64489[1]



1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:05:47.06 ID:Yu1TccJE0
ピカチュウ「はぁ…タリィ おい誰か、おいしいみず持ってこいよ」

コラッタ「へ、へぇー ただいまー! …お待たせしやした!」

ピカチュウ「(チュー)…けっ湿気た味だぜ 
       警備員のおっちゃんが気に入る理由がわからねぇ 
       …おい、お前 あとどれくらいで“奴”が来ると思う?」

主人公「…お、俺か?」

ピカチュウ「てめえ以外に誰がいるんだよ」






2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:06:16.04 ID:44Xyu1v20
期待






5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:07:51.17 ID:Yu1TccJE0
主人公「そうだな…いつもは仕事終わりだから
    あと数時間ってところじゃないのか?」

ピカチュウ「ぷ…はっははー! 何言ってんだ 俺たちはプログラムだぜ?
       時間なんてわかるはずねーんだよ!あははw」

コラッタ「そうっすよーレッドさん。
     俺たちはただ“奴”に動かされてる駒なんですからー」

ピカチュウ「おいおいwこいつの名前は先日リセットされて
      今は“マンピー”だぜwくくwwGスポットってか?ww
      “奴”のセンスもまだまだ捨てたもんじゃねえなwwぷははw」






7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:09:19.48 ID:Yu1TccJE0
    ―――― 3番道路 おつきみやま 眼前 ――――――

プレイヤー「はーwやっとここまで来れたw おwポケセンじゃんw回復、回復、と」

ピカチュウ「(…やっとここかよ 誰のおかげで
       トレーナー戦乗りきれたと思ってんだ、こいつは)」

ゼニガメ「(…まあ途中のニビは、俺がいないと確実に乗り切れなかったけどな)」

ピカチュウ「(…んだと?)」

プレイヤー「いやーw しかし、雑魚だったピカチュウも
      このトレーナーの連戦ではなんとかやってくれたしな…(ブツブツ」

主人公「…(テクテク)」

ピカチュウ「(は、はん。“奴”もたまには良いこと言うじゃねえか!)」

主人公「…(テクテク)」







8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:10:52.86 ID:Yu1TccJE0
プレイヤー「さて、と 今日はレポート書いて寝るか…」

         プゥン

主人公「…“奴”は落ちたか?どっこらしょ、と。
    …はぁ、やっぱりポケモンセンターのソファーは最高だな。」

ナースさん「あらあら、いつもお疲れ様です。」

主人公「これはこれは…すいません。菓子までいただいて。」

ナースさん「いえいえ。いつも頑張っておられるようですから。」







10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:12:13.38 ID:Yu1TccJE0
主人公「おら、お前らもボールから出ていいぞ」 ポムッ

ポケモンたち「…うーす。お疲れ様っす。」

主人公「おう、お疲れさん。」

ピカチュウ「マンピーさんよ、あれだな。
      ボールの中ってのは狭くて暗いな。息苦しくて仕方ないぜ。」

主人公「そういうもんなのか?(バリボリ) 
     …けどまぁ、おまえたちはその苦しみだけだろ?
     俺の苦しみはお前たちの苦しみの三倍は違うね。」







12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:15:01.67 ID:Yu1TccJE0
ポッポ「それは詳しく聞かせてもらいたいわね。」

プリン「…やめておいたほうがいいポッポさん。彼の口から漏れる言葉は常に、
    『足が筋肉痛だ』だの『いっそもうボックスの中に入りたい』だの、
    貴方の耳に入れるには忍びないものばかりだ。」

ゼニガメ「ヒューヒュー。そうやって紳士気取りか、音痴のプリンさん。」

プリン「!!き、貴様なにを根拠にそのような暴言を吐く!」

ゼニガメ「先のトレーナー戦で5回も連続で、
     相手を眠らせなかったのはどこのどいつだっけか。」

プリン「ぐっ!!…あれはゲームの仕様だ。
    命中率が低ければある程度はしょうがあるまい…」

ゼニガメ「おいおい。だったら直前にポッポさんがわざわざ
     砂かけ3回してくれたのに、相手の体当たり連発2タテで
     倒れたあんたの立場は散々だな。」

プリン「…言わせておけば、この小童が…」


主人公「…あー。そろそろ話してもいいか?」

ピカチュウ「ああ、いいぜ。」






13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:17:04.28 ID:Yu1TccJE0
主人公「まず第一に、お前らはボールの中で
    お互いにコミュニケーションを取ることができる。
    それはプログラムの水面下だからこそできることだ。
    見えなければなんでもやっていい、という理論に通ずるものがある。
    だけど、俺は心の中で独り言を唱えることはできても、
    起動中は他人とは喋れない。そういう仕様だからだ。」

ピカチュウ「ああ、知ってるぜ。
      町の住民にヘンテコなボタン音を鳴らしながら話しかけるくせに、
      結局お前は一言も発せずにその場を立ち去る。
      あれは見ていて中々お笑いものだぜ。」

主人公「…そのお蔭で、ニビとトキワともに追放されるような形で街を出たからな。
     あれはプログラムの仕様だと何度も言っているのに…(ブツブツ」

ピカチュウ「…あー、それで次は?」







14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:20:04.16 ID:Yu1TccJE0
主人公「…お前らは、自分の身体を自分ではない誰かに操られたことがあるか?」

ポッポ「いえ、ありませんわ。」

主人公「考えてもみろ。歩くのも他人からの指示、手を動かすのも、
    話しかけるのも、金を払うのも、全てみんなそうだ。
    これを苦しみと言わずしてなんと言うか。」

コラッタ「強制労働ですね、おそらく。」

ピカチュウ「ああ、それも筋肉痛とネガティブ思考のおまけ付きでな。」

主人公「言いたいことばかり言いやがって。
     …さてと、俺はここらで失礼するよ。」

プリン「どこかに行くのかね。」

主人公「ちょっとタケシと飲んでくる。」

ゼニガメ「飲みに行くのは勝手だが、“奴”が
     戻ってくるまでは所定の位置についとけよ。
     わかってるな?位置の座標はパソコンの左脇1の距離だぞ。」








15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:23:17.55 ID:Yu1TccJE0
―――――― ハナダジム ――――――

プレイヤー「カスミ萌え萌え‐」
        プゥン


主人公「お疲れ様です。寒くないですか、年中水に当たっていて。」

うきわガール「あら?私たちに寒いという感覚があるとおもって?」

主人公「それもそうだな。」



テレレテッテテテー♪ おめでとう! コラッタはラッタにしんかした!






16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:27:53.21 ID:Yu1TccJE0
主人公「コラッタ…進化しちまったな。」

ピカチュウ「…ああ」





ラッタ「ピカチュウせんぱ~い。どうすか、この姿。」

ピカチュウ「…ああ、イカしてるぜ。…なんていうか歯、すげえな。」

ラッタ「うっすw なんか ひっさつまえばって技も結構キてる感じっすw」

ピカチュウ「ああ…そうだな…お前いま時代にのってるよ。」

ラッタ「ところで先輩。」

ピカチュウ「(ビクッ)な、なんだよ。」

ラッタ「先輩はいつ進化するんですか?」

ピカチュウ「年末にも…な。」

主人公「お前、プログラミングの話はどこへいった。」







17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:32:35.44 ID:Yu1TccJE0
  ―――――シオンタウン ―――――――

プレイヤー「ひっ!なにこの音楽 怖すぎる…(ガタガタ)」
     プゥン

ピジョン「なさけないわね。これしきのことで怖がるなんて
     “あの人”の人間としての器の大きさが表れる瞬間ね。」

主人公「あ、ピジョンさん。進化おめでとうございます。」

ピジョン「あら、ありがとうマンピーさん。タマムシでの戦闘も期待してね。」

カメール「ふぅ。なんか前より動きづらい体になっちまったなぁ。」

主人公「おうカメール。体調はどうだ。」

カメール「ご覧の通りさ。バブルこうせんのわざマシンが無かったら、
     俺は間違いなくボックス行きだったな。」

主人公「ちがいない。」






18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:37:03.13 ID:Yu1TccJE0
プクリン「マンピーくん。」

主人公「どうしたんですかプクリン伯。」

プクリン「いや、君ね。ピジョンさんが私のほうに振り向いてくれるには
     どうしたらいいかとね、考えていたんだがね。
     折角だから、君の考えもうかがっておこうとおもってね。」

主人公「戦闘で活躍すればいいじゃないんでしょうか。
    その、聞く者を魅了してやまないバリトンボイスの歌声からのメガトンパンチ。
    これで決まりでしょう。ピジョンさんも、うっとりです。もう眠るほどに。」

プクリン「そうかねそうかね。」


主人公「(…なんだろう 最近肩が凝るな。)」

ピカチュウ「…ようマンピー。元気なさそうじゃん…」



主人公「…ピカチュウ…久々に飲みに行くか。」

ピカチュウ「…おう。」







19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:38:54.62 ID:Yu1TccJE0
―――― タマムシシティ コインゲーム ――――

