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ドイツの「お見合い特急」、リアル同乗記

  • 2009年02月19日 02:21 発信地:ベルリン/ドイツ
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ドイツ北部ハンブルク(Hamburg)で、ドイツ鉄道(Deutsche Bahn、DB)が主催する「お見合い特急」に乗り、会話を交わす男女(2008年2月14日撮影)。(c)AFP/DDP/ROLAND MAGUNIA

【2月19日 AFP】バレンタインデー前夜の13日、ドイツ・ベルリン(Berlin)のポツダム広場(Potsdamer Platz)駅13番ホームに、恋人募集中の男女60人が集まった。これから、ひと味違った「スピード・デート」が行われようとしている。

 プラットホームには、彼らを乗せるベルリン名物の「パノラマ列車」が待機している。しかし窓には赤いハートマークが描かれ、車内はハートの赤い風船で飾られている。今晩のお見合いパーティーのため、特別に「Flirt-Express(お見合い特急)」に模様替えしたのだ。

 ドイツ鉄道(Deutsche BahnDB)が主催するこのイベントは今年で2回目だ。参加費はタダ。今年は、定員を6倍も上回る参加申し込みがあった。お見合い特急は、ベルリンを含む、ドイツ主要10都市から出発する。

■ベルリンのプラットホームにて

 ホームに到着した参加者にはプレゼントが配られる。女性には一輪の赤いバラ、男性にはハート型のプレッツェルだ。参加者の年代は、10代後半から50代といったところだ。

 一同はまず、ホームのバーへと案内される。そこでは、孤独な心を盛り上げようと言わんばかりにパーティーミュージックが鳴り響き、栓を抜かれたばかりのスパークリングワインがシューシューと音を立てている。

 参加者たちがワインを満たしたプラスチックカップを握りしめ、お気に入りがいないかと落ち着き無げな視線を周囲に走らせるなか、ドイツ鉄道の司会者が、今晩のルールを説明する。

 ルールは簡単だ。列車が市内の鉄道網で2時間半の走行を行う間、参加者は3分ごとに話す相手を変えながら恋人候補を見極める。この短さでは「ひとめぼれ」が大きな要素だ。女性は同じ席に座ったままで、男性が席を移動する。

 気に入った人がいれば、「お見合いリスト」にその人の名前を記入する。相思相愛の場合は20日に相手の連絡先が知らされるという。

 なお、列車はノンストップで運行されるため、うまくいっていない場合でも「途中下車」は禁物だ。 

■パーティーでの人間模様

 お見合いは列車の終着駅で終わるわけではない。降車後は、貸し切りパーティーが開かれるベルリン市内のトレンディーなバーへ移動。だが、キューピッドは矢を持てあましているといった感じだ。

 親しげな2、3組のカップルがお互いの耳元に何かをささやいている。いや、騒々しい音楽のなか、叫んでいると言った方がいいだろう。だが、その他はというと、同性同士が固まって静かに座っている。押し黙って、物悲しそうに会場を眺めている。1人の女性が突然ダンスを披露する。そして、元気のない様子でひとり離れて座っている人たちもいる。

 参加者の感想もまちまちだ。

 22歳の女性は「すばらしい経験だった。ほかのスピード・デートにも参加したことはあるけど、お見合い特急はもっと親密な空間を提供してくれたわ」と満足そう。「12人と会って、お気に入りリストには6、7人の名前を記入したの」

 20代後半の匿名希望の男性も、「すごくクールだ。すばらしい相手にめぐり会えたとは言わないけれど、とにかくおもしろかったよ」と肯定的だ。

 だが、むっつりとした表情で独りビールをすすっていた男性からは、「感想?話したくもないね」と不機嫌な回答が返ってきた。(c)AFP/Richard Carter
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