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大学入試:センター試験開始 親に負担かけられぬ…受験生にも不況の影

 ◇浪人しない覚悟/私立併願やめた

 一昨年から続く不況の中でのセンター試験。今年の受験生たちは、保護者の懐具合を気にしてか、受験校を絞り込み、国公立志向を高めているようだ。新型インフルエンザの感染にも注意しながら試験に挑む受験生の声を聞いた。【稲垣衆史、福泉亮】

 名古屋市千種区の名古屋大会場で受験に挑む愛知県蟹江町、県立津島東高校3年、鈴木秀幸さん(17)は、名古屋工業大が第1志望。「関西方面の私立大など4校くらい受けたかったが、親には迷惑をかけられない」と併願する私立大を地元の2校に絞った。自動車関連企業で働く父親の給与が、景気悪化のため2割減ったという。「母は『浪人してもいいよ』と言ってくれたけど、今回で決める」と意気込んだ。

 愛知県立大看護学部を第1志望にする名古屋市西区、県立新川高3年、上野眸(ひとみ)さん(17)は双子の姉と一緒に受験するため、私立の併願をやめた。母子家庭なので母親から「浪人はできない」と言われている。看護の専門学校も受験する予定だが「やはり大学に行きたい」と話す。

 上野さんは昨年10月に新型インフルエンザにかかった。「もうかからないと思うが、念のため手洗いや消毒液などを使って気をつけた」と気を引き締めていた。

 三重県四日市市、浪人生の佐藤巧さん(19)は、国立の岐阜大を第1志望に選んだ。「親に負担をかけないよう自宅から通える大学を考えた」という。私立大学の受験も「確実に合格できそうな大学だけ」と、予定していた3校から2校に減らした。浪人生は新型インフルエンザワクチンの優先接種対象ではないため、季節性インフルエンザの予防接種を2回受け、この日はマスクを着けて臨んだ。

 ◇今年も地元志向

 志望状況は昨年に続く地元志向。代々木ゼミナール入試情報センターによると、昨年10、11月の全国模試を受けた受験生の志願率(前年比)は、東京大と一橋大が95%、東工大が93%と下がる一方、京都大、大阪大は上昇。西日本で東大クラスを目指していた受験生が地元志向を高めている。同センターは「最難関を目指し上京しても就職が保証されない。受験生が現実的になっている」と分析する。

 ◇5万人64会場で--東海3県

 大学入試センター試験が始まった16日、東海3県では約5万2400人が64会場で試験に臨んだ。このうち約1700人が受験する名古屋市千種区の名古屋大キャンパスでは、午前8時の開門と同時に、緊張した表情の受験生たちが続々と会場に入っていった。

 校門周辺では高校ごとに「必勝」の鉢巻きをした先生が受験生にチョコレートやあめを配ったり、激励の集会を開いたりした。愛知県立小牧南高3年の山内智恵さん(18)は「ここまできたら何も考えずに取り組むだけです」。【稲垣衆史】

毎日新聞 2010年1月16日 中部夕刊

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