小沢一郎民主党幹事長の記者会見の内容は次の通り。
【冒頭発言】2時から6時半ごろまで事情の説明を行った。内容は(東京都世田谷区)深沢8丁目の土地購入に関係する資金の問題と政治資金報告書についてだった。(土地購入の)原資については、後援会のその当時あった資金をすべてそれに充ててしまうと、後援会の運営資金、活動資金がなくなってしまうという状況の下で、私の個人的な資金を提供する、貸し付けるということになった。この点についてのいろいろなお尋ねがあり、私は何も隠し立てすることではございませんので、私の記憶している限り、事実をそのまま包み隠さずにお話申し上げました。
報告書についても(平成)16年の売買が17年の売買のように報告されておるという問題について、私にそれを知っておったのか、またどういうことでそのようなことになったのかというようなお尋ねでございました。
秘書の事務所を兼用した居住不動産について、後援会に対して原資を貸し付けたということが事実のすべてでございまして、後の具体的な事務については当然のことながら、担当の者が行ったということでございまして、私が実務的な点についてまで立ち入って関与したことはありません。
すべて検察官の質問に素直に答えましたけれども、お金についても別に隠し立てする必要の全くないお金ですし、日付を翌年にしたからといって、政治家として何ら困ることも、メリットも何もないわけでございまして、そういう意味において私自身は全く分からないというふうにお答えをいたしました。
そのほか同じ問題について、いろいろな角度から質問をいただきましたが、それに対し具体的に私の知っている限りのことを申し述べたところであります。
配布しておりますペーパーを読んでいただければ概略お分かりと思いますが、本日の事情の説明はそのことが大部分のテーマであったことをご報告いたします。
【質疑応答】
記者 事情聴取を受けた上で進退についてどう考えているか。特捜部からの聴取要請に今になって応じた理由は何か。
小沢氏 私は幹事長を今辞めなければならないようなことを、うちの担当だった秘書たちも含めてですけれども(していない)。国民の皆さんにおわびを申し上げなければなりませんけれども、自分自身としては与えられた職責を全うしていきたいと考えております。
私は捜査にはいつでも協力すると伝えてきました。事情を説明するにしても、問題点が整理されてからの方が良いだろうということもあり、結果として今日になったんですけれども、捜査については今までも、そして今後も協力してまいりたいと思います。
記者 4億円について説明の経緯が変わっているのではないか。
小沢氏 私は説明をそんなに変えたつもりはございません。個別のことは皆さんに申し上げておりませんでしたけれども、今日は個人資金、その中身について申し上げたということです。あえて公表する必要性もなかったと思っておりますが、このような事態に立ち至りましたので、具体的にお話を申し上げたということです。
記者 今日のペーパーや会見の説明で国民に説明し切れたと思うか。
小沢氏 少なくとも今日は地検の捜査の担当の方にすべてを説明したと思っておりますけれども。今後さらに国民の皆さんに必要に応じて説明するべきことは説明したいと思っております。
記者 水谷建設からの金が幹事長の事務所に流れているという話がある。事情聴取で話は聞かれたか。
小沢氏 それがメーンではありませんでしたけれども、お話がありました。私はそのような不正な金は水谷はもちろん他の会社からも一切受け取っていない。私どもの担当の秘書たち、秘書だった者も不正のお金を受け取っていないと確信しているとそのように申し上げました。
記者 石川知裕議員らの自供内容についての話は出たか。政治資金収支報告書の虚偽記載について事前に幹事長の承諾を得ていたとの報道がある。同時に検察リーク批判も起きている。捜査、報道の在り方への見解は。
小沢氏 3人の供述内容の話はありませんでした、一切。報道の中身についてはぜひ、できるだけ公正に冷静に報道していただきたいというふうに私としては願っております。
検察は行政ではあるが、準司法的な立場を有している。ぜひ公正公平な捜査を行っていただきたい。本日、直接お会いして私も知っているすべてをお話ししました。もちろんそれで納得していただけるということではないんだと思いますけれども、真剣に聞いていただいたことだけは間違いないだろうと思います。
記者 虚偽記載について、これまで幹事長は単純な記載ミスと説明してきた。一切かかわっていないとすれば、今までなぜ単純ミスという評価ができたのか。
小沢氏 私が言っているのはそのような単純な記載ミスはあったかと思うけれども、不正な金を受け取ってうんぬんというたぐいのことは一切ないと信じていると党大会でも申し上げた通りだ。現時点においても石川議員も他の秘書、秘書であった者も精いっぱい自分の任務を果たそうと努力してきたと信じている。
記者 聴取では黙秘権の説明はあったか。調書にサインはしたのか
小沢氏 私に対する告発があったということで「被告発人として説明をうかがう」という話をいただきました。その時に「黙秘をする権利もあります」という話もうかがいました。しかし私は一切、黙秘権を行使しておりませんし、すべて答えております。調書につきましては2通署名をいたしました。
記者 何らかの刑事責任を問われた場合、幹事長職を続けながら裁判を続けるつもりか。
小沢氏 そのような疑問を解いてもらうために今日は事情の説明をしたわけでありまして、こうだったらどうするかというようなことを今考えておりません。
記者 検察のやり方を容認できない、断固戦うと党大会で発言したが、決意に変わりはないか。
小沢氏 私が申し上げているのは、私自身が、そのような不正なお金であれ行為であれ、そのようなものをもらってもいないし、してもいない、この主張は断然貫いていかなくてはならない。その考え方は今後も変わらない。ただ公平公正に捜査をしていただく以上、それに対する協力は今後もしていきたいと思っております。