主人公「よっこらせ。この台が当たり目か。」

ライバル「久しぶりだな。ようやくお前のバッジもそろってきたみたいだな。」

主人公「…今日も当たってるみたいだな、グリーン。(ジャラジャラ)」

ライバル「…はは、よせよw俺の今の名前は“うれピー”だぜ?w
     そうだろ、マンピーw」

主人公「ああそうだな、うれピー。」



ライバル「…(ジャラジャラ)」
主人公「…(ジャラジャラ)」






20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:41:30.85 ID:Yu1TccJE0
ライバル「…いいこと教えてやるよ。(ジャラジャラ」

主人公「…どうした(よし、きた!)」



ライバル「おまえ、そらをとぶ っていう技知ってるか?」

主人公「そのままじゃねえか。
    今度は俺らが空飛んでクラディウスみたいにドンパチってか?」

ライバル「まあ聞けよ…。」

主人公「聞こう。」






21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:45:42.27 ID:Yu1TccJE0
ライバル「この技はな、鳥ポケモン専用技らしいが、
     どうやら一度行った街に瞬間でワープできるらしい。」

主人公「!!」

ライバル「…ああ、お前の想像通りだ。
      今まで“奴”がいない時間に必死に隣町まで歩いて
      合流して飲んでまた必死こいて歩いて帰る。
      …そんな俺たちの苦労が遂に報われる時が来たんだ。」

主人公「かえったら早速ピジョンさんに覚えさせないとな。
     …もちろんプログラムの水面下で。」


ライバル「…ただし情報にはコレがつきものさ。(クイックイッ)」

主人公「…いくらだ。」


ライバル「…このゲームコーナーの10マス下に美味い居酒屋があるらしい。」

主人公「…了解。」







23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:48:43.28 ID:Yu1TccJE0
プレイヤー「…ちっ!ああ、くそが!
      サイケの一発ぐらい耐えろよ。ほんとに使えねえな。」
 
    プゥン


主人公「さて、皆に集まってもらったのは言うまでもない。」

ピカチュウ「宿敵ナツメ…」

シャワーズ「…こんなパーティだから全滅するんだよ。」

カメール「よう新入り。ここは初めてか?力抜けよ。」






24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:50:42.55 ID:Yu1TccJE0
主人公「最初の三匹だけはなんとかラッタで
    ゴリ押しはできるんだけどな。最後の一匹がな…。」

ピカチュウ「キョウの時に使った手は通用しないのか?」

主人子「あれは駄目だ…ナツメさんとはさっき初めて会ったが、
     相当気が強いということが初対面の俺でも感じ取れる。」

カメール「だって鞭持ってるぐらいだしな。」






25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:53:13.30 ID:Yu1TccJE0
シャワーズ「あ、あの。キョウの時に使った手とはなんでしょうか?」

ピジョン「あら坊や。世の中には知らなくていいこともあるものよ。」

プクリン「ゴホン。その通りだピジョンさん。」

シャワーズ「ではピカチュウさん。
        あの手、とはなんなのでしょう。」
ピカチュウ「よしマンピー、説明してやれ。」

主人公「…はぁ。キョウの時は大変だったんだ。
    毒タイプに有効な奴がいなくてね。苦労したよ。
    だが、キョウのポケモンに有効な策は見つからなかったが、
    キョウに対しての有効な策は見つかった。…」






26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:56:02.48 ID:Yu1TccJE0
シャワーズ「…金、ですか。(ゴクリ)」

主人公「…大変だったさ。こちらは土下座外交だ。
     まあ、そのお蔭で戦闘の時キョウは馬鹿みたいに
     ポケモンにプラスパワーを使いまくった。
     それを『うはwこいつ馬鹿ww』と罵りながら、
     ちまちまとベトベトンの体力を減らしていった
     馬鹿な“あいつ”を見ていたら、なんだか無償に鳥肌が立ったよ。
     ああ、人でもプログラムでも馬鹿は馬鹿なんだ、と初めて実感したな。」


ラッタ「でもあいつ、最後のマタドガスでじばくしましたよ。」

主人公「それは卑怯だから仕方がない。」






27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 18:58:58.79 ID:Yu1TccJE0
シャワーズ「その懐柔策が今回は通用しない、と。」

主人公「無駄だろうな。フーディンに、頼むからリフレクター連発しといてくれ、
    とお願いに行こうかと思っていたが完全に手詰まりさ。」

シャワーズ「…ひとついいですか。」

ピカチュウ「ああ、どうぞ。」

主人公「いや、それは俺の言葉だ。」







28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:02:23.34 ID:Yu1TccJE0
シャワーズ「どうしてレッド…いやマンピーさんは
      “奴”のためにそこまでしようとするんですか?
       普段はあんなにあいつのことを嫌がっているじゃないですか。」

主人公「…どうしてだろうな。正直俺にもわからない。
     だけど…楽しんでいるのかもしれないな。
     俺はこの決められた、プログラムの流れに沿った旅を
     楽しんで期待しているのかもしれない。
     …プログラム風情がこんなことを言うのも変かもしれないが、

     俺はプレイヤーである“奴”を応援しているのかもしれないな。」







30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:04:56.88 ID:Yu1TccJE0
プレイヤー「えと、道具の13番目と14番目を交互にセレクトで…(ブツブツ)」

ピカチュウ「(おい!どうなってるんだ!!なんかおかしいぞ!)」

プクリン「(おそれていた事態がおきたか。
      どうやら“奴”はナツメを倒せないばかりに、
      私たちを強制レベル上げの地獄に引きずりこもうとする気だ。)」

ラッタ「(そうなると一体俺たちはどうなるんですかい?)」

プクリン「(さあな。ひとつ言えることは…
      皆、覚悟をしておいたほうがいい、ということだ。)」

全員「(!!)」







32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:07:11.38 ID:Yu1TccJE0
ピカチュウ「(おい!マンピー!このキチガイ野郎を止めろ! 
       マンピー!!レッド!)」

主人公「…」


ピカチュウ「(そうだ…あいつ喋れないんだった…)」







33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:09:56.85 ID:Yu1TccJE0
プレイヤー「これでいいかな、と」

カメール「(!!!)」

ピカチュウ「(どうしたカメール!!)」

プクリン「(始まったか…)」

カメール「(ぶるわああああ…)」

プレイヤー「おおwカメールがカメックスに進化しとるw」






34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:11:03.05 ID:4eXdXnoXO
支援
俺もよくやったわwww







35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:12:17.12 ID:Yu1TccJE0
シャワーズ「(…ん?カメールさんのレベルが…252!?)」

ピカチュウ「(おいおい…こいつはやべえな。煩悩の数を軽く振りきってる。
        ついでに体力ゲージも振り切ってやがる。)」

プレイヤー「お、おおw252となwwおそろしいwさっそく野生と戦わせてみようw」

プレイヤー「あれ?技の欄が空白だぞ。どうすればいいんだ?」

ピカチュウ「(ここまでか…レッド、皆。これまでの旅路、なかなか楽しめたぜ。)」

プレイヤー「ま、いいかwAボタン押そうっとww」

ピカチュウ「(じゃあ…な…)」

                        -  プゥン  -







37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:13:39.69 ID:Yu1TccJE0




                 1部  完
  





41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:16:40.88 ID:Yu1TccJE0
2部



――――― マサラタウン ――――

レッド「はあ、それで結局ここからスタートか。“奴”も懲りないな。」

フシギダネ「まったくですね。」

レッド「今度のパートナーはあんたかい。まあよろしく頼むよ。」







43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:19:48.39 ID:xvyz+Ovm0
この業界も大変そうだな






44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:19:56.17 ID:Yu1TccJE0
フシギダネ「よろしくお願いします。
       先におこったあの悲劇。覚えておいでですか。」

レッド「…覚えているもなにも当事者さ。あの時は頭が裂けるような痛みだったな。」

フシギダネ「最近、巷ではこの事件を『ナツメの念力』と呼んで、
      ポケモン界の歴史に残そうとする運動もおこっているらしいですよ。」

レッド「はぁ…頼むからナツメを煽るなよ。ますます攻略しにくくなるじゃないか…」

レッド「まあいい。どうせ“奴”はいつも通りトキワの森あたりまで進めるだろう。
    これからよろしく頼むよ。」

フシギダネ「こちらこそ。」


レッド「これからは、新しいメンバーも増えそうだな。」






45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:21:54.67 ID:Yu1TccJE0
――――― トキワの森 ―――――

プレイヤー「ふぅ。飽きた。休憩。」

    プゥン



レッド「…久方ぶりだな。」

ピカチュウ「…まったくだな。」

フシギダネ「お知り合いで?」

ピカチュウ「…ああ。つい数日前に見た顔だ。」








47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:25:09.68 ID:Yu1TccJE0
ピカチュウ「よかったな。名前が戻って。」


レッド「そういうお前もよかったな。
    しかし、草むらから一回でエンカウントとは、“奴”は相当運がいい。
     …お前もしかして出現率とかいじくったのか?」

ピカチュウ「いじくったとして、俺に何の得があるんだ。」

レッド「出番が増える。」

ピカチュウ「すいません。いじくりました。」







48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:28:48.29 ID:Yu1TccJE0
フシギダネ「なかなか楽しそうな方ですね。」

レッド「あまり関わらない方が身のためさ。」

ピカチュウ「なに言ってるんだか。嬉しいくせに。」






49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:32:21.97 ID:Yu1TccJE0
タケシ「きたな!おれは ニビ ポケモン ジム…ってなんだレッドじゃないか。」

レッド「…」

ピカチュウ「(こいつは今はしゃべれない。)」

タケシ「ふはは!まけると わかってて たたかうか! 
    ああ、そうだレッド。こないだの飲み代、まだ返してもらってないんだが。
    え、今度奢ってチャラにしてくれる?おお、ありがとな。
    それでこそ親友だな。」

レッド「…」

フシギダネ「(…一人で何を言っているんだろうこの人は。)」

ピカチュウ「(…心なしかレッドの表情が暗いな。)」







50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:36:06.39 ID:Yu1TccJE0
―――― ハナダシティ ―――――


フシギダネ「ふぅ。おつきみやまってあんなに辛い場所だったんですか。」

イシツブテ「ああ、そうだね。」

オニスズメ「鳥タイプからしたら、あそこは地獄の釜戸よ。」


ピカチュウ「お前ら当然のように会話に参加するなよ。」







51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:42:47.20 ID:Yu1TccJE0
イシツブテ「どうしてだい?
      ぼくたち仲間なんだから会話に加わるのも当然だろう?」

オニスズメ「そうだそうだー。」

ピカチュウ「いや、物事には順序がある。」

イシツブテ「どんなだい。」


ピカチュウ「とりあえず自己紹介だ。」







52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:48:32.44 ID:Yu1TccJE0
イシツブテ「ステータスなら君もさんざん見ているだろう。
      “奴”が画面を開くたびに、僕らは画面上で
      表情をつくって待っていなきゃいけない。 君もそうだろう。」

ピカチュウ「あ、ああ。
       …なんというか、お前からはプリンと似たものを感じるな。」

イシツブテ「は?」

ピカチュウ「独り言だ。忘れてくれ。」







53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 19:59:36.10 ID:Yu1TccJE0
ピカチュウ「…そして、また帰ってきたんだな。ここに。」

レッド「ああ。戻ってきたな。詰み所に。」

フシギバナ「その…俺もできる限りの力を出します。」

レッド「ああ、お前には頑張ってもらわなくちゃこまる。」

ラプラス「始まりは終わり。終わりは始まり。
     はてさて、この人形劇に終わりがこようか。」

ピカチュウ「…また変なのが一匹増えたぞ。」

レッド「気にするな。変なのがうようよいるのは元からわかっていることさ。」






54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:00:35.60 ID:4eXdXnoXO
なごむわ





55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:05:53.81 ID:Yu1TccJE0
レッド「しかし私の手持ちに比べ、そちらの手持ちのポケモンは、
    なんということだ!このバリアード、モルフォン、そしてフーディン。
    どのポケモンも美しく、そして賢いポケモンだ。
    トレーナーの良さが、そのままポケモンにあらわれている!うん。」

レッド「そういうことでナツメさん。戦いの前にお茶でも如何ですか。」

ナツメ「…(コクッ)」




プレイヤー「うはwwフーディン、リフレクターばっかwwアホすww」

ピカチュウ「(…なんだってんだよ)」







56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:10:12.36 ID:Yu1TccJE0
レッド「そんなこんなで気づけばポケモンリーグまで来ちまったな。」

ピカチュウ「本当にそんなこんなだな。」

オニドリル「あたしらの旅ってこのポケモンリーグを制覇すれば終わるの?」

レッド「まあ、まだ“奴”の個人的な野望は残っているようだが。
    とりあえずはひとまず終焉を迎える、という形になるんじゃないか?」

オニドリル「はへー。」

ゴローン「僕はこの姿のまま、でんどういりするのでしょうか。」

ピカチュウ「ん?不満なのか?」

ゴローン「いや、まだいける気がするんだ…」






57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:13:16.81 ID:KFVR5iy3O
はへーw






58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:13:17.42 ID:Hun4dXIoO
支援





59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:14:46.98 ID:Yu1TccJE0
フシギバナ「?俺にはよくわからないですが…」

ミュウツー「そうか?吾輩にはわかるぞ。」

ピカチュウ「!!誰だお前は!」


ミュウツー「吾輩はミュウツー。名はまだデフォルトのままだ。」






60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:22:30.85 ID:Yu1TccJE0
ピカチュウ「…こんな奴、野生で捕まえたっけ?」

オニドリル「さあわかんない。」

レッド「…はぁ。おまえら覚えてないのか。
    こいつは先日“奴”の友達からの通信交換でおくられてきたポケモンだろ。」

フシギバナ「…そうでしたっけ。」

ピカチュウ「寝てたからわかんねえな。」

レッド「おまえら…こっちからはファイヤーさんを交換に出したんだぞ。」

ピカチュウ「あのファイヤーさんをか!?道理で最近見かけないわけだ。」

レッド「…」







62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:27:53.51 ID:Yu1TccJE0
ワタル「それとも しっぽをまいて にげるのかい!」

ピカチュー「あ、最強ドラゴン(笑)タイプのハクリューさんじゃないですかーw」

ハクリュー「…りゅうのいかり」

ピカチュウ「いてwあれw40しかくらわねえやw
      流石ハクリューさんwパねえっすw」

ゴローン「ラプラスさん、やってください。」

ラプラス「素直にれいとうビーム。」

   ピューン   








64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:32:21.05 ID:Yu1TccJE0
――――― ワタルの部屋 チャンピオンの部屋眼前――――


ピカチュウ「なあレッド。」

レッド「ん。なんだ。」

ピカチュウ「お前がチャンピオンになると、
      俺たちポケモンはでんどういりすることになるよな。」

レッド「まあな。」

ピカチュウ「それがいかに凄いのかを説明してほしい。」

レッド「…凄さ、ね。例えでもいいのか?」

ピカチュウ「もちろんだ。そちらの方が助かる。」

レッド「ここに傾斜が急な山があるとしよう。」

ピカチュウ「ふむ。」






65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:36:42.35 ID:Yu1TccJE0
レッド「俺たちはその山を何の気なしに登り始める。
    なぜなら、それが俺たちの運命だからだ。」

ピカチュウ「登山する理由は運命だから、か。
      くく。聞いている分には中々に滑稽な話だな。」

レッド「この山を登っている段階が、俺たちの旅路だ。
    ただな、山を登るにあたっては山道が一本道なんだ。
    横にそれてそこから歩きだすことはできない。」

ピカチュウ「もしそうしたらどうなるんだ?」

レッド「…わかっている事を敢えて質問する、というのは中々感心しないな。」

ピカチュウ「こういう性分なのさ。」





66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:39:41.61 ID:Yu1TccJE0
レッド「まあいい。話をもどすが、山道には、ところどころ険しい箇所がある。
    ある時は力づくで、またある時は知力を用いて
    俺たちはその箇所を克服し歩き続ける。」

レッド「そして必死こいて着いた山頂が、
    このゲームでいうチャンピオンの座にあたるのさ。」

ピカチュウ「じゃあでんどういりというのは、
      山頂に建てられている石碑の前で記念写真を撮るのと大差ないな。」

レッド「おいおい。俺に最後まで言わせろよ。」






67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:44:43.44 ID:Yu1TccJE0
プレイヤー「うひょwwやっとチャンピオンwきたww」




フシギバナ「(…なんというか、長かったですね。)」

ピカチュウ「(…これでも短かったほうだぜ。
        リセットされる前はもっと長く時間がかかってた…気がする。)」

ゴローン「(…僕はいったい何回ひんしになったんでしょうか。
       倒されては生き返され、また倒され、
       そして生き返され、の繰り返しでしたよ。)」

ラプラス「(ふむ。それは、さながら扉を開けては閉め、
      また開けては閉めるようなもの。
       なかなか興味深い。こう考えると人間というものは
       なかなかに無駄が多い生き物ですな。)」

ゴローン「(…なぜだろう。今ものすごい殺意を抱いた。)」

ピカチュウ「(やめとけ。奴にかかっていっても水に流されて終わるだけだぞ。)」







69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:50:15.17 ID:Yu1TccJE0
オニドリル「(あたしたち勝ったの?やった!やっぱり最強だわ!)」

フシギバナ「(あなたと、向こうのピジョットさんとの
       戦いはなかなか手に汗握る展開でしたよ。)」

ミュウツー「(…吾輩の出番が殆ど無かったように思えるのだが。)」

ピカチュウ「(それは多分、お前があまりにも強すぎるんで
       “奴”が気を害したんだな。人間って大抵そんなもんさ。)」

ミュウツー「(…解せぬ。)」


ピカチュウ「(しかし、オーキドのじいさんも大変だな。
        ここまでどうやってきたんだろうな。)」

フシギバナ「(途中に海とかありましたよね。)」


 レポートにかきこんでいます でんげんをきらないでください







70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 20:54:43.55 ID:Yu1TccJE0
―――― タマムシシティ 食堂 ―――――



タケシ「本日は、『レッド君、チャンピオン撃破おめでとう』の会に、
    ジムリーダー・四天王・その他諸々お集まりいただきありがとう。
    前説はここまでにして、早速乾杯の音頭を前チャンピオンの
    グリーン君にお願いしたいと思います。ではどうぞ。」


グリーン「まあなにはともあれレッドよ、チャンピオンおめでとう!
      

      今日は俺の奢りだ。みんな楽しもうぜ!」



全員「うひょー!」






73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:09:50.74 ID:Yu1TccJE0
レッド「太っ腹だなグリーン。あ、すいません。生中一つ。」

グリーン「へっ。今日でセキエイ高原の勤務も終わりさ。あそこは遠くて敵わんよ。
      でも、今日からはお前があの座に就くんだもんなレッド。まあ頑張れよ!」

レッド「…あー、グリーン。知らないのか?あ、すいません。串揚げも一つ。」

グリーン「へ?なにが?」

サカキ「どうやら知らないみたいだな。にしんの煮付けももらおうか。」

カスミ「みたいですね。あんず酒もおねがいしまーす。」

グリーン「おいおい、何だよみんな。もったいぶるなよ。」



レッド「実はだな。お前は…超過勤務なんだ。期間はこのゲームが終わるまで。」







74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:15:02.03 ID:Yu1TccJE0
グリーン「…は?おいおい、どういうことだよ。冗談キツイぜ…」

  ポン

ワタル「…諦めろ。お前と俺はまだ若い。
    俺たちはまだいい。一番可哀相なのはキクコの婆さんだ。
    あの人は毎日シオンタウンから勤めているんだぞ。」

グリーン「…ぐ。」



エリカ「いえーい!イッキするわよー!」

グリーン「…グリーン、いきます。」

マチス「ヒューヒュー!」

キョウ「グリーンの!ちょっとイイトコみてみたい!!それイッキ!イッキ!」





レッド「…若いなあ。」






75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:21:27.66 ID:Yu1TccJE0
ピカチュウ「なあレッド、知ってるか。」

レッド「知らない。」

ピカチュウ「俺たちを起動させている、このゲームの
      正式な名称はポケモン(赤)と言うらしい。」

レッド「ほう。…て、ちょっと待て。
    だとしたら、このゲームのタイトルが赤だからという安易な理由のもとに
    俺のこのレッドという公式の名前があるのか?」

ピカチュウ「気を落とすなよ。」

レッド「…悲しきかな。」







77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:23:33.56 ID:Yu1TccJE0
ピカチュウ「まあそれよりも本題はここからだ。
      近頃、人間界でこのゲームの派生作品なるものを新たに制作したらしい。」

レッド「…どうせポケモン(白)とかだろ?」

ピカチュウ「ところがどっこい!タイトルは ポケモン(ピカチュウ)だ。」

レッド「!!!どういうことだ…」

ピカチュウ「つまりこういうことさ。
      きっとその作品では、主人公がピカチュウになっているんだぜ。」


レッド「ありえん。たとえ合っていたとしても誰が得をするんだ。…」

レッド「…いや、待て。もしかしたら主人公の名前がピカチュウという風に
    選べるだけになっているだけかもしれない。」


ピカチュウ「マジかよ。誰が得するんだよ。…」






78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:27:47.26 ID:Yu1TccJE0
レッド「しかしポケモンが主人公でないにしても、
    150あまりいるポケモンの中で
     お前がタイトルの一角を担うことになろうとはな。」

ピカチュウ「まあそれは実力だろ。考えてもみろよ。
       ピカチュウが町の中を歩いている光景をさ。
       もう確実に目が潤むな。感動するだろ。」

レッド「え?町の壮大なグラフィックにか?」

ピカチュウ「…もういい。」





79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:32:47.31 ID:Yu1TccJE0
フシギバナ「レッドさん。ひとつ聞いてもいいですか?」

レッド「なんなりと。」

フシギバナ「どうしてレッドさんはチャンピオンを倒したのに、
       チャンピオンの座には就かずまだ各地を転々としているのでしょうか。」

ピカチュウ「それは俺も聞きたいな。」

レッド「ゲーム業界的にそれでいいと思うか、おまえたちは?」

ピカチュウ「なんだ、つまらん答えだな。」

フシギバナ「あなたにはガッカリですレッドさん。」


レッド「…最近のお前は毒舌気味だな。」








81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:34:12.92 ID:Yu1TccJE0
レッド「さっきの話だが。」

フシギバナ「え?どの話でしたっけ?」

レッド「…もういい。」

ピカチュウ「うそだって!レッドの話聞きたいぜ。なあフシギバナ。」

フシギバナ「そうですとも。」

レッド「…はぁ。いつかお前に登山の話をしたのは覚えているか?」

ピカチュウ「ああ。しっかりとな。」






82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:39:22.02 ID:Yu1TccJE0
レッド「ならこう考えるのはどうだ。石碑の前で記念撮影をすることが
    チャンピオンの座に就くことだとしたら、
    今の俺たちはきっと下山している段階なのさ。」

ピカチュウ「どうして下山なんかするのさ。」

レッド「石碑が立っているだけの頂上だぞ?その場に留まり続けていられると思うか?」

ピカチュウ「いや。俺なら記念撮影して帰るね。」

レッド「そういうことさ。下った後はいつかまた登る。そしてまた撮って下るのさ。」







84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:45:32.39 ID:Yu1TccJE0
フシギバナ「ラプラスの言葉を借りるなら、“なかなか無駄が多い生き物”ですね。」

ピカチュウ「しかしそう考えるとグリーンという奴はすごいんだな。
       頂上で留まり続けているんだから。」

レッド「ああ。だから俺はあいつに敬意を払っているのさ。」



フシギバナ「そしていつも敬意を払いながら金をたかる、と?」

レッド「おいおい。みなまで言うなよ。」






85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:48:18.69 ID:X22hUBhp0
シロガネ山までいくのかな?


>>85
いや、一応赤版の世界からは飛び出さない構図にしています。
金銀の世界も引き合いには出しますけれど。







86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:48:58.73 ID:Yu1TccJE0
―――― クチバシティ ポケモンセンター ――――

プレイヤー「お、タカシか?お前こないだピカ版買ったんだよな?だったらそれで…」

オニドリル「(なにか話しているわね。)」

レッド「…」

プレイヤー「…んでよ、そういうことだから。明日持って来いよ。じゃあな。」

ピッ

フシギバナ「(…いったい何でしょう。“奴”は
       知らない単語ばかり発していましたね。)」

ミュウツー「(吾輩にはわかるぞ。)」







88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:51:53.89 ID:Yu1TccJE0
ゴローン「(…どうやら今回ばかりはあなたの知恵をかりないといけないらしい。)」

ミュウツー「(ごほん。“奴”が言っていた『ピカ版』とは
       すなわちピカチュウ版というゲームの製品名だ。
       そしてそのピカ版というものには一説によると、ピカチュウに
       有利なようにゲームのプログラミングが組まれているらしい。)」

ゴローン「(!!)」

ミュウツー「(そして今の話から推測するに、こちらのピカチュウを
       ピカ版なるものに送り、強化してから
       こちらに戻すという予定みたいだな。)」






89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:54:18.04 ID:Yu1TccJE0
フシギバナ「(本当ですか!具体的にはどのように
       ピカチュウさんが有利になるとかは…)」

ミュウツー「(すまないがそこまでは吾輩の知るところではない。)」

フシギバナ「(…使えねーな。)」

ミュウツー「(…)」

ゴローン「(ピカチュウさん!聞きましたか!やりましたね!)」

ピカチュウ「(…)」

オニドリル「(…ピカチュウ?不満なの?)」


ピカチュウ「(…zZZ)」

ゴローン「(…流石はピカチュウだな。)」







90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 21:58:08.20 ID:Yu1TccJE0


プゥン



ピカチュウ「本当かよ!?俺がピカ版におくられるだって!!
      更には強化されて戻ってくるだって?」

フシギバナ「みたいですよ。」

ピカチュウ「やりい!さすがは天下無双のピカチュウさまだぜ!」」

---ゼニガメ「…まあ途中のニビは、俺がいないと確実に乗り切れなかったけどな。」


ピカチュウ「ぐ。…」

ラプラス「どうかしたのですか?」

ピカチュウ「いや、若かりし頃の苦い思い出が…」

全員「?」







91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:01:41.64 ID:Yu1TccJE0
レッド「…交換は明日みたいだな。期間はおよそ一週間らしい。」

ピカチュウ「へー、そうなのか。よく知ってるな。」

レッド「お前も起きていればおのずと耳に入ってくるはずだがな。」

ピカチュウ「なんの話だか。」






92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:03:14.05 ID:Yu1TccJE0
レッド「…さて、と。俺は一眠りさせてもらう。
    どうやら“奴”は明日朝イチで交換をするみたいだからな。」

ピカチュウ「センターのソファがもうお前の寝床だな。」

レッド「“奴”もたまには実家の前でセーブしてほしいね。
    そうしたら時間に追われずゆっくり自分のベッドで眠れるのにな。」

ピカチュウ「ははは、ちがいないな。…ああ、それとレッド。」

レッド「…うん?」

ピカチュウ「…俺がいなくても寂しがるなよ。」

レッド「…お前はつくづくばかだよ。」







93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:08:38.01 ID:Yu1TccJE0
サイドン「うっす。ピカチュウさんと交代で赴任してきました。よろしくっす。」

ゴローン「よろしく。同じタイプどうし仲良くしようよ。」

サイドン「うっす。ゴローンさんよろしくっす。」

ゴローン「なぜだかね、君とは気が合うような気がするんだ。不思議だけどね。」







95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:14:33.26 ID:tFlBSpU2O
>>93
見かけ倒しタッグ






94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:14:32.87 ID:Yu1TccJE0
フシギバナ「ところで、一ついいでしょうか?」

サイドン「うっす。なんでもこいっす。」

フシギバナ「どうしてあなたの名前の欄には“まさる”と書かれているんですか?」

サイドン「うっす。向こうの“奴”が変な名前付けたからっす。」

ゴローン「そう言えばこちらの“奴”は、
      レッドさんには変な名前をつけていたみたいですが、
      捕まえたポケモンには一切名前をつけませんね。」






96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:17:56.02 ID:Yu1TccJE0
ミュウツー「お蔭で“奴”がサファリで捕まえてくる二ドラン達を
      どうやって呼び分けていいか、吾輩には未だにわからん。」


ラプラス「名前とは不思議かな。名前には他人の差異化を図ることができる魔力がある。
      逆に名前がないと、差異が生まれずすなわち存在はしなくなる。
      また名前には他人をその名前という存在に縛り付けさせる魔力もある。

      これを果たして理解し得る者が幾ばくいようか。しかし不思議かな。
      全ての物には全て等しく名前が付けられている。
      誰が強制したわけでもなく誰が指示したわけでもなく。」






97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:21:01.15 ID:Yu1TccJE0
ゴローン「…ラプラスの演説は終わった?」

フシギバナ「終わりましたので、
      もう耳を塞いでいる両の手をおろしても大丈夫ですよ。」

ミュウツー「ところでレッドはどこにいるのだ?先刻から姿を見ないが…」

フシギバナ「レッドさんは先ほど一人で飲みに行かれたみたいですよ。」

サイドン「新入りの俺が何か至らないようなことでもしたんですか?だったら…」


フシギバナ「いや、違いますよ。きっとね。」






98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:24:52.35 ID:Yu1TccJE0
ゴローン「…という訳でよ、ヒック。
     僕たちじめん・いわタイプはヒック。不遇な扱いなわけだよ!」

サイドン「まったくすよ!
      いつもいつもその場しのぎの壁に使いやがって
     俺達をなんだと思ってるんだよ、って話っすよね!」

ゴローン「ああ、まさる。
      …一週間だけだったが、お前だけだ。
     お前だけだよ俺の気持ちをわかってくれるのは…」

サイドン「ゴローン先輩、飲みすぎっすよ、泣かないでください。
      俺も先輩だけですよ、俺の気持ちをわかってくれる方は。」

ゴローン「…なあまさる。俺たちいつまで経っても同じ志しを持つ…仲間だよな?」




サイドン「あたりまえじゃないっすか先輩!」







99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:31:03.29 ID:Yu1TccJE0
プレイヤー「うひょーwピカチュウ強化きたww」




プゥン

ピカチュウ「ただいまもどったぞ皆!」

フシギバナ「おかえりなさい。充実した一週間でしたか。」

ピカチュウ「そりゃあもう。映るもの全てがバルーン色だったぜ。」

ミュウツー「それは是非土産話を聞きたいものだな。」

ピカチュウ「ああ、耳にタコができるぐらいに聞かせてやる。
       その前に、だ。ちょいと失礼するぜ。」
  テクテク

ピカチュウ「よう。まだ寝る時間じゃないぜ。」

レッド「…ん。もう戻ったのか。」







100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:35:07.13 ID:Yu1TccJE0
ピカチュウ「ふふふレッドよ、寝てないで起きることだな。
       今から、向こうでの俺の武勇伝を聞くために、
       お前の耳の穴は最大限開かせなくちゃならない。
       そのためにはお前には起きていてもらわないとな。」

レッド「…よくわからんが、自慢したいという熱意だけは伝わってくるな。」

ピカチュウ「ふふん。まあこいよ。
       …おっと待て、それよりも前にお前は友に向って
       捧ぐべき言葉があるんじゃないのか?」




レッド「……おかえり。」

ピカチュウ「ああ。ただいま!」






101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:38:38.72 ID:Yu1TccJE0
ピカチュウ「…っていうわけよ。」

レッド「で、お前は向こうのレッドに何て言ったんだ?おっちゃん、枝豆一つ追加ね。」

ピカチュウ「ああ、『てめえの及び腰の程はアーボックの腰の具合並だ。
          軟体動物でなくなったら再び俺の前に姿を現せ!』ってな。」

レッド「お前にしてはなかなか上手く言ったじゃないか。」

ピカチュウ「だろ!?でな、俺は…」



フシギバナ「なんというか、あれですね。」

ミュウツー「なんだ。」

フシギバナ「…久しぶりですよ。
      レッドさんのあんなに生き生きしている姿を見たのは。」

ミュウツー「うむ。」

ゴローン「うう…ひぐっ…」

ミュウツー「そして何故貴様は泣いている。」






103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:44:39.11 ID:Yu1TccJE0
プレイヤー「行けピカチュウ!空を飛べ!ひゃっふう!」

プレイヤー「不意打ちのピカチュウでなみのりじゃああああ!!」

  プゥン

オニドリル「絶好調ね!でも鳥ポケモンの意地として、あんたに私のポジションを
      とられるわけにはいかないわ!あんたはライバルよピカチュウ!」

ピカチュウ「ふふふ。望むところだ。」

レッド「ここ最近のお前のレベルの上昇率は鰻登りだな。やるじゃないか。」

ピカチュウ「でもよー。この技を習得するには大変だったんだぜー。まず…」

レッド「まず最初にお前はミュウにさせられ、そして次はシェルダーにさせられ、だろ?」


ピカチュウ「そういえばこの話は3回目だな。」

レッド「いや5回目だ。」






104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 22:45:23.62 ID:Yu1TccJE0




                 2部  完







111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:03:04.26 ID:Yu1TccJE0
3部


レッド「…最近は“奴”もこのゲームを起動させることが極端に減ったな。」

ラプラス「“彼”は大人になったのでしょう。身体のみならず心までね。
    よかったじゃないですか。貴方にとってこれ程嬉しいことはないのでは?」

レッド「ああ、お蔭様で仲間とは時間を気にせず会えるようになったし
    毎日実家の温かい布団でくるめるようにもなった。
    その筈なんだがな。…たまに少しだけ不安になるのさ。」

ラプラス「ほう。」






114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:10:54.48 ID:Yu1TccJE0
レッド「“奴”はゲームをすることを止めた。
    そして俺たちはそれに対して喜んでいる。
    ゲームのプログラムの構成の一部である俺たちが、
    結果的にゲームを止めることを推している。
    果たしてこれでいいものかと、ね。」

ラプラス「おやおや。坊ちゃんは無駄にプログラムとしての正義感を
     持とうとしているように私には見えますね。」

レッド「…教えてくれラプラス。俺たちプログラムの粒子と人間とは
    一体どういう関係を持っていけばいいんだ。」

ラプラス「落ち着きなさい。坊ちゃんらしくもない。
      いつものあなたならすぐに理解できるはずですよ。

      そもそもプログラムと人間との間に
      関係を持つことなんて不可能なのだ、とね。」

レッド「…」






115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:15:06.71 ID:mu0pQYf1O
なんか感じるものがあるな
支援






116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:18:51.33 ID:Yu1TccJE0
ラプラス「ここは人形劇場なのです。

     観客はその時々によって数が変わります。
     その先の壇上にいる踊り手は私たちで、その糸を持つのは“彼等”です。
     果たしてこれで対等な関係が持てるでしょうか。
     死人に口なし、人形にも口なしです。
     たとえ人形に考える能力があったとしても、口は開けない。
     口を糸で縫われているから喋れない?

     ちがうでしょう。それがこの世の形(なり)だからです。」

レッド「…」

ラプラス「無為なことに時間を使うのはおやめなさい。
      あなたは所詮このゲームの一端を担うものでしかない。
      それがせめてもの私からの坊ちゃんへの忠告です。」

レッド「…痛く身にしみたよ。ありがとうな。」








118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:24:33.30 ID:Yu1TccJE0
おかあさん「レッド‐!起きなさい!グリーン君が下に来てるわよ!」

レッド「…ああ。今行く。」


グリーン「ようレッド。相変わらず冴えない顔してんなー。」

レッド「…グリーン。チャンピオンとしての仕事はいいのか?」

グリーン「残念ながら数ヶ月前にセキエイ高原はチャンピオンの俺の命により
      全ての業務を停止させてもらった。
      今あそこに行っても誰もいないぜ?」

レッド「誰が好き好んで行くんだよ。」

グリーン「キクコの婆さんだろうな。
     チャンピオンロードがいいウォーキングコースになっているらしい。」







119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:25:11.27 ID:fFvP1FMD0
なんか哀愁漂うな






121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:31:37.77 ID:Yu1TccJE0
グリーン「なあレッド」

レッド「チャンピオンの件ならお断りだぞ。」

グリーン「ちげーよ。そんなに俺もしつこくねえよ。」


グリーン「…なんていうか、最近の俺たちって輝いているのかな?」

レッド「あー、いい病院があるんだ。紹介しようか。」

グリーン「おい!……というか、お前もわかっているだろ。」

レッド「…」

グリーン「なんというか前と違って、皆が生き生きとしてない感じが俺にはするんだ。」

レッド「確かに町にも、通行人にも、ポケモンにも…
    そして俺たちにも活気がないのは確かだな。」







122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:38:12.57 ID:Yu1TccJE0
グリーン「なんていうかさ、肩すかしをくらったような感じでさ。
    
     …実を言うとさ、あれほどお前の前じゃチャンピオンの仕事は嫌だ嫌だと
     言ってたくせにさ、いざお前が再び来ると、こう胸が熱くなる感じがしてな。
     でもあれほど望んでいた平穏な日常が来ると、
     嬉しいはずなのにつまらないんだよ。
     それでさ、俺はこの仕事があまり嫌いじゃなかったのかもしれないな、と思って。
     まあ変だな、あはは。」


レッド「…だけど俺たちは“奴”に向かって何か言えるわけでもない。
    思っていることしかできないんだ。」

グリーン「それがどうしたんだよ。」

レッド「…!」







123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:41:58.55 ID:jY8h+8UoO
泣いた





124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:45:27.99 ID:Yu1TccJE0
グリーン「…たとえ口に出すことができないとしても、
      俺たちは感じることができて、思うこともできて、
      そして更にはひたすら待つことができる。
      俺はこれを不自由だとは思わない。
      たとえどんなに人々に活気がなくなり、
      やる気が削がれようとも俺はひたすら待つ。
      チャンピオンとしてではなく、トレーナーとしてでもなく、
      ただのプログラムの一つとして待つ。
      …なんか無駄に熱く語っちまったな?はは、今のは忘れてくれw」


レッド「…グリーン、お前はいい奴だな。」

グリーン「…おいおいよせよ。てか忘れてたけど、随分前に奢った飯代返してくれよ。」


レッド「……グリーン、お前は本当にいい奴だな。」

グリーン「おい。」






125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:52:26.50 ID:6xnJfp4FO
グリーンwwwww






127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:53:35.96 ID:Yu1TccJE0
グリーン「じゃあなレッド。またいつか会おうぜ。あんまり寝すぎるなよ。」

ギィ バタン


レッド「いつかって大げさな。あいつの家はすぐ隣じゃないか。」

おかあさん「あら、あなた知らないの?」

レッド「…ん。なにが。」

おかあさん「グリーン君、チャンピオンになって以来一度も家に帰ってないそうよ。」

レッド「!」

おかあさん「今もフラッと来たと思ったらまたすぐどこかに行っちゃって。」


レッド「……グリーン。お前は極端なんだよ。」








128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 23:55:11.88 ID:Yu1TccJE0





                 3部  完






131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 00:00:59.66 ID:T5qL4Jy60
4部


おかあさん「レッド!!起きなさい!大事な客さんよ!それも急用らしいわよ!」

レッド「…。ただいまレッドは応じることができません。
    ピーという発信音とともに俺は寝ます。ピ…」


 バタン ドタドタ


ピカチュウ「起きろ寝ボスケ!!一大事だ!」 ピョン


レッド「……久しぶりだな。また重くなったんじゃないのか?」






133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 00:05:01.03 ID:Yu1TccJE0
ピカチュウ「プログラムだからそんな…ってもうこのやりとりはいい。一大事だ!」

レッド「わかったよ。じゃあ事の詳細を10文字以内で説明してくれ。」


ピカチュウ「“奴”がくる。」


レッド「………時間は?」

ピカチュウ「わかるものか!それでも歩数でカウントするなら120歩ってところだな。」




レッド「…う、うおおおおおおおお!時間ねえじゃねえかよ!!」







135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 00:08:41.98 ID:/I3cvwLZO
支援
これすごいたのしい







136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 00:09:21.20 ID:T5qL4Jy60
ピカチュウ「お、落ち着け!」

レッド「落ち着けるものか!
    前回セーブした場所の位置の座標なんか覚えてなんかないぞ!」

ピカチュウ「セキチクのサファリゾーンの入り口から下1左2の位置だ。」

レッド「うおおおおおお!確実に120歩で辿り着かねえじゃねえか!どうすんだよ!」

ピカチュウ「落ち着け!10まんボルト!!」

    ビリリ!






137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 00:15:46.56 ID:T5qL4Jy60
ピカチュウ「落ち着いたか?」

レッド「…ああ。思考回路がショートする程にな。」

ピカチュウ「そいつはよかった。
       まあ落ち付いて考えてみろよ。俺はどうやってここに来たと思う?」

レッド「それは勿論走ってきたに…ああ。そういうことか。」

ピカチュウ「ああ、そういうことさ。」

レッド「他のみんなは。」

ピカチュウ「すでに集まっている。後はお前だけだ。」

レッド「…そうか。世話かけるな。」

ピカチュウ「まったくだ。世話のかかる友人だな。」

レッド「下で準備していてくれ。すぐに行く。」






138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 00:21:29.99 ID:T5qL4Jy60
レッド「…この風船はどこから取り寄せたんだ?」

ピカチュウ「おいおい。細かいことを聞くのか?」

レッド「やめておこう。それはタブーだからな。」

ピカチュウ「ああ。しかし空を飛ぶのは楽だな。あっという間だ。」

ピカチュウ「ついたぜ。ほら、急ぐぞ。」

レッド「ああ。そのなんだ、ありがとな。恩に着るよ…親友。」




ピカチュウ「960円です。」

レッド「タクシーかよ。」






139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 00:27:10.30 ID:T5qL4Jy60
プレイヤー「…ふぅ。久しぶりだなこのゲーム。
      お、データ残ってるよ。よかったよかった。」


ピッ チャリーーン!


ピカチュウ「(なんとか間に合ったな。よかったよかった。)」

フシギバナ「(考えてみればこのメンバーで集まるのも久しぶりですね。)」

ゴローニャ「(まったくだね。)」



全員「(…おまえはだれだ)」

ゴローニャ「(ひどい…最後の方で通信進化したのに…)」

オニドリル「(ずいぶん前だから忘れていたわ!どんまい!)」

ピカチュウ「(…カワイソス(ボソッ))」








141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 00:31:08.03 ID:T5qL4Jy60
プレイヤー「えと、金銀とつなぐにはこうして…こうやって…」

レッド「…」

オニドリル「(ねえ、金銀ってなによ?)」

ミュウツー「(さあ、吾輩にもわからん。)」







142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 00:38:49.07 ID:T5qL4Jy60
プレイヤー「よし、こっちからはオムナイトを送ってこっちには…」

フシギバナ「(ああ、オムナイトさんですか。
       あの人もついに交換の引き合いに出されるようになったんですね。)」

ピカチュウ「(なかなか失礼な発言だな。)」


プレイヤー「よし、GO!」


オムナイト「(YES!YES!しびれるぅ!)」

ピカチュウ「(そう言えばあんな奴だったな、オムナイトって。)」

ミュウツー「(えらく適当だな。)」

フシギバナ「(…それにしても、何かいつもの通信交換とはわけがちがうような。…)」

プレイヤー「… よし、終わったぞ!
      金銀じゃあこいつ手に入んねえからな。さて、金銀に戻るか。」

    プゥン 







143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 00:45:19.69 ID:T5qL4Jy60
レッド「つまり、ピカチュウ版と同じように金銀版なるものが人間界で開発されたと。
    これはほぼ間違いないだろうな。」

ミュウツー「うむ。恐らくな。」

ピカチュウ「だけど奴等も物好きだな。
      次から次へと名前だけ違うものばっかりつくってるな。
      誰が得をするんだ?」



キャタピー「うわwなにここ、白黒とかありえないんだけどーw」

レッド「…ゲームの製品元会社の良し悪しを語る前に、
    金銀版の性能を確かめることも必要かもしれないな。」






144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 00:49:54.23 ID:T5qL4Jy60
ピカチュウ「はあ!?向こうは全面カラー張りだって!?」

キャタピー「近くで叫ぶなよ。ってかカラーが当たり前なんじゃないの?」

ピカチュウ「…ここには白黒の権化が腐るほどいるぞ。」

キャタピー「あんたら本当に何も知らないんだね。
       まあ、あちしがあんたらに教えてやってもいいけどー。」



オニドリル「…く。キャタピー風情が調子に乗るなよ?…」

ゴローニャ「落ち着いて。口調違いますよ。」







148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:00:59.63 ID:T5qL4Jy60
レッド「…つまりだ。キャタピーの意見をまとめると赤版と金銀版の違いは、
    まずポケモンの種類、技の種類の大幅なバリエーション増加、
    ステータス『とくしゅ』に二分化、
    ポケモンに道具を持たせられるようになった、
    ゲーム内の町並みが一掃されて新しくなっている、これぐらいか。」

キャタピー「あちしがわかる範囲内ではね。」

ピカチュウ「しかし、白黒とカラーの作品で通信交換なんてできるものかね。」

キャタピー「がんばったらしいわよ。よくは知らないけど。」



フシギバナ「そうなんですか。…では、ご苦労様でした。」

キャタピー「へ?」




オニドリル「ゴッドバード!!」
フシギバナ「シネシネ光線!!」
レッド「…神に祈る間をやろう。」


キャタピー「わきゃーーーー」






149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:01:33.67 ID:OxE6DBO0O
ポケモンは外れがないな、ゲームもSSも





150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:01:49.34 ID:Y9mMKete0
キャタピー気の毒すぎるwww





151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:04:48.52 ID:T5qL4Jy60
プゥン


レッド「今日はフリーザ様か。やはりイベントで手に入るポケモンは、
    軒並み向こうに連れていかれているみたいだな。」

ピカチュウ「もうこれで6匹目か。そのたびにビードルとかコクーンとか
      送られて来るのには頭が痛くなるが…」

フシギバナ「…イベントポケモン、ですか。」







155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:11:59.16 ID:T5qL4Jy60
プレイヤー「よし、今日はフシギバナをおくるか。」




レッド「…」

ピカチュウ「(な!!)」

フシギバナ「(…)」

ピカチュウ「(お、おい!どうするんだよフシギバナ!)」

フシギバナ「(…どうするもこうするも。俺はただ従うしかありません。)」

ピカチュウ「(そんな!!向こうに行ったら戻ってこられないかもしれないんだぞ!!)」

フシギバナ「(…あくまで私の推測…
       いや、願望ですが、俺はここに戻ってこられる気がするんです。
        何の根拠もないですがね。)」








159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:15:15.60 ID:6xVdh4oRO
せつない





160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:17:28.57 ID:PKZfNXIaO
なんで……プログラムごときに……涙が……





161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:17:37.98 ID:T5qL4Jy60
ゴローニャ「(僕も、フシギバナさんは戻ってこれる。そんな気がするんです。
        話を聞いた限り、向こうとこちらとではおそらく環境からして違う。
        改善された点もあれば、新しく生み出されたモノがある点など、
        現状で僕たちは全てを把握している訳ではありませんが、
        違いが発生しているのは明らかです。)」

ゴローニャ「(ですがもし、フシギバナさんが新システムの実験体に
       なるだけだとしたら…戻ってこれる確率はあると思います。)」


ピカチュウ「(!!お前、言葉にはきをつけろよ!仲間を実験体扱いにするなんて…)」

フシギバナ「(…ピカチュウさん。そこまでです。ゴローニャさんもありがとう。
         …どうやら時間です。行ってきます。)」

ピカチュウ「(…フシギバナ)」







163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:22:24.98 ID:T5qL4Jy60
レッド「…なあ。あれから何日経ったかわかるか?」

ピカチュウ「…わかるはずないだろ。」

レッド「…不思議だよな。人間は白黒をカラーにしたり、
    ゲーム製品を次々に改良したりと休む間もなく成長していく。
    対して俺たちはどうだ。
    おそらくこのゲームが起動されてから相当な月日が過ぎているだろうが、
    未だに俺たちは時間という概念がわからない。」

ピカチュウ「…ラプラス並みの演説をどうもありがとうよ。」

レッド「…」


ゴローニャ「皆さん。“奴”が来ますよ」






164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:27:08.58 ID:T5qL4Jy60
プレイヤー「さてと、交換!けってーい!」


ピカチュウ「(…人間は成長する、と言っていたがこいつは
       昔と何ら変わらない気がするのはきのせいなのか?)」


   ピヨンピヨン



プレイヤー「よし、交換完了、と。」

ピカチュウ「(!!)」

全員「(フシギバナ!!)」


フシギバナ「(はは。ただいま…もどりました。)」








166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:33:10.22 ID:T5qL4Jy60
ピカチュウ「おかえり!よく戻れたな!うれしいぜ!」

フシギバナ「ありがとうございます。えと、まず何から話せばよいのやら…」

ミュウツー「ゆっくり思い出しながら話しだすとよい。」

ゴローニャ「うんうん。」

フシギバナ「わかった。…まず、金銀版は俺が想像していた以上にすごい世界でした。」


フシギバナ「まずカラーなのはさることながら、
      町を構成するプログラムに赤版よりもぬかりはない。
       町が全体的に整えられていました。」

レッド「どういうことだ?よくわからないぞ。」

フシギバナ「たとえるならポケモンセンターの
      ソファの柔らかさを2倍にしたような感じです。」

レッド「なるほど。よくわかる。」







169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:40:14.45 ID:T5qL4Jy60
フシギバナ「それで俺が向こうの世界に連れていかれた理由ですが…
      実はポケモンの卵を産んでいました…」



ピカチュウ「……なあ、ここは笑うところか?」

フシギバナ「笑うなりこけ下ろすなり自由にしてください…」




フシギバナ「…それで、俺はよりによってメタモンなんかと卵を…うぅ…うぐ…」

ピカチュウ「落ち着け、な?おっさん。中ジョッキ2つ!」

フシギバナ「…もうお嫁にいけないです。」

ピカチュウ「お前は♂だろうが。」






170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:41:00.55 ID:Y9mMKete0
童貞捨てたか・・・





171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:42:12.30 ID:OxE6DBO0O
まさかフシギバナに先越されるとは…







173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:44:01.34 ID:37AUz2wvO
もしもし


切なすぎて泣きました


ガチャッ







174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:45:51.83 ID:T5qL4Jy60
ピカチュウ「なんていうか俺は最近思うんだ。」

レッド「どう思うんだ?」

ピカチュウ「確かに“奴”は一時期に比べてこのゲームを起動する回数が大幅に増えた。
      これはいいことさ。しかし蓋を開けてみれば、俺たちは旅をせずに、
       ずっとポケモンセンターの一階に張り付き状態だ。
       パソコンを起動しては、交換場に行き、交換が済んだら
       またパソコンを起動して…の繰り返し。
       なんというか、寂しいんだ。」

レッド「…ああ。」






175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 01:52:23.05 ID:T5qL4Jy60
レッド「また、極端に奴は起動しなくなったな。」

ラプラス「たぶん、金銀版にも飽きたのでしょう。」

レッド「わかりやすいというかなんというか。」

ラプラス「人間というものはそのような生き物。
      ところで、坊ちゃんはこんな話を知っていますか?」

レッド「どんなだ。」




ラプラス「金銀版には内部電源というものを採用しており、
     それにはリチウム電池があてられているという話です。」






180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:00:12.85 ID:T5qL4Jy60
レッド「それがどうした。」

ラプラス「内部電源にはセーブ機能を保存する他に、
     内部時計機能を搭載しているみたいです。
     いやはや、内部電源機能はまことに画期的な機能のように思いますね。」

レッド「何が言いたい。単刀直入に言ってくれ。」

ラプラス「わかりませんか坊ちゃん?
     世の中に、無限なモノなんて一つもないんですよ。」








183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:04:21.29 ID:T5qL4Jy60
レッド「…まさか。」

ラプラス「内部電源は無限の機能ではない。
     付け加えるならば、内部電源は二つの機能の仕様を許している。
     そうですね、人気があればあるほど寿命が短いという
     この喩えはあながち間違いではないようす。」

レッド「…“奴”はわかっているのか。」

ラプラス「この手の知識に敏い紳士淑女の方々は理解しており、
     対策もとっておられることでしょう。  
     果たしてここの“彼”はその方々の一員なのでしょうか?」

レッド「…」







185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:09:14.49 ID:T5qL4Jy60
二ドラン♂「おい、聞いたか?金銀の話。」

♀「聞いたわよ。あれ本当なの?本当なら悲惨よねー。」

マンキー「でもよ、金銀なんてカラーですごいモノらしいけどよ、
     結局初代と銘打たれた俺たちの勝ちなんじゃねえか?」

♀「勝ちって何よ勝ちって。
  …でもまあ、金銀版ってすごいもの詰め込みすぎたらしいわね。」

♂「…なんというか。自業自得、なのかもしれないな。」


――― トキワシティ 居酒屋にて ――――

グリーン「どうしたレッド、いきなり飲みたいなんて。
     トキワまで来るのも結構大変なんだぜ?」

レッド「おう。まあ座れよ。今日は俺の奢りだ。」

グリーン「どうした?具合が変だぜ?」

レッド「…お前も知っているんだろう。金銀の話を。」

グリーン「…巷じゃその話題で持ちきりじゃないか。
      あの話には信ぴょう性がない、と言う奴もいるが
      金銀の内部電源が切れることは疑いようもない事実だな。」

グリーン「それに対してみんなは好き勝手言ってるな。
     自業自得だ、だとか赤版大勝利!、だとか。」

レッド「…そうだな。」

グリーン「…」






186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:14:42.40 ID:T5qL4Jy60
レッド「グリーン、お前『白骨の御文章』って知ってるか?」

グリーン「…宗教の勧誘ならお断りだぞ。」

レッド「…俺は勧誘員ではない。
    ただな、この文章の中に気になる文章があったのさ。」

    朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身あり。

グリーン「…この文がどうしたのさ。」

レッド「朝は元気な姿をしていたのに、
    夕方には死ぬ姿になるかもしれない、という意味らしい。
    この文章は人間の儚さについて説いた文章らしい。
    人の一生は儚く、終わりは突然やってくる、とこの文章中では説いている。」

グリーン「…あっけなく終わりはくる、という意味なのか。」

レッド「始まりがあれば終わりはある。
    可哀相に、と嘆いている奴等はこれをわかってはいない。
    なぜなら、自分もいつかは死ぬということをその時は忘れているからだ。」

グリーン「考えさせるものがあるな。」





レッド「そういえば…まだ、待っているのか。」
グリーン「…ああ。強いチャンピオンは未だ健在さ。」







187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:17:14.94 ID:T5qL4Jy60





                 4部  完








190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:22:14.06 ID:T5qL4Jy60
5部


プレイヤー「ぬわーーーー!!金銀のデータがああああああ うわああああ!!」



ピカチュウ「(…ついに消えちまったか。)」

フシギバナ「(…次には俺たちも消えるんでしょうか。)」

ミュウツー「(馬鹿を言うでない。消えないさ…恐らくな)」



プレイヤー「はぁもう終わりか。結局赤しか残ってないしよぉ。もう電源消すか。」

レッド「…」

フシギバナ「(…レッドさんの顔が暗いな。)」

    ピッ ピッ

プレイヤー「そういえば、ミュウツー持ってたんだっけ。
      こいつ強すぎてなぁ、昔は嫌いだったなぁ。今もだけど。」

ミュウツー「(…解せぬ。)」







193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:27:39.20 ID:T5qL4Jy60
ピッ ピッ


プレイヤー「オニドリルもなぁ。
      強いんだけど撃たれ弱くてなぁ、使うのに苦労したなぁ。」

オニドリル「(きぃーー!なによ!あたしは最強なのよ!)」


ピッ ピッ

プレイヤー「ラプラスなぁ。
     最初に貰った時は小躍りしてなあ、みるみるうちに成長していったなぁ。」

ラプラス「ふむ。」




ピッ ピッ

プレイヤー「ゴローニャ…。いつ進化させたんだっけ。」

ゴローニャ「(…泣きたい。)」








197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:30:16.90 ID:lpTUl1p7O
ゴローニャwww
もはや姿も思い出せないwww






198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:33:37.54 ID:T5qL4Jy60
ピッ ピッ

プレイヤー「フシギバナ。強かったなぁこいつも。
       いつも急所ばかり当てててなあ。どこかの水ポケよりも強かった。」

ピカチュウ「(…ゼニガメが泣いてるな、こりゃ。)」

フシギバナ「(ざまあみろです。)」


ピッ ピッ


プレイヤー「ピカチュウ。結局こいつは進化させなかったなぁ。
      進化させたら強い筈なんだけどな。アニメを見すぎたかもしれないな。」

ピカチュウ「(…俺はアニメなるものに救われたのか。)」







199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:38:35.21 ID:T5qL4Jy60
プレイヤー「みんな懐かしい。あの頃の思い出が蘇ってくるな…」

ゴローニャ「(…僕たちはつい先日のように思い出しますね。)」

ピカチュウ「(…そうだとしても…懐かしいな。)」

ゴローニャ「(…ええ。)」




プレイヤー「…よし!久々に四天王に挑戦してみるか!」

レッド「…」

フシギバナ「(おお!レッドさんの顔が!輝いている!ように見える!)」

ピカチュウ「(…ストーカーかお前は。)








200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:41:46.39 ID:T5qL4Jy60
―――― セキエイ高原 ワタルの部屋 ――――


プレイヤー「久々にやるとやっぱり楽しいな。
      しかしなぁ、あー目が痛い。目薬さしてこよう。」


  プゥン

レッド「…し、死ぬ。」

ピカチュウ「なんだ、情けない。」

レッド「お、おまえ。こんなに歩いたのは久しぶりなんだぞ。
    あー、もう既に足と腰がキテる…」

ワタル「君は真正の駄目人間だな。」






203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:46:33.79 ID:T5qL4Jy60
グリーン「おいおい、そんなんじゃチャンピオンたる俺を
     たおすことなんてできないぜ?」

レッド「グリーン!!」

グリーン「飲み屋以外では久々に顔を合わせたなレッドよ。これからが本番だぜ?
      そしていつになったら飯代をかえしてくれるんだ?」

レッド「…しゅ、出世払いで。」

全員「だまれこのじじいが。」



ワタル「ほらほら。“奴”がかえってくるぞ。準備した、準備した。」

レッド「親友よ、サロンパスない…?」

ピカチュウ「気張れ、親友。」







204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:50:31.68 ID:T5qL4Jy60
レッド「…この扉の向こうか。…なんだか酷く懐かしい思いがするなぁ。」

ピカチュウ「じじい臭さにますます磨きがかかっているな。」

レッド「ピカチュウ…今までありがとうな。」

ピカチュウ「ど、どうした。もうボケ始めたのか。」



レッド「ピカチュウだけじゃない。
    手持ちにいるみんな、今は散りじりになった旧メンバーのみんな。
    …そしてこれをプレイしてくれた“奴”に…ありがとう。
    何故だか、むしょうにそう言いたくなったんだ。…おかしいな。」

フシギバナ「…レッドさん…泣いているんですか。」

ピカチュウ「馬鹿やろう…プログラムだからって本当にな…
       マジで、泣ける…はずは…ねえ…んだょ…。」







207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:54:12.66 ID:T5qL4Jy60
よぉレッド!レッドもきたか!

…はッはッ うれしいぜ!



ライバルの おまえが よわいと はりあい ないからな!

おれは ずかん あつめ ながら かんぺきな ポケモンを さがした!

いろんな タイプの ポケモンに 

かち まくる ような コンビネーションを さがした!


   …そして いま!


おれは ポケモンリーグの ちょうてんに いる!

レッド!この いみが わかるか?

…  …  … わかった!おしえてやる!



この おれさまが! せかいで いちばん!つよいって こと なんだよ!


              
  
  
    グリーン「……楽しもうぜ、レッド」








209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:55:09.82 ID:T5qL4Jy60

         T H E   E N D


お粗末さまでした。






210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:55:12.16 ID:hAC5ATOqO
泣いた





212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:57:03.29 ID:hAC5ATOqO

感動したよ







220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 03:01:39.96 ID:KaMH3U0dO
>>1乙
グリーンいいとこ持っていきやがってwww








226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 03:14:10.44 ID:mxT6ogp90
>>1乙
もう一回赤やってくる







208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/27(木) 02:54:16.93 ID:PKZfNXIaO
安心しろよ、俺たちの終わりは電源じゃないから





ポケットモンスター ソウルシルバー(特典無し)
任天堂 (2009-09-12)
売り上げランキング: 68
おすすめ度の平均: 4.0
5 5歳児もはまってます・・・
5 衝動買いに近いヒット作?
5 大人も楽しい
4 なかなかのもの
4 ポケットモンスターソウルシルバー



最新記事一覧
Powered by RSSリスティング


おすすめ長編スレ(徐々に過去ログからのURL変更していってます。)
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない
映画化書籍化もされたスレッド

消去できないメールが来ました
全米が泣いた。

変な女とラブホテル行ってきたんだけど
夏の終わりにぴったりの怖い話!

神様から誕生日プレゼントもらった
こんな幸せな話があるとは・・・!

どうしよう、なんか援交っぽいの見つけちゃったんだが。
ぱーどぅん?

今、彼女の部屋の押し入れに隠れてるけど
この勢いは異常wwwwww

浮気されてるっぽい
NTR好きおすすめ

NHKにようこそwwwwww
上のスレからの派生スレ。こっちもNTR向け

中一の妹の生活ノート
最近の中学生ぱねぇwww