸を張った。

 鳩山由紀夫首相の偽装献金問題もあり「政治とカネ」をめぐる不信は、かつてないほど根深い。小沢氏は、あらためて記者会見し聴取内容の詳細だけでなく、捜査対象になっていないことも含め、資産の形成や管理などについても真摯(しんし)に語るよう求めたい。民主党が独自に調査を行い、説明を検証することも必要だろう。

 元は規正法違反事件であり、小沢氏が繰り返し強調したように形式犯にすぎない。ただ、これまで多くが略式起訴・罰金で処理されてきた規正法違反と違うのは、検察が収支報告書に記載されなかった4億円の原資にゼネコンからの裏献金が含まれているとみているからだ。

 捜査の過程で見えてきたのは、小沢氏の手元で政治資金と個人資金が混然一体となって行き来し、陸山会に不動産が蓄積されてきたことだった。

 焦点になった土地も含め、陸山会が小沢氏名義で購入した不動産について小沢氏は2007年の記者会見で、自分が勝手に処分できない根拠として陸山会と交わした05年1月付「確認書」を示した。

 ところが確認書は会見直前に作成された疑いが強まっている。権利関係はあいまいなままで、個人のものではないという確証はない。なぜ政治団体が不動産を所有するのかについても、まだ納得のいく説明はない。

 小沢氏が、かつて率いた自由党(03年解散)をめぐっても政党助成金約15億円が組織活動費として当時幹事長の藤井裕久前財務相あてに支出され、その使途は分かっていない。解散翌年に小沢氏の関連団体の口座に、ほぼ同額が分散して入金されたのを検察は確認しているとされる。国民の税金である助成金の行方は、はっきりさせるべきだ。

 なぜ4億円という一般市民には想像するのも難しい巨額のカネを手元に保管していたのか、政治資金と個人資金とをきちんと区別しているのか。多くの疑問が残る。

 そうした素朴な疑問に一つ一つ丁寧に答えることをしなければ、いつまでたっても政治不信はぬぐい去れない。

('10/01/24 無断転載禁止)

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