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社説

小沢氏聴取 まだ疑問はぬぐえない(1月24日)

 民主党の小沢一郎幹事長をめぐる政治資金疑惑が大きな展開を見せた。

 小沢氏がきのう東京地検特捜部の求めに応じ4時間余り参考人聴取を受けた。

 任意とはいえ、政権に大きな影響力を持つ与党の幹事長が「政治とカネ」の問題に絡んで聴取を受けるのは極めて異例だ。これを機に真相解明が進むことを期待したい。

 小沢氏は検察との全面対決を宣言してきた。東京地検は今月5日に聴取を要請したが、「必要ない」と応じてこなかった。一転して要請を受け入れたのは、世論の厳しい批判に背中を押されたからだ。

 この間、元秘書で同党の石川知裕衆院議員(道11区)ら3人が政治資金規正法違反の疑いで逮捕された。

 小沢氏の資金管理団体「陸山会」は2004年に東京都内の土地を約3億4千万円で購入した。購入資金は同氏が提供したとされる。

 巨額な資金をどう調達したのか。購入費を政治資金収支報告書に虚偽記入したことを小沢氏は知らなかったのか−。東京地検はこの2点を軸に聴取したもようだ。

 資金の出どころについて地検側は、小沢氏の地元岩手県のダム工事受注に絡んだゼネコンからの裏献金との関連に注目している。

 聴取の後、小沢氏は記者会見し、説明文書を公表すると同時に、自らの疑惑を真っ向から否定した。

 土地購入費の原資について文書で「裏献金というのは事実無根」とし、会見でも「不正な金は一切受け取っていない」と潔白を断言した。

 自宅を買い替えた際に残った資金などを銀行に積み立て、陸山会に貸し付けたとの説明だ。

 収支報告書への虚偽記入は「(秘書から)相談されたり、報告を受けたこともない」と関与を否定した。

 だが不自然さはぬぐえない。

 ゼネコン側は小沢氏側への献金を具体的に証言しているという。小沢氏の否定発言と矛盾する。検察はこの点を徹底解明すべきだ。

 購入資金は銀行から引き出し、事務所の金庫に保管していたというが、なぜ巨額の現金を長い間「タンス預金」で寝かしていたのか。

 小沢氏は銀行からの4億円の融資や複雑な資金の出し入れを秘書に任せていたとし、肝心のカネの流れについて「分からない」と述べた。

 約30分の会見で小沢氏は裏献金の有無を一言で否定する一方、会計事務についても「秘書任せ」とする立場を貫いた。だがこれだけでは小沢氏の主張を語ったにすぎない。

 幹事長職の続投を表明し「国民に説明することは説明したい」と述べた。ならば引き続き国会の場などで真相を明らかにすべきだろう。

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