2006/03/26
契約書類に添える簡単な断面図。従来はEXCELの作図機能で描くと30分はかかるところを国際航業ではEASYCROSというフリーソフトを使ってこれを1分で終える。これらのフリーソフトはベクターなどのフリーウエアサイトからダウンロード入手できる。さらにこれに素材集などから植樹や通行人などの絵柄を取り込み、見栄えをよくする工夫も。もちろん素材集もフリーだ。 | ||
国際航業公共ビジネス事業本部の道路・地域計画部道路計画グループでは、フリーソフトを利用して、この作業を1分ほどに短縮した。利用しているのは、福岡市の土木設計事務所、シビルテックが開発した「EASYCROS」と呼ぶ道路の簡易断面図作成用ソフトだ。インターネットを通じて無料で入手できる。
EASYCROSは、エクセルのマクロ機能を利用して作成してある。マクロ機能とは、簡単なプログラムを組むことでパソコンの操作手順をあらかじめ登録できる機能だ。フリーソフトの中には、エクセルのマクロ機能を用いたものが多い。
他のファイルにも簡単にコピー
操作はだれでも簡単にできる。まずは中央分離帯の「ある」、「なし」を区別したうえで、上下車線の合計数を選択する。引き続き表示された画面で路肩や車線、歩道それぞれの幅を指定。併せて図面のタイトルを入力し、縮尺は100分の1か200分の1のどちらかを選ぶ。この後、「作図開始」のボタンをクリックすれば、図面が自動で作図される。
作図した断面をワードやエクセルのファイルに張り込む場合は、「クリップボードへコピー」というボタンをクリックした後に、張り込むファイルを立ち上げて、「貼り付け」のメニューを選べばいい。
このソフトを見つけたのは、同グループの福田匡宏主任。4〜5年前にホームページで別のパソコンソフトを探しているときに発見した。「ベクターというオンラインソフトを扱うページを見ているときに、たまたま見つけた」と福田主任は話す。
EASYCROSで作った断面図に素材集から車や人のパターンを選んで張り付けた。住民への説明資料などに活用(資料:国際航業) |
素材集を併用して見栄え良く
同グループの山崎晴彦主任技師は、3年前に福田主任からEASYCROSのことを教わった。「例えば、道路網の計画でいくつもの断面パターンを考える必要がある場合には重宝している。5パターン以上が必要なときでも、あっという間に断面図ができ上がってしまう」と山崎主任技師は言う。
応用範囲は広い。植樹や通行人などの絵柄が登録された素材集を用いれば、人や車まで含めた、わかりやすい断面図もすぐ作成できる。素材集はホームページから無料で入手できるほか、CD-ROMに収録して市販しているものを購入することもできる。山崎主任技師は、素材集を活用して、住民説明用の資料などに使う断面図を短時間で作成する。
同じグループ内でも、こうしたフリーソフトの存在を全員が知っていたわけではない。花村嗣信主任技師は、「最近、EASYCROSのことを知った。フリーソフトとして手に入るとは思いもしなかった」と言う。
福田主任は、「ホームページ上で漠然とソフトを探すのではなく、自分が必要だと思ったソフトがあるときに的を絞って探すことが、本当に役立つソフトを掘り出すコツ」と話す。まずは周囲の同僚に尋ねてみることも、大切なポイントだ。
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(出典)日経コンストラクション 2005年6月号60〜61ページの記事をもとに再構成しました。 |
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