話題

文字サイズ変更
はてなブックマークに登録
Yahoo!ブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

掘り出しニュース:チンパンジーも自分の名前分かる 脳波実験で証明

 【滋賀】これが私の名前。あれは似ていても違う--。

 県立大人間文化学部の上野有理准教授(35)らが、チンパンジーも自分の名前を自覚していることを脳波パターンで証明する実験に成功した。上野准教授が東京大研究員時代に成功したチンパンジーの脳波計測実験の一環。今後チンパンジーが音や味覚など各種の刺激に対し、どれほど人間と同じ反応を示しているかを実証していくという。

 チンパンジーは林原類人猿研究センター(岡山県玉野市)のメス、ミズキ(13歳)。チンパンジーと人間の認識能力を比べる研究は昔からあるが、長時間おとなしくさせるのが難しいことから、脳波の研究はほとんど進んでいなかったという。上野准教授は東大研究員だった08年1月、麻酔をかけずに脳波を調べる実験に、ミズキを使って初めて成功したと発表している。

 今回の実験はミズキが9歳のころに実施。「ミズキ」のほか、仲間の名前や知らない名前、さらにミズキに音の似た雑音を1・5秒間隔で順不同で聞かせ続けたところ、「ミズキ」の音を聞いた0・5秒後には毎回、人間の赤ちゃんが何かに注意を払うときに現れる脳波パターンと似た波形が現れたという。

 上野准教授は「チンパンジーが自分の名前を区別できていることは経験上は誰でも分かっていたが、科学的に証明できたのは初めて。別の刺激に対してもどんな認識をしているか、今後分析したい」と話している。

 今回の成果は昨年12月の英王立協会誌「バイオロジー・レターズ」に発表された。【稲生陽】

2010年1月23日

検索:

PR情報

話題 アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